『パシフィック・リム』などのギレルモ・デル・トロ監督による、切なくも愛おしいおとぎ話のようなラブファンタジー『シェイプ・オブ・ウォーター』。
アカデミー賞において、作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞を受賞した。
また、ゴールデン・グローブ賞2部門受賞、ベネチア国際映画祭で金獅子賞受賞するなど世界中で絶賛された作品だ。
あらすじ
研究所に運び込まれた“彼”を一目見たときから…
冷戦下のアメリカ。
幼い頃のトラウマから声が出せないイライザは、政府の極秘研究所で清掃員として働いていた。
ある日、彼女は仕事の合間に施設に運び込まれた謎の生物を目撃する。
奇妙だが不思議な魅力を持つ彼に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。
彼との間に言葉は必要なく、次第に二人は心を通わせ始めるが、イライザは間もなく彼が実験の犠牲になることを知ってしまい…!
セクシーでキモ可愛い半魚人がチャーミング!
謎の生物とはいわゆる半魚人なのだが、彼の造形がキモ可愛くてチャーミング!
ウロコのようなもので覆われた体、ヒレや水かきのついた手、不思議な目。
それでいて滑稽なことはなく、身体のラインはたくましくてセクシーなほど。
見ているだけでドキドキしてしまい、イライザが魅了されてしまうのもわかる。
口がきけないイライザは人々の間では障害のある身だが、半魚人の前では言葉というものがそもそも通じないし要らない。
イライザが手話を教えて意思の疎通をはかりながら、徐々に接近していく2人の心にラブストーリーの高揚感を味わうことができるだろう。
マイノリティたちの反逆の冒険譚としても面白い
社会の片隅でひっそりと暮らす声を失ったヒロインのイライザを演じるのは『ブルージャスミン』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたサリー・ホーキンス。
イライザをはじめ、マイノリティである者たちが反逆するサスペンス・アドベンチャーとしても面白く仕上がっている。
危機が迫る半魚人を救い出すために作戦を立ててミッションを遂行していくようすがスリリングに描かれる。