傑作裁判小説が原作のWOWOW「連続ドラマW 事件」で椎名桔平が元エリート裁判官の弁護士を熱演!

1978年に映画化もされた、戦後日本文学の重鎮である大岡昇平による傑作裁判小説を原作とする「連続ドラマW 事件」。舞台を昭和から令和に移し、入念なリサーチのもと裁判員裁判における心理戦を濃密に描いたヒューマン法廷サスペンスだ。本作で過去の裁判のトラウマを抱えながらも、抜群の洞察力で真実をたぐり寄せる元エリート裁判官の敏腕弁護士・菊地大三郎を演じた椎名桔平が、役柄にかけた思いと作品の見どころについて語ってくれた。

出演するにあたり最も魅力を感じた部分について

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「自分が体験したことのない世界観に魅力を感じて出演を決めました」

これまで法廷ドラマに出演したことがなかったので、自分が体験したことのない世界観の作品であることに魅力を感じて出演を決めました。原作は半世紀以上前の小説ですが、時代背景を現代にして脚本に裁判員裁判や少年法の改正を取り入れたことで、しっかりとした人間ドラマになっています。物語は主人公である菊地弁護士の目線で進んでいきますが、演じる側としてもすごくやりがいを感じました。まあ、思っていたよりも少々セリフが多かったんですけどね(笑)。

役作りについて

「自分としてどういう人物を作りだせるのか模索していきました」

裁判官や弁護士は、普段なかなか馴染みのないハードルが高い職業のように感じていました。役を作る上では脚本を読み込みましたが、さらに自分の同郷の古い友人が弁護士なので大阪の事務所まで訪ねたり、夜な夜な質問状をメールで送ったりして。現職の裁判官にお会いするご縁もありました。そうして取材していくなかで先入観が取っ払われて、みんな同じ人間なんだと思えたのは大きかった。その上で見えてきた法曹界にいる方の話し方や言葉選びなどの特徴を参考に、自分としてどういう人物を作りだせるのかということを模索していきました。

水田監督はこれまでにも様々な作品を撮っていらっしゃる方なので身を委ねていましたが、何か共通意識のようなものも感じていました。菊地は関係者に取材をする際にメモをとりながら話を聞くのですが、僕は現代性を強調したかったから紙に書くのではなく写真も撮れるタブレットを使用できますかと提案したんです。そうしたら監督は「面白いかもしれないね」と。そうやってアイデアを持ち寄って、すり合わせていく作業はとても上手くいったと思います。

本作の見どころと共演者について

「本物以上に本物としてのリアリティがあって、役者の力というものを実感できた」

本作では裁判員裁判が見どころの1つとなっています。実際に裁判所で傍聴もさせていただきましたが、撮影現場では法廷を再現した美術が素晴らしかったですね。裁判官や被疑者、検察、証人など様々な立場の人がいましたが、若手俳優の皆さんの至るまで役柄の背景や感情をきちんとつかんでいて本当に演技が上手だった。本物以上に本物としてのリアリティがあって、役者の力というものを実感できた気がします。

映画版で被疑者の青年である宏を演じた永島(敏行)さんが、今回裁判長役で出演されています。5年前に裁判官として菊地がいろいろ教えを乞うた相手であり、過去のいきさつを知る人物でもある。そういう関係性もわかっていただけるような演技のキャッチボールができたんじゃないかと思っています。

これからご覧になる方へメッセージ

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菊地の家族などのバックグラウンドは、原作にはあったんですが準備稿が重なる中であえてなくしました。色々考えてはみたんですけど、描き切るには難しいし、ステレオタイプに家族を出してもそれが作品全体として功を奏さなければ意味がない。逆に邪魔になってしまうということもあって、思い切って見せないようにした。だからそこは想像していただければ。菊地は一人暮らしですけど、昔からの友達が普通に家にやってきて、ざっくばらんに会話をするのもいいものでしょ?支えてくれる仲間がいると心強いですよね。この作品は法廷劇ではあるものの菊地の成長の物語でもあり、心ある先輩との5年間の交流や善き友人との長い付き合いも描かれています。そういう人間関係の中で人は生きているという点は、この作品の世界を膨らませる要素になっていると思いますね。

KIPPEI SHIINA
1964年7月14日生まれ。1986年俳優デビュー、『金融腐食列島 呪縛』(99)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。昨年は『沈黙のパレード』など話題の映画やドラマに出演したほか、この春『仕掛人・藤枝梅安2』が公開。

Photo:平野司 Text:足立美由紀 Styling:中川原寛(CaNN) Hair&Make:石田絵里子

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「連続ドラマW 事件」(全4話)

資材置き場で刺殺体が発見され、被害者の幼なじみで19歳の青年が逮捕された。弁護は、ある裁判を機に、“真実”に背を向けた元裁判官の弁護士・菊地(椎名桔平)が担当。青年の自白もあり、すぐに判決が下る裁判だと思われたが、検察での取り調べから一転、裁判で青年は殺意を否認する。菊地は再び“真実”と対峙することに。
 
WOWOWプライム・WOWOW 4Kで放送 
※WOWOWオンデマンドでも配信あり
13日~ 日曜 後10.00~11.00 (再)月・翌日曜ほか ※第1話無料放送

(情報は公開時点のものです)

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