無垢で瑞々しい期待の逸材・當真あみが映画『かがみの孤城』声優初挑戦で女優の道を邁進中

　本屋大賞の歴史の中で最多得票数を獲得した直木賞作家・辻村深月によるベストセラー小説を原作とする劇場アニメ『かがみの孤城』がついに公開される。“泣けるアニメーション”の名手として知られる名匠・原恵一監督が手がけた本作は、かがみの中にある城を舞台とするファンタジーミステリー。学校での居場所をなくした主人公のこころを、14代目「カルピスウォーター」CMキャラクターに大抜擢された當真あみがフレッシュに演じている。今回声優に初挑戦した彼女に、アフレコを振り返ってもらった。

主人公こころとの共通点・相違点

「こころちゃんは少し引っ込み思案な性格で、私ととても似ています」

原作はもともと読んでいた大好きな作品です。いろいろなところに伏線があって、読み進めていくうちにそれがどんどんと繋がっていく。その謎解きをしているようなワクワク感にすごく惹かれていたので、こころ役が決まった時は本当に嬉しかったです。

こころちゃんは少し引っ込み思案な性格で、私ととても似ています。私はズバッと言うことができないのですが、こころちゃんもそんな感じの女の子。作品では彼女が学校に行けなくなるシーンがありますが、クラスメイトとちょっとしたトラブルになったことで行けなくなる気持ちは理解できるし、逆にそういう経験をしたからこそ “かがみの孤城”で出会ったみんなに心を開いていくところもすごく共感できました。

孤城に集まった7人は、最初は自分の悩みを言えずにいましたが、私は仲が良い友達に結構話します。学校で起きたことだったらすぐにお母さんに話したりもするので、そこはこころちゃんとは少し違うところかもしれませんね。こころ以外のキャラクターで気になるのはアキちゃん。すごくハキハキと物を言う性格で、そこが私と真逆なのですが、そんなアキちゃんが私は好きです。

原恵一監督からのアドバイス

「息づかいや抑揚のお芝居なんかを普段観ているアニメを見返して勉強しました」

今回、声優として初めてのお仕事でしたが、実写の作品だと直に相手の表情や反応を見ながら自分も表情や体全体を使って感情を伝えられるんですが、アニメーションだと声だけで全部を表現しないといけないので、そこは難しかったです。原監督からは「そのままのあなたがこころにとっても合っているから、練習しすぎないでほしい」と言われていたので、セリフの練習はもちろんしましたが、あとは台本に書かれていない息づかいや抑揚のお芝居なんかを普段観ているアニメを見返して勉強しました。

いつもは『東京喰種トーキョーグール』や『呪術廻戦』、『Re:ゼロから始める異世界生活』とか、どちらかというとジャンプ系で、少女漫画よりアクション系の作品をよく観ています。

初めての声の仕事と女優としての今後

「役にちょっとずつ近づいていって“こころちゃんを生きていた”」

アフレコでは、現場の雰囲気もあって最初はすごくドキドキして緊張気味だったんですけど、やっていくうちに役にちょっとずつ近づいていって“こころちゃんを生きていた”という部分もあって。後半にいくにつれてどんどん自分でも感情移入していって、クライマックスでは結構こころちゃんになれていたなと思います。

どの作品でも撮影の前には一度お母さんに電話をして、「行ってくるね、頑張る！」と言ってからいつも出かけています。勝負飯では特になかったのですが、今回は収録が終わったら大好きなハンバーグを食べようと思っていて。結局食べられなかったんですけど、アフレコしながらずっと考えてました（笑）。

この作品は“かがみの孤城”で出会った7人が、願いを叶える鍵を探すことで心を通じ合わせる成長の物語です。なぜこの7人が集められたのか、その謎が解ける時に驚きが待っている奇跡の感動作となっています。私が主人公のこころを演じていますので、ぜひ観てください！

デビューから1年が経ち、いろんな作品に参加させていただきました。今後も演技のお仕事を、もっともっと勉強しながらいろいろできたらと。次は学園ものに出演してみたいです。

AMI TOUMA
2006年11月2日生まれ。 2020年に沖縄でスカウトされ、21年7月にCMデビュー。今年『妻、小学生になる。』でドラマデビューを飾り、初出演映画『いつも難しそうな本ばかり読んでる日高君』では主人公を演じる。この春、14代目「カルピスウォーター」CMキャラクターに大抜擢され、現在「當真あみ2023年カレンダー」も発売中。

Photo：塚原孝顕　Text：足立美由紀　Styling：井阪 恵（dynamic)　Hair&Make：SAKURA（makiura office）

（情報は公開時点のものです）