なかなか死なない⁉映画『アイス・ロード』あらすじ&ネタバレ｜リーアム・ニーソンほかキャスト紹介も

人気アクション俳優、リーアム・ニーソン主演の映画『アイス・ロード』。ダイヤモンド鉱山で崩落事故が発生し、26人が酸素の薄い地下に生き埋めになった。彼らの命を救うため氷でできた鉱山への唯一のルート“アイス・ロード”に腕利きのトラック野郎たちが挑む！　作品情報やキャスト、ネタバレありで魅力を紹介していく。

映画『アイス・ロード』あらすじ

死のロードを走りきれ！

カナダにある鉱山で突然爆発事故が起こった。地下に閉じ込められてしまった26人の作業員たちを救うため、救出装置を運ぶ4人のトラックドライバーが集められる。30tの巨大トラック3台が走る最短ルートは、氷の道〈アイス・ロード〉。スピードが速すぎれば衝撃で、遅すぎれば重量で、氷が割れて水に沈む。地下の酸素が尽きるタイムリミットは30時間。4人はドライブテクニックと強いハートで、名誉と報酬を手にするはずだった。ところが、事故には危険な陰謀が隠されていた──。果たして、過酷なミッションをクリアし、作業員たちを救出することができるのか！？

“不屈の男”リーアム・ニーソン
主演は『96時間』シリーズで〈演技派アクションスター〉としての名声を獲得した俳優。『マイケル・コリンズ』（1996年）『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』（1999年）『ラブ・アクチュアリー』（2003年）など数多くの作品に出演し、総興行収入は70億円を突破している。『フライト・ゲーム』（2014年）で飛行機、『トレイン・ミッション』（2018年）では通勤電車で暴れたリーアムが、『アイス・ロード』では巨大トラックを大胆に操り、悪役との肉弾戦を氷上で繰り広げる。

リーアム・ニーソンとマーカス・トーマスが兄弟に

ベテランのトラックドライバー×腕利きの整備士

気性の荒い男マイク・マッキャン（ リーアム・ニーソン ）は、イラクでの従軍後に失語症を患ってしまった弟・ガーティ（ マーカス・トーマス ）の面倒を見ながら職を転々としている。マイクはベテランのトラックドライバーで、ガーティは周囲が驚くほどの腕利きの整備士という兄弟だ。ある日、カナダの北部にあるダイヤモンド鉱山でメタンガスが爆発。26人の作業員たちが酸素の薄い地下に生き埋めになってしまった。彼らを救う方法は、酸素がなくなってしまう30時間内に抗口装置を設置すること。重量がある装置は30tの巨大トラックでしか運搬できないのだが、鉱山までの最短コース“アイス・ロード”（別名：死のロード）という厚さ約80cmの氷上を走りきらなければいけないのだった。そこで運輸会社のジム（ローレンス・フィッシュバーン）はマイク＆ガーティ、ジムの元部下で実の兄が生き埋めになっている作業員の1人だというタントゥ―（アンバー・ミッドサンダー）、会社の命令で同行することになった保険会社のバイネル（ベンジャミン・ウォーカー）がレスキュー要員として鉱山を目指すことに。しかし、アイス・ロードの氷は割れてトラックは沈んでしまい！？ さらには爆発事故の裏側に潜む陰謀にも阻まれてしまうマイクたち…。

マイクは上手くしゃべることができないガーティにイライラして、時には罵ったり暴力的になったりする残念な点もあるが、ガーティを相棒のように思っている。ベテランのトラック運転手であるマイクのハンドルさばきと、ガーティの冷静な判断に基づいた整備技術のタッグがみどころだ。

