「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」ゲスト声優を務めた人気女優・松岡茉優がのび太たちに思い出させてもらったこと

1985年に公開された劇場版ドラえもんをリメイクした『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』。新型コロナウイルスの影響で公開延期となっていた本作がついに今春公開される! 夏休みのある日、ひょんなことから手のひらサイズの宇宙人パピと出会ったのび太たち。宇宙の彼方にあるパピの故郷・ピリカ星で起こっている反乱軍の暴動からパピを救うため、一緒に宇宙へ大冒険に飛び出す。ゲスト声優として、香川照之と人気お笑い芸人のミルクボーイが参加。さらに人気女優の松岡茉優が、パピの心優しい姉・ピイナを演じる。子どものころから「ドラえもん」が傍にいたという彼女に、その想い出を語ってもらった。

1985年版の映画と今回のリメイク版の違い

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「のび太たちが感じる迷いや葛藤、そして弱い心をありありと描いている」

 子どもの頃、毎週T Vでアニメ版を見ていて、当たり前のように「ドラえもん」がそばにいました。劇場で大長編を観るのも楽しみで、特に『映画ドラえもん のび太と翼の勇者たち』は、入場者プレゼントで翼のついたドラえもんのおもちゃをもらえたのが嬉しかったなぁ。

 元になった1985年版の映画と今回のリメイク版の違いは、のび太たちが感じる迷いや葛藤、そして弱い心をありありと描いている部分だと思います。「パピの星を助けたい」という気持ちがあっても、なかには「怖い思いはしたくない!」と臆病になってしまう人がいるのは、小学生の彼らにとって正直な感情ですよね。そんな風に、価値観や多様性をアップデートしているところが素敵だと思います!

自身が演じたピイナという女の子

「ピイナには弟が抱えている“荷物”を一緒に背負ってあげることのできる優しさがある」

 私の演じたピイナは、“大統領”を務める弟パピのためなら、どんな犠牲もいとわないたくましい女の子です。敵のギルモア将軍に捕らえられても、堂々と立ち向かっていきます! ピイナは原作には登場しないオリジナルキャラクター。ですが彼女がいることによって、大きなプレッシャーを感じているパピは「姉の前でしか見せない素顔」を出すことができるんです。アフレコの時は、「とにかく強く優しく」と演出していただき、特にパピと離れ離れになる冒頭のエモーショナルな場面は、時間をかけて丁寧に収録していきました。脚本を読み込んで、収録を重ねるうちに、ピイナには弟が抱えている“荷物”を一緒に背負ってあげることのできる優しさがあるんだなと感じましたね。

公開延期が決まった心境

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「転機が訪れる4月を前にご覧いただけるのは意味があるんじゃないかな」

 本作は、本来でしたら2021年に公開される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で2022年になってしまいました。当時は収録はすでに終わっていて、宣伝が動き出している状況だったので、私としては途中で止まってしまって役が繋がらないという心配はありませんでした。でもやっぱり「春休みに観に行くぞ!」と思ってくださったお子さんやご家族に、お届けできる時間が伸びてしまいました。ですが、結果として何かに踏み出す勇気や諦めない心を教えてくれる作品を、年度や学年、環境が変わって転機が訪れる4月を前にご覧いただけるのは意味があるんじゃないかなと感じています。

 「ドラえもん」の宣伝活動をしていて感じたのは、お子様向けの媒体が多いところです。もちろん大人向けの媒体の方も来てくださるのですが、その中で小学生のみなさんに向けてメッセージを送らせていただくことはほとんどありません。中高生の方でしたら、ファッション誌があるのでたまにお話させていただく機会はありますが…。なかなか関わりの薄い世代とのお仕事なので今後の舞台挨拶などはとても楽しみにしています。「ドラえもん」は全世代に愛されている作品なので子供向けという印象はなかったのですが、だからこそさまざまな媒体さんが来てくださったことが印象的でした。

愛され続ける「ドラえもん」の魅力

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「のび太は絶対にあきらめない。戸惑い泣きべそをかきながらもがんばる姿がカッコイイ」

 劇中、みんなが「もうダメか!」と思うような大ピンチになるんですが、のび太は絶対にあきらめない。戸惑い泣きべそをかきながらもがんばる姿がカッコイイんです! 50年以上愛され続けている物語だからこその“魅力”がのび太にはある。私はこれまで何度も彼に、あきらめないことの大切さを教えてもらったはずなのに、大人になっていつの間にか忘れていた気がします。だから子どもたちはもちろん、大人の人たちも是非のび太たちから勇気をもらいに劇場へ足を運んでいただけたら嬉しいです。

MAYU MATSUOKA
1995年2月16日生まれ。
子役として活動を開始し、テレビ東京系列『おはスタ』で、おはガールを務めた。その後、『桐島、部活やめるってよ』(12年)を皮切りに演技派女優として注目される。代表作は、主演映画『勝手にふるえてろ』(17年)、国際的にも高評価を得た『万引き家族』(18年)など。

Photo:塚原孝顕 Text:水越小夜子・エムクラ編集部 Styling:池田未来 Hair&Make:宮本愛(yosine.)

ある日、のび太たちは手のひらサイズの宇宙人・パピと出会う。大統領としてピリカ星を治めていたが、反乱軍から逃れるために地球にやってきたという。次第に仲良くなっていくのび太たちだったが、パピを探す反乱軍の追手がやってきて…。
監督:山口晋
声の出演:水田わさび、大原めぐみほか
●2022年3月4日(金)全国ロードショー

©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2021

(情報は公開時点のものです)

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