男性会社員の“育休”体験記『男コピーライター、育休をとる。』をドラマ化 主演俳優・瀬戸康史が実感した赤ちゃんの笑顔の力

男性会社員が育児休業(=育休)体験をつづった、日本初のエッセイ本『男コピーライター、育休をとる。』を映像化したWOWOWオリジナルドラマが放送される。広告代理店に勤めるコピーライター・魚返(うがえり)洋介が、妻・愛子とともに初めての子育てと家事に奮闘する6カ月間を描いたハートフルコメディだ。主人公を演じるのは、ドラマや映画、舞台などで幅広く活躍する俳優の瀬戸康史。作品を通じて変化した心境を語ってくれた。

「育児」に対するイメージ

「脚本を読んでみて考えが一変しました」

「育休」という言葉に対して、「きっと夫婦仲も深まるし、子どもと一緒にいられて嬉しいよな」と、最初は主人公の洋介と同様、僕も漠然と幸せなイメージを持っていました。でも、脚本を読んでみて考えが一変しましたね。「こんなにも辛いものか!」と。撮影前に、オムツの替え方やミルクのあげ方、赤ちゃんのお風呂の入れ方などを細かく教えてもらいましたが、いざ本番になるとなかなかうまくいかず、何度も赤ちゃんに泣かれてしまって…。でも以前、NHKドラマ「透明なゆりかご」で産婦人科医を演じた時に得た「こちらが怖がってはダメ」という教訓を思い出し、ドシッと構えて接するようにしていきました。

506b5b93eac4ab24a76014981275abdb - 男性会社員の“育休”体験記『男コピーライター、育休をとる。』をドラマ化 主演俳優・瀬戸康史が実感した赤ちゃんの笑顔の力

育児の大変さ

「努力が報われたときに喜びに変わるんだ」

育児が「限界だ」のようなネガティブなセリフと結びついてなかったので、ある意味新鮮というか、意外に感じました。魚返を演じていて、自分の思い通りにならないフラストレーションみたいなものは、随時たまっていきましたね。赤ちゃんをどれだけ自分があやしても泣き止まないのに、妻の愛子が一発でおとなしくさせるシーンとか。「なんのために自分は頑張っていたのか!?」って感じです。自分の頑張りに対して、返ってくるものが少ないんですが、赤ちゃんが笑ったとか、ちょっとした成長を見られたとか、努力が報われたときに喜びに変わるんだと思いました。

4a0e86c44a91ed6743e3520bf4ff2ac4 - 男性会社員の“育休”体験記『男コピーライター、育休をとる。』をドラマ化 主演俳優・瀬戸康史が実感した赤ちゃんの笑顔の力

初めての育児に直面する夫婦の赤裸々な姿

「洋介が妻から怒られる場面では、『子犬のような表情で!』と指示されました(笑)」

今作には、初めての育児に直面する夫婦の赤裸々な姿が描かれます。寝る間も惜しんで赤ちゃんの面倒をみる二人は、余裕をなくして何度も喧嘩してしまうんです。ダメ夫の洋介が愛子に怒りをぶつけられる場面を撮影中、監督から僕は「子犬のような表情で!」と指示されました。「夫の潤んだ瞳に見つめられると、愛子は怒るに怒れないから」と。自分で言うのもなんなのですが、どうやら僕は子犬顔なのだそうで、そのおかげでどこか憎めないところのある洋介役を演じられたのかもしれません(笑)。
僕自身は、実は家事にはこだわる方。洗った食器はすぐに拭きたいし、洋服に皺のつかないハンガーを揃えたり、布団乾燥機も週に何度も使うんですよ。湿気や雑菌が気になる性格で、対策グッズを通販でよく買っています(笑)。特に梅雨の時期は、もう戦いですね!

7623c3f7780dbad1a7921bc06534a097 - 男性会社員の“育休”体験記『男コピーライター、育休をとる。』をドラマ化 主演俳優・瀬戸康史が実感した赤ちゃんの笑顔の力

本作を通して学べること

「育児は大変なことが多いけど、最後に赤ちゃんが笑ってくれさえすれば、すごく報われると思う」

一話15分のこのドラマは、主人公がカメラ目線で心の声を吐露するシュールな演出や、「こんな育児グッズがあったらいいのに!」という妄想シーンもあって、新感覚で楽しめるんじゃないかな。なかでも「母乳クラウド」という架空の商品のCM撮影では、みんなに笑われながらひとり踊り狂っていました。恥ずかしかった分、面白い仕上がりになりましたね。
それに、学べることも大きいです。これまで僕は、“結果よりも過程が大事”だと思っていたので、「終わり良ければすべて良し」という言葉はなんだかピンと来なかった。だけど、育児は大変なことが多いけど、最後に赤ちゃんが笑ってくれさえすれば、すごく報われる気がします。今作を通じて「終わり良ければ(=赤ちゃんが笑えば)すべて良し」という言葉が好きになりました。やっぱり赤ちゃんの笑顔が持つプラスのパワーはすごい。洋介のようにベビーカーで赤ちゃんを街に連れ出して、一緒にお散歩するのには憧れますね。

KOJI SETO
1988年5月18日生まれ。
2008年にデビュー。その後、映画やドラマ、C Mなど数々の作品で活躍。2021年は、劇場版『ルパンの娘』に加え、ミュージカル『日本の歴史』、主演舞台『彼女を笑う人がいても(仮題)』の出演が控える。

Photo:渡邊明音 Text:水越小夜子・エムクラ編集部 Styling:小林洋治郎 (Yolken) Hair&Make:須賀元子 (星野事務所)
《衣装協力》
VIKTOR&ROLF

広告代理店に勤めるコピーライターの魚返洋介(瀬戸康史)は、妻・愛子(瀧内公美)の妊娠を知り、ふとしたことがきっかけで6カ月の育児休業を取得。娘の誕生に感激するのも束の間、波乱の日々が幕を開ける…。
監督:山口淳太(ヨーロッパ企画)
出演:瀬戸康史[ほか]
●7月9日(金)配信・放送スタート
【配信】全12話一挙配信【無料トライアル実施中】[WOWOWオンデマンド]
※第1回放送終了後より配信スタート
【放送】毎週金曜夜11時(全6回)【第1回無料放送】[WOWOWプライム]
いち早くWOWOWオンデマンドで楽しめる!
6月25日(金)午後5時 第1・2話を配信![WOWOWオンデマンド]

今後の出演映画

10月15日(金)全国公開
配給:東映
人気ドラマが映画化。瀬戸は、泥棒一家に生まれた女性(演:深田恭子)と恋に落ちる警察一家の息子・和馬を演じる。

(情報は記事公開時点の内容です)

あなたにオススメ