寺田心が“人には見えない”想像の少年に命を吹き込み、映画「屋根裏のラジャー」でアニメーション映画の声優に初挑戦

『メアリと魔女の花』が世界的に高く評価されたスタジオポノックの最新作となる長編アニメーション映画『屋根裏のラジャー』。少女アマンダが生み出した人には見えない“イマジナリ”と呼ばれる想像上の少年ラジャーの冒険を描いている。人間に忘れられると消えてしまう運命に戸惑いながらも奮闘するラジャーの声を担当した寺田心が作品への思いを語ってくれた。

憧れのスタジオポノック作品に出演

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「神社に合格祈願に行ったりもして合格した時は泣くほど嬉しかった」

スタジオポノックの作品がすごく好きで、神社に合格祈願に行ったりもしてオーディションに受かりたいって思ってました。合格を聞いたときは祖母の家にいて、祖母と母と僕とで一緒に泣いてしまうくらい嬉しかったです。僕が演じたラジャーは勇気があって心が強くて、1つの信念を貫くことができる子なんです。何か不安になっても自分は大丈夫だって思えるところに共感しました。

アニメーション映画の声のお仕事は初めてで視覚的な表現に頼れないことが難しかったです。実写だと体の動きや目の動き1つで見せ方を考えるんですが、声優の仕事って声に全てのせて、ラジャーというキャラクターに命を吹き込まなければならないんです。百瀬監督や西村プロデューサーからラジャーやイマジナリたちの世界についてたくさんお話しして頂いて、ヒントをもらいました。オープニングのアマンダの空想の冒険シーンだけでも素晴らしくてすごいんです! こんな世界観を生み出す方々の想像力って本当に圧倒されるものがあって、とても刺激を受けました。

イマジナリのような大切な存在“コロちゃん”

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「僕にも“コロちゃん”がいて一緒に冒険しました」

それと僕にもイマジナリのような大切な友だちがいたので役をすんなりと理解できました。僕が生まれてすぐに母からもらった熊のぬいぐるみの“コロちゃん”がいて、一緒に見えない敵と戦ったり冒険したりしていました。遊ぶのもご飯のときも、本当に何しててもずっと一緒でした。でも、何かこう境目があるというわけじゃなくて、いつの間にかコロちゃんの声が聞こえなくなってしまったんです。「心くんにはもう僕がいなくても大丈夫なんだ」って、きっとそう思ってくれたんじゃないかな。何か大切なことをコロちゃん自身が身をもって教えてくれたんだろうなって思ってます。コロちゃんは今もちゃんと机の上で僕の帰りを待ってくれてます。もしも、またコロちゃんとお話ができるようになったら、幼い時の時のように一緒に冒険したり遊んだりしたいなって思います。

僕はこの映画を通して成長していくに連れて薄れていく大切なものがよみがえってきて、友情や勇気、家族への愛を感じることができてとっても温かい気持ちになりました。あと、見ていて個人的にこんなに声が高かったんだって思いました(笑)。ちょうど声変わりの時期で、収録中は声が出しづらいなと思う時は、ハチミツやのど飴を舐めて白湯を飲んで喉をケアしてました。この時期の声は二度と自然には出せないから貴重ですし、いろんな意味で僕にとって大切な作品になりました。

これからはいろいろな役どころに挑戦していきたい

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「制服で学生役も演じてみたいです。悪役なんかも挑戦したい気持ちがあります」

この作品に出演させてもらって、声のお仕事をこれからどんどんやらせていただけたらなって思うようになりました。俳優としては、今、等身大の僕の年齢の役を演じたいです。制服ってやっぱり学生の象徴というかアイデンティティみたいなところがあると思うので、制服で学生役も演じてみたいですね。それと、いつもの自分とは雰囲気が全然違う、例えば悪役なんかもやってみたいし、いろいろな役に挑戦したい気持ちがあります。

オフでは、リラックスしたい時には焚き火の音、せせらぎの音、海の音などの自然の音を聞いてます。「あぁ、今日も一日終わるな」って謎に大人な気分に浸ってます(笑)。キャンプにはまだ行ったことないですけど、とっても興味あります。この作品にも想像の世界に自然のものが出てくるので、そこも注目して見ていただきたいです。

「屋根裏のラジャー」は自分の人生の岐路に立った時、見返したい作品になりました。そんな作品をたくさんの方に見ていただけたら嬉しいです。映像は言うまでもなく美しいですし、深く心に刺さり忘れていた何かを思い出させてくれると思います。きっとみなさんにとっても大切な作品になると僕は信じています。

KOKORO TERADA
2008年6月10日生まれ。
3歳から芸能活動を開始し、CMやNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」などの出演で注目される。以降、映画やバラエティ番組にも多数出演。主な出演作品に連続テレビ小説「らんまん」、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』などがある。

Photo:平野司 Text:入江奈々 Styling:高橋由光 Hair&Make:奈良原友美

世界の誰にもその姿は見えない少年・ラジャー(寺田心)は、愛をなくした少女・アマンダ(鈴木梨央)の想像の友だち<イマジナリ>だった。しかし、イマジナリには「人間に忘れられると消えていく」という残酷な運命が待っていた。失意のラジャーがたどり着いたのは、かつて人間に忘れさられた想像たちが身を寄せ合って暮らす「イマジナリの町」だった。
監督:百瀬義行
声の出演:寺田心ほか
●2023年12月15日(金)全国ロードショー

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(情報は公開時点のものです)

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