【中谷美紀&菊池風磨『連続ドラマW ギバーテイカー』インタビュー】かつて娘の命を奪われた刑事を、その犯人である元・少年が再び追い詰める

凶悪犯罪を起こした少年は、少年院に入って社会復帰を目指していく。しかし、もしも成長した「元・少年」が心のなかに抱えたモンスターを飼い続けたまま社会に出てしまったら……? 最愛の娘を殺され、小学校の教員から刑事に転身した主人公・倉澤樹(いつき)役に中谷美紀。長い時を経て、再び彼女を深い絶望へと追い詰めていく元・少年、貴志ルオト役に菊池風磨。この2人が因縁の再会を果たす本格クライムサスペンス『連続ドラマW ギバーテイカー』で、彼らはどのように役と向かい合っていったのだろうか。

素顔を封印し、役として存在すること

中谷「正直な話、今でも殺したいと思えます」

中谷:実は私、世間のみなさんがご存知の菊池風磨像を知らなかったんですね。大変失礼ながら……。

菊池:いや、むしろ助かります! お仕事をご一緒するのは初めてで、本当に背筋が伸びました。いつからかって、中谷さんと共演できるというお話を最初に聞いた時からです(笑)。

中谷:最初にお目にかかった時、本来のお姿を封印されて、すでに役としてそこに存在してくださっているな、という印象を受けました。それでこちらもどんどん追い詰められまして……世界中の女性が彼に黄色い歓声を上げるとしても、正直な話、隙あらば殺したいと今でも思っているところがあります。

菊池:そこまで言っていただけて光栄です。ドラマのなかではこんな関係なので、こうして並んで取材を受けているのは……ちょっと不思議な感じがしますね。

経験することのない痛みを抱えたキャラクター

菊池「偏ってるし歪んでるけど、実は中谷さんのことが大好き」

中谷:すえのぶけいこさんの原作では、私が演じている主人公は被害者の姉なんです。ドラマではそれを母親に変更しているので、原作の世界観を壊さずに演じられるかが課題でした。でも、最初に台本を読んだ時、自然と涙があふれてきまして……。少年犯罪についてリサーチを重ねた上で丁寧に書かれた脚本だったので、心が動かされたんですね。

菊池:こういう役柄(猟奇殺人犯)を演じるのは初めてでしたから、どう演じようかと悩みましたね。ルオトは更生して社会に溶け込んでいるように見せながらも、そうではない奇妙な気持ち悪さを醸し出すキャラクターで、優しそうな一面から猟奇的な一面まで幅がある役だったので、役者としてワクワクしながら取り組みました。

中谷:私も、普通なら経験することのない痛みを抱えたキャラクターです。自分のなかに感情が自然に湧き上がるまで、どう役に近づけばいいのか、とても悩みました。でも、菊池さんの天使のような眼差しを見つめて、血も涙もなく気怠い声を聞いていれば、自ずとそういう気持ちにさせられたんですね。そこで無理をする必要がなかったのはありがたかったです。

菊池:僕の役は偏ってるし歪んでるんですが、実は樹先生のことが好き、という感情もすごく強いと思うんです。だから中谷さんをとにかく好きになろう、と。基本的に中谷さんのことってみんな大好きだと思うんですけど。そうですよね?

中谷:うーん、どうかな(笑)。

中谷美紀 MIKI NAKATANI
1976年1月12日生まれ。1993年に女優デビュー。主な出演作に『嫌われ松子の一生』(06年)、『総理の夫』(21年)など。『レジェンド&バタフライ』が1月27日から公開されるほか、3月16日から4月15日まで舞台『猟銃』のニューヨーク公演も控えている。

菊池風磨 FUMA KIKUCHI
1995年3月7日生まれ。2011年、Sexy ZoneのメンバーとしてCDデビュー。主な出演作にドラマ『時をかける少女』(16年)、『イタイケに恋して』(21年)など。映画『もっと超越した所へ。』(22年)も話題となった。主演作『隣の男はよく食べる』が4月から放送予定。

Text:真鍋新一 

娘を教え子・貴志ルオト(菊池風磨)に惨殺された過去を持つ元小学校教諭の刑事・倉澤樹(中谷美紀)。事件解決に奔走する日々を送ること12年、彼が医療少年院を退院したことを知り…。
監督:鈴木浩介
出演:中谷美紀、菊池風磨ほか
1月22日(日)放送・配信スタート<全5話>
【放送】WOWOWプライム:日曜 後10.00~11.00(~2月19日) [再]=月ほか ※第1話無料放送
【配信】WOWOWオンデマンド:無料トライアル実施中

https://youtu.be/TwQG93cG_Rc
(C)WOWOW

(情報は公開時点のものです)

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