映画「嘘喰い」 騙し合いゲームに挑む主人公を熱演する横浜流星が、自分の選んだ道と“賭け”を重ねる

ピンク髪の男子高校生を好演した『初めて恋をした日に読む話』をはじめ、『着飾る恋には理由があって』や映画『きみの瞳が問いかけている』など、TVドラマや映画に引っ張りだこの俳優・横浜流星。そんな彼が、史上最高の天才ギャンブラー・貘を演じる最新主演作『嘘喰い』が公開される。闇のギャンブル組織が取り仕切る、イカサマも殺しも何でもありな騙し合いゲームが繰り広げられる。なによりも原作漫画のイメージを大切にしたと話す横浜が、映画の魅力を語ってくれた。

エンターテインメント満載の映画に挑戦

「普段から貘のように『自信を持つこと』を心掛けました」

今作は僕にとって挑戦でした。これまでどちらかというと女性向けの作品に参加することが多かったのですが、今回はエンターテインメント満載のギャンブル映画。原作漫画は880万部を突破する人気作なので、男性の原作ファンにも広く発信できると思いました。それに、僕が演じた貘は、頭の切れるカリスマ勝負師で、いつも飄々と生きている男なんです。どんな大博打もポジティブに楽しんでしまうような。貘と違って僕自身は、「できれば日陰で暮らしたい」なんて思うようなネガティブな部分があるので、普段から貘のように「自信を持つこと」を心掛けました。

個性的なキャラクターの役作り

「キャラクターたちがとにかく濃い。僕は貘を体現するため、髪を銀色に」

この作品は、登場するキャラクターたちがとにかく濃い。僕は貘を体現するため、髪を銀色に染めました。衝撃的なのが、闇カジノのオーナー・蘭子を演じた白石麻衣さん。花魁のような和装や派手なドレス姿に、ドスを効かせた声で蘭子になりきっていて、いつもの白石さんからは想像もつかないはず。あと、人間離れした身体能力をもつ野生児ロデムにもぜひ注目を。演じた野村祐希君とは以前TV番組「最強スポーツ男子頂上決戦」で一緒に競った仲。その時から190cm近い高身長が印象的だったけど、野村君はさらに役作りのトレーニングで10kg増量していて、その屈強な姿に圧倒されました。

賭けと重なる人生

「大きな賭けにでる貘と自分を重ねる部分もありますね」

劇中には、ルーレットやポーカー、爆弾仕掛けの鬼ごっこなど、様々なバトルが登場します。賭け事ではないにせよ、こういったゲームって一度は学生時代なんかに経験するものかもしれないけど、当時僕は極真空手をやっていてその道一本だったから、クラスメイトが盛り上がっている横でちょっと距離を置いていたんです。だけど、今回初めて貘を通じてギャンブルやゲームの楽しさを知りました。リスクを負って、それがハイリターンで返ってきた時のあの快感はハマるのもわかる気がします(笑)。でもそれって「人生も一緒」だと思うんです。生きていくのも選択の連続。例えば僕も「あの時スカウトされて、この世界に入ると決心していなければ、今ここにいないんだ」とか。大きな賭けにでる貘と自分を重ねる部分もありますね。

映画のみどころ

「男女問わず心をくすぐる頭脳戦と ハラハラドキドキする騙し合い」

今作を通して学んだことはあると思うのですが、自分ではまだ実感が沸いていません。得たものはたくさんあって、でもきちんと整理できていなくて…。今後、他の作品をやっていく中で、「ああ、今やっていることは『噓喰い』で見つけたものなんだな」と感じられるんだと思っています。自分の心や身体にしみ込んでいるので、ゆっくりと振り返っていきたいです。

今作の見どころは、男女問わず心をくすぐる頭脳戦と ハラハラドキドキする騙し合い。それに、貘を慕って賭けの世界に入門する青年・梶(佐野勇斗)とのバディも微笑ましいです。ギャンブルものは色々あるけど、ここまでなんでもありの作品はあまりないはず。非日常の世界だからこその熱い戦いを存分に楽しんで欲しいです！

RYUSEI YOKOHAMA
1996年9月16日生まれ。
2011年俳優デビュー。現在、映画『あなたの番です 劇場版』が公開中、Netflix全世界同時配信『新聞記者』が配信中、T B S ×ハリウッド大手制作プロダクション共同制作ドラマ日曜劇場『D C U』に出演中。今後は映画『流浪の月』、夏には主演映画『アキラとあきら』の公開を控える。

Photo：塚原孝顕　Text：水越小夜子　Styling：伊藤省吾（sitor）　Hair&Make：永瀬多壱（ヴァニテ）

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