大ヒットドラマを映画化『ゆとりですがなにか インターナショナル』。岡田将生、7年後も変わらない作品への想い

2016年にテレビ放送され、好評を博したドラマ「ゆとりですがなにか」。その7年後を描いた映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』は、幅広い層の共感を呼ぶノンストップ新世代コメディだ。ドラマに引き続き水田伸生監督のメガホンで宮藤官九郎が脚本を務め、岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥ほかキャストも続投した。今回、“ゆとり第一世代”のアラサー男子3人のうちの一人、正和を演じた岡田に、作品そして仲間への想いについて語ってもらった。

大ヒットドラマの映画化について

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「役者の面白さを教えてもらった、僕にとっては“運命的”なシリーズです」

「ゆとりですがなにか」で水田監督に出会い、キャストのみなさんと出会えた。役者という仕事の面白さを教えてもらったので、僕にとってこのシリーズは“運命的”というべき作品です。7年前ですけど、関わった3カ月間はすごく濃密で、あの感覚は本当に一生忘れないだろうと思います。もし続編をやるのであれば連続ドラマなのかなと思っていたので、最初、映画になると聞いた時はびっくりしました。でも宮藤さんの脚本で、またみんなで集まれることが本当に嬉しくて、あの豪華なキャストを大きなスクリーンで観られるのは自分にとっても贅沢なことなので、映画化はわりとしっくりきました。

やっぱりドラマから7年経っているので、最初は空気感やお芝居の感じも含めて「どうだったっけ?」と戸惑うところはありましたが、いざ本番が始まるともうあの時のままの状態にすぐに戻れる。水田監督が「大丈夫。安心して現場に来てくれ」と言ってくださったので、その言葉を信じて現場に行ったらまさにその通りで。阿吽の呼吸でみなさんとまた、あの時のままお芝居できるという環境がすごく良かったんですよね。だからすごく楽しい現場でした。

ともに主演を務めた松坂桃李、柳楽優弥についてと撮影でのエピソード

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「宮藤さんの脚本は “余計なことをしないで真剣に取り組む”のが一番大事」

山路役の桃李さんと、まりぶ役の柳楽君とはプライベートでもお付き合いがあるので、お話をいただいた段階で2人と「今度は映画らしいよ」と連絡を取りあっていました(笑)。プロとしてまた良いものを作ろうという感覚はみんな持っていたと思うんですけど、宮藤さんの脚本は、“余計なことをしないで真剣に取り組む”ということが一番大事なので、3人でそれを愚直にやっていたという感じです。みんなが揃うと緊張より楽しさが勝ってしまうんですけど、現場では撮影の裏側で3人で話しているような空気感を大切しようと常に意識していました。

基本的にアドリブはないんですけど、まりぶの父である麻生役の吉田鋼太郎さんだけはすごかったですね(笑)。本番しかやらないので毎回びっくりするんですけど、鋼太郎さんはこういう風に演じるんだろうなというのはなんとなくわかるので。それに3人がどう反応するか、どう面白く受け取れるかを監督も楽しみにしてくださっていたので、飽きずにみなさんと毎日、毎日撮影していましたね。

最新作『ゆとりですがなにか インターナショナル』について

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「単純に、映画館でこの3人を観て、笑ってほしいです」

今回、それぞれの生きてきた7年間のその後が描かれます。正和に子供ができて、それによって彼自身はあまり変わらないんですけど、安藤サクラさんが演じる妻の茜ちゃんは少し変化している。そこに翻弄されるんですけど、父であり夫でもある正和の一生懸命に妻を愛する姿勢がすごい。彼は頼りないんですけど人を思う気持ちが強いんですよね。自分の周りにいる家族や友人に対して手を差し伸べる人なので、そういう人柄が7年経ってより一層出たらいいなと思い演じていました。

作品の中で印象に残っているのは、茜ちゃんと山路が病室で話をしているシーン。台本を読んでいる時からすごく素敵だなと思っていて、実際に映画のスクリーンで観た時にやっぱり強度があるなあと感心しました。自分が出演するシーンでは、茜ちゃんと市役所に行って子供を2人抱えながら話をするところです。子供を持つのは本当に大変なんだなと改めて実感させられましたし、すごくコメディ的であり、夫婦間の悩みなんかも上手に表現できていたんじゃないかなと思います。

このシリーズの一番の魅力は、ゆとり世代の3人がそれぞれに抱えている問題を乗り越え、もがきながら社会と適応していくところです。映画では彼らの下の世代が登場し、さらにハラスメントやLGBTQほかさまざまな社会的課題も描かれますが、そうしたなかで「ゆとり世代がどう対応していくのか?」がテーマとなります。共感してもらえるポイントはたくさんあるので、そこを観ていただけたら嬉しいです。単純に映画館でこの3人を観て、笑ってほしいですね。

MASAKI OKADA
1989年8月15日生まれ。
2006年デビュー。2009年公開の『ホノカアボーイ』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『重力ピエロ』で第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、以降、多数のドラマ・映画に出演する。この夏は『1秒先の彼』が公開されたほか、ナレーションを務める「SWITCHインタビュー 達人達」もNHKEテレ毎週金曜午後9時30分より放送中。

Photo:長谷部英明 Text:足立美由紀 Styling:大石裕介 Hair&Make:小林麗子

【ゆとり世代】と勝手に名付けられた男たちも30代半ばを迎えていた。夫婦仲はイマイチで家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田将生)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂桃李)、事業に失敗して中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽優弥)。そんな彼らの前に、想像を超える新時代の波が押し寄せる!
監督:水田伸生
出演:岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥ほか
●2023年10月13日(金)全国ロードショー

© 2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

(情報は公開時点のものです)

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