映画『シャイロックの子供たち』主演!個性派俳優・阿部サダヲの2023年の目標とは

ベストセラー作家の池井戸潤が、自身の小説の原点と明言する累計発行部数50万部突破の大ヒット小説を原作とする『シャイロックの子供たち』。東京第一銀行の小さな支店で起きた現金紛失事件。メガバンクにはびこる、とてつもない不祥事の始まりに過ぎなかった。本木克英監督による本作は、完全オリジナルストーリーでつむぐ世紀の大暴露エンターテインメントだ。上戸彩、玉森裕太、柄本明、橋爪功ら豪華俳優陣が出演するなか、主人公である東京第一銀行・ベテランお客様係の西木を演じた阿部サダヲが、撮影についてユーモアを交えて語ってくれた。

初めてとなる池井戸作品への出演

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「まさか銀行員役をいただけると思ってなかったので驚きました」

 今回初めての池井戸作品です。俳優としての憧れはあったけど、自分はそんなに関わらないかもしれないなあと思ってたので、出演が決まった時は不思議な気分で(笑)。まさか銀行員役のお話をいただけると思ってなかったので驚きました。

 僕が演じた西木は、中盤くらいまであんまりやる気があるのかないのかわからない感じなんですけど、後半は自ら事件を暴いていく。一瞬、悪い人たちに関わっちゃったりもするんだけど、そんな謎があるところが面白い人物なんです。銀行員を演じるということで、一度雰囲気を見に本物の店舗にも行ったんですけど、銀行って親切だからすぐ「何ですか?」って聞いてくれるんですよね。「ちょっと取材です」とも言えなくて、すぐ帰りました。

スタッフについて

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「本木監督はすごく穏やかに映画を撮ってる方でびっくりしました」

 本木監督は名前が知られていますが、すごく穏やかに映画を撮ってる方でびっくりしました。起用された役者を信用していて、「もっとやっていいですよ」という言葉はあったかもしれないけど、「そうじゃないです」というのはあまりなかったような気がします。それにあんまり銀行の世界はわかっていないみたいなことを言うんですよ、絶対わかってるはずなのに。

 池井戸さんも結構現場には来られてました。「西木っていうのは僕に合っていると思う」みたいなことをおっしゃっていただいていて、試写会が終わった後も満足されていた感じでした。周りを偉い人たちに囲まれていたので近寄り難かったんですけど、池井戸さんご本人はフランクで、すごく優しい方だったので意外でした。

共演者について

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「“真剣に叱る”を意識しました。僕もそういう経験があるのでわかるんです」

 共演した上戸さんは池井戸組というイメージがあります。今回、上戸さん扮する北川愛理を叱るシーンがあったんですけど、西木は愛理がすごく苦労している人だと分かっていて、彼女の本当の味方。だから愛理をちゃんと怒鳴ってやった方がいいと思ったので、“真剣に叱る”というのを意識しました。僕もそういう経験があるので、なんかすごくわかるんですよね。

 物語では愛理と西木、玉森さんが演じた田端の3人組で謎を追っていくのですが、撮影現場では和気あいあいといろんな話をして楽しかったです。玉森さんがわりと健康のことに気を使っていたので、そこから酵素風呂まで話が発展して。上戸さんと玉森くんは同じ地元なんですけど、「近いところに良い焼き鳥屋さんがあるよ」なんて話もしました。僕と上戸さんは行ったことあるのに彼は行ったことがなくて、おかしいぞと(笑)。

 また、同じ銀行で働く滝野役の佐藤隆太くんとのシーンは自分としてはキモだと思って演じました。ロケ地もいい感じで、結構長いシーンだったのでずっと気合が入っていて。これはアドリブだと思われたら困るんですけど、「倍返しだ」のセリフは元々脚本に入っていたもの。紙を破ってまくのも一回やってみたい芝居だったので、盛り込んでもらえてすごく嬉しかったです。 この他にも、映画のオリジナルキャラクターである沢崎を演じた柄本さんの芝居は印象的でした。柄本さんと橋爪さんと3人で物件を見ているシーンがあって、先輩たちのお芝居が素敵で、僕もそうなりたいと思いました。

2023年度の目標

「この状況がずっと続いているといいなって思います」

 舞台、映画、ドラマにバンドもやらせてもらって、今がすごく良い状況だと思っています。自分はジャンルを作らないというか、いろんな事をやっていたくて。だから全部やるんじゃないですかね、来年も。この状況がずっと続いているといいなって思います。

 2023年はまず『シャイロックの子供たち』をたくさんの方に観ていただくことが一番の目標です。僕の銀行員役を同世代の方はもちろん、若い方にも観ていただいて、親近感を感じていただきたいですね。 

SADAWO ABE
1970年4月23日生まれ。
1992年より、松尾スズキ主宰の「大人計画」に参加し、同年『冬の皮』でデビュー。『舞妓H a a a a n ! ! !』(07年)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)でブルーリボン賞主演男優賞を受賞。23年4月14日開幕の舞台「もうがまんできない」の出演を控える。

Photo:塚原孝顕 Text:足立美由紀 Styling:チヨ(コラソン) Hair&Make:中山知美

東京第一銀行の小さな支店で起きた現金紛失事件。ベテランお客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店の北川(上戸彩)と田端(玉森裕太)とともに事件の真相を探る。やがて隠された真実にたどり着くが、それはメガバンクを揺るがす不祥事の始まりに過ぎなかった…。
監督:本木克英
出演:阿部サダヲほか
●2023年2月17日(金)全国ロードショー

© 2023映画「シャイロックの子供たち」製作委員会

(情報は公開時点のものです)

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