日本での地上波GP帯初の本格ゾンビアクションドラマとして話題を集め、Season2〜4がHuluで配信された「君と世界が終わる日に」。愛する人さえ失うスリリングな展開が反響を呼んだ本シリーズの劇場版にして集大成である『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』が1月26日に公開される。本シリーズで主人公・響役を演じてきた竹内涼真が作品への思いを語ってくれた。
密かな願望だった映画化が実現
「チームみんなで戦い続けてきたことで、映画化っていうご褒美があった」
密かに映画化できたらいいなという願望はあったので実現されて嬉しかったです。シリーズが始まった当初はここまで多くの方に受け入れてもらえると思ってませんでした。地上波放送でゾンビが出てくるドラマはそれまでほとんどなかったじゃないですか。
でも、「きみセカ」ではクオリティの問題やグロテスクな描写における表現の問題だとか、いろいろと制限があるなかで自分たちのやりたいことを貫き通してきました。いい意味で予想を裏切り続けてきたから、また見たいと思ってくれたんじゃないかな。だから、このシリーズを一度でも見た方は離れなかったんだと思うんです。
こうしてチームみんなで少しずつ試行錯誤して戦い続けてきたことで、映画化っていうご褒美があったんだと感じています。街で子どもから「あ、響だ!」って言われることがあるんですよね。こんな純粋な子どもたちも見てくれているんだって嬉しくなります。
劇場版ではアクションもそうですし、CGもドラマシリーズに比べるとかなり多く使われていて、映画ならではのスケール感になっていると思います。長いドラマシリーズとは違って約2時間の映画ですが、そこは映画ならではの醍醐味が味わえるのでドラマとはまた違った楽しみ方ができるんじゃないでしょうか。シリーズ通して見てもらえると嬉しいですが、劇場版だけでも楽しんでもらえるストーリー展開になっていると思います。台本の内容に関して、僕もプロデューサーの鈴木さんや菅原監督たちとアイディアの相談をしながら一緒に作り上げてきました。
普遍的な人間ドラマとしての見応え
「ゴーレムが出てくるサバイバル映画だけど壮大な愛と家族の物語なんです」
僕が演じた響は、幼い頃に両親を亡くしたことでとても愛情に飢えた人物なので、それを獲得するためにあれほどまでに過酷な道を選んできました。響が自分と似ているかどうかはあまり考えたことがなかったですが、ただ、自分というフィルターを通して演じているのでどこかしら通じるところはあるのだと思います。
ドラマも劇場版も基本的に演技スタイルは変えていないです。ただ、劇場の大きなスクリーンでは細部まで見てもらえると思うので、些細な表情の変化などじっくりと見て頂きたいです。
これまでも素敵な役者の方々と共演させてもらいました。今回の劇場版では高橋文哉くんと共演して、彼の放つエネルギーに感銘を受けました。20代前半の勢いを自然体のままダイナミックに表現していて、彼自身楽しみながら演じているのが伝わってきました。堀田真由さんもたくさんお話しさせてもらったんですが、女性キャストが少ないなかヒロインという立場でとても芯のあるお芝居をしてくれました。響が追い求める娘のミライと一緒にいる役どころで、役柄上も彼女の存在は重要だったので、堀田さんが演じてくれて良かったなと感謝しています。
この作品はゴーレムが出てきますけど、それだけじゃなくて、家族と愛の物語なんです。もちろんサバイバル映画としても楽しんでもらえると思いますけど、壮大な愛が一番大事なところ。是非劇場に足を運んで頂けると嬉しいです。
RYOMA TAKEUCHI
1993年4月26日生まれ。
2014年「仮面ライダードライブ」で主演を務め、続けて日曜劇場「下町ロケット」に出演して注目を集める。連続テレビ小説「ひよっこ」「過保護のカホコ」(ともに’17)、「テセウスの船」(’20)「六本木クラス」(’22)「落日」(’23)など話題作に出演。他に映画『太陽は動かない』(’21)、『アキラとあきら』(’22)など出演作多数。
Photo:平野司 Text:入江奈々 Styling:徳永貴士(SOT) Hair&Make:佐藤友勝
希望の塔ユートピアではゴーレムと呼ばれる化け物に対するワクチンを研究していた。研究材料は間宮響(竹内涼真)の娘ミライ。響はユートピアに集った5人の男たちと共に、娘を救い出す決心をする。しかしそこにはタワーの罠とさまざまな裏切りが待ち受けていた。
監督:菅原伸太郎
出演:竹内涼真ほか
●2024年1月26日(金)全国ロードショー
(情報は公開時点のものです)