監督・脚本はジョナサン・ヘンズリー

『アルマゲドン』を手掛けた大ヒットメーカー

映画『アイス・ロード』の監督・脚本を務めたのは巨匠ジョナサン・ヘンズリー。アンリ＝ジョルジュ・クルーゾー監督の『恐怖の報酬』（1953年）やゲイリー・シニーズ監督の『二十日鼠と人間』（1992年）からヒントを得て、“トラック×サスペンス×不釣り合いな組み合わせの肉体労働者たち”というアイディアから脚本を書き上げたという。マイクを演じたリーアム・ニーソンについて「ハリウッドで、リーアムのような演技ができる俳優は非常に少ない。アクションはできても、存在感がないんだ。リーアムはその強力な存在感を、さらにエンターテインメントで繋ぐことができる。とても類まれなアイコン的存在だ。」とリーアム・ニーソンをキャストに迎えたことを夢のようだと語る。また、マイクの弟・ガーティはマーカス・トーマスへのあて書きである。ガーティはイラク帰りの退役軍人で、頭を打たれた際に弾を取り出さなかったことが原因で失語症になった設定だ。 監督は、身体表現が得意なマーカス・トーマスであればやり遂げてくれるだろうと信じたという。マイクとガーティの兄弟の物語は本作の大きな柱のひとつになっている。
タントゥ―役はオーディションで選ばれたアンバー・ミッドサンダー。子役からキャリアを積んでいる女優で、脆さと根性をあわせ持ったキャラクター像にぴったりだったという。また、運輸会社のジム役を引き受けたローレンス・フィッシュバーンは、「リーアム・ニーソンと共演できると聞いて飛びついた」と笑い、初共演を堪能したようだ。

【ネタバレ】死にそうで死なない…！しぶといキャラたち

本作を観ての一言目の感想は「ぜんぜん死なねぇ…！」。

実は同行していた保険会社のバイネルという男はスパイで、マイクたちを鉱山へ向かわせないようにすることが目的だった。爆発事故が起きた鉱山は危険性が高い場所だったが、成果物を得るために金で作業員たちを買収して働かせていた、というのが作中の爆発事件の真相。アイス・ロードをトラックで走っているときにそのことが明らかになり、マイク&ガーティ& タントゥ― VS バイネルとその仲間たち　という構図でバトルが繰り広げられていく。

ダイナマイトを仕掛けて氷を割り、マイクたちを一掃しようとするバイネル。普通ならここで死んでしまうが、マイクたちはなんとか窮地をくぐり抜ける。ツルツルと滑る氷の上で取っ組み合いが始まるが、お互いに引けず劣らず。バイネルが強いかというと、肉体的にはそんなに強くない。タイマンで戦ったら、おそらくマイクが勝つのではないだろうか？　ただ、ダイナマイトやらの小道具を使うのでマイクからしたらやりにくい相手なのかもしれない。そんなこんなで、さして強くもないバイネルは作中でしぶとく生き続けるのである。

そのあと諸々の整備をしていたガーティが、重機の重みで割れた氷から水中へ落下してしまう。マイクはトラックに乗車したままで気が付かない。ガーティはここで死んでしまうのか？と思ったが、しばらくしてガーティが落ちたとわかったマイクは水中へダイブ！　なんとガーティを引き上げてトラックに乗せ、心臓マッサージをするとものの数秒でガーティは意識を取り戻す。現実では考えられない、互いにすさまじい生命力だ。　

タントゥ―もなかなか死なない。タントゥーがアイス・ロードを抜けて雪山をトラックで走っていると、山頂でまたまたダイナマイトを爆破させるバイネル。雪崩が起きてタントゥ―が乗っていたトラックも巻き込まれてしまう。奇跡的に雪崩の直撃はさけられたが、なかなかの太さの木がタントゥーの胸に突き刺さってしまった。そこへ駆けつけたマイクは、なんとその木を引っこ抜く…！ さすがは“死にそうで死なない映画”なので、もちろんタントゥーは無事に生きている。炭鉱に閉じ込められた実の兄を救うためとはいえ、彼女も相当タフな人間である。

最終的にガーティはトラックに押しつぶされて死んでしまうのだが、“死にそうで死なない”屈強な奴らの戦いが最大のみどころであるエンターテインメント作品だ。