Mcura編集メンバーが選ぶ2021年公開のおすすめ映画!【全8作品】

2021年もあとわずか!総決算として、2021年に公開された映画の中から、Mcura編集メンバーそれぞれが「これぞ!」と選んだおすすめ作品を、推しポイントとともに紹介します!それでは全8作品をどうぞ。

マトリックス レザレクションズ

約20年越しの答えあわせに“全私”が感動!(笑)

ライター:snowmanの推し

最近公開したばっかりですが、個人的な2021年ベスト映画は『マトリックス レザレクションズ』。記念すべき1作目『マトリックス』は映画館でチェック出来ませんでしたが、『マトリックス リローデッド』そして『マトリックス レボリューションズ』をスクリーンで見たあの感動と興奮は今も忘れられません。そして3作目の衝撃的なあのラストシーンから時は流れ、気になっていた“その後の物語”が最新作で紐解かれた今、小さいころに感じたあの感動をまたもや与えてくれました…。ありがとう(笑)。

さて、本作はシリーズを知らない人にとっては「???」になりやすい作品です。その大きな理由として、1作目同様「今見ている世界は本当の現実か?」と投げかけてくる要素がかなり多い…。シリーズ作品へのオマージュも至る所にちりばめられているし、シリーズファンも直前に見返さないと気づくかな?のレベルのものばかり。対策を怠るとあっという間にマトリックス内で迷子になりますので、鑑賞する際はシリーズを見返すことをおすすめします。また、主人公以外で覚えておくと面白いキーパーソンとしては、モーフィアス、ナイオビ、ローランド、メロビンジアン、サティーの5人です。

マトリックス レザレクションズ

公開日:12月17日(金)
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世 ほか
制作国:アメリカ
上映時間:148分

14歳の栞

14歳だった頃の自分に戻れる良作 でした!

ライター:ロミーの推し

とある中学2年生の1クラスの3学期に密着したリアルドキュメンタリー。年齢的には彼らの親世代な私ですが、今の子ってどんな感じなんだろう?って思ったのが観たきっかけ。お調子者な子、現実的でクールな子とかいろんなキャラの子がいて(クラス全員にクローズアップしている)、「そういう子いたわ~!」って共感できて、私の中学生時代と特に変わってなかった(笑)

14歳といえどみんなまだまだ子どもらしさが残っていて、ピュアで(バレンタインのくだりが特にかわいい)、自分もこんな感じだったっけなぁとか思い返してみたり。3学期だけに密着した作品ではあるけど、見ていくうちに自分もクラスの一人になった気がしてきて、自分だったらカメラの前で何を語っただろうとか、このクラスだったらきっと〇〇ちゃんと友達になってたかな~なんて考えたりもしました。

主人公はクラス全員。とくに大きな出来事があるわけでもなく、彼らの淡々とした日常を見ているだけなのに、エンドロールで土手沿いの桜並木の下を全員で歩いているところでは涙。土手沿いの道が地元に似ていたからか、もう戻れないからか(泣)どこか懐かしくて、14歳だった頃の自分に戻れる(気持ち的にね)良作でした!

14歳の栞

公開日:3月5日(金)
監督:竹林亮
制作国:日本
上映時間:120分

アイス・ロード

アクションよりコメディ?金のかかった贅沢なB級映画

ライター:宮原つかさの推し!

鉱山で不可解な爆発事故が起こり、地下に閉じ込められた作業員たち。マイク(リーアム・ニーソン)たちは彼らを救うため、30トンの救助機材を積んだトラックで80cmの厚さでできた“アイス・ロード”を駆け抜ける。

爆発事件の闇を隠蔽しようとする敵と氷上で殴り合い、引きずり合い、落とし合う…!マイクの弟は割れた氷から落ちて水中に長時間沈んでも生きている。雪山で雪崩に巻き込まれた仲間の女の子は胸にえらい木が突き刺さっても生きている。雑魚キャラのように見える敵も、そんなに強くないのになぜかしぶとく生きている。キャラクターみんな、相当なダメージを受けてもなかなか死なないのが面白い。ストーリーそっちのけで、全然死なないコメディアクション映画として気に入った。ちなみに作中のアイス・ロードはCGなしで実際に再現したそう。金かかってるなぁ。

アイス・ロード

公開日:11月12日(金)
監督:ジョナサン・ヘンズリー
出演:リーアム・ニーソン、ローレンス・フィッシュバーン、マーカス・トーマス、ベンジャミン・ウォーカー ほか
制作国:アメリカ
上映時間:109分

護られなかった者たちへ

10年経った今、震災後の東北はみんな大変だったことに向き合う

ライター:ティーカップ小林の推し!

宮城県仙台市で次々と起こる連続殺人事件。刑事の笘篠(とましの)は事件を追ううちに、その背景にあるものが東日本大震災、そして日本の生活保護制度であることを掴んでいく。中山七里の原作小説を『64-ロクヨン-』の瀬々敬久監督が映画化し、佐藤健、阿部寛、清原果耶など、豪華俳優陣が集結した社会派ミステリーです。

2011年3月11日、突如として日本を襲った東日本大震災。そこから生き延びた東北の方々が立ち直っていくのにどれだけの努力をしたのかは、実際にそれを体験した方々以外に語ることはできませんが、みんな大変だったことは分かります。この作品の良いところは、東日本大震災のあとの東北は「みんな大変だった」ということを忘れずに、一方が正しくて、もう一方が間違っているとしていないこと。物語が進んでいくにつれて、生活保護制度の欠陥や、当時の役所の対応に問題があったのではないかということが交わってくるのですが、市役所の方々を一方的に悪者にしない作品づくりにはとても好感をもちました。これは映画化にあたり瀬々監督が変えた部分で、映画をつくるために生活保護制度について取材をしたことがきっかけだそう。
そんなどうしようもなかった中で起きてしまった悲しい殺人事件の結末に、心が震える作品です。

護られなかった者たちへ

公開日:10月1日(金)
監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、林遣都、倍賞美津子 ほか
制作国:日本
上映時間:134分

007/ノータイム・トゥ・ダイ

164分あるのにもっと尺が欲しい!

ライター:ホイサップ・高木の推し!

2006年公開の『007/カジノロワイヤル』以来、15年にわたってジェームズ・ボンドを演じてきたダニエル・クレイグのシリーズ卒業作。前作で宿敵・スペクターと決着をつけ、レア・セドゥ演じるマドレーヌと旅立ったその後からスタート。
みどころは何といっても「ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの集大成」であること。歴代ボンドの中でも人間臭いところが魅力のクレイグ版ですが、最後までその色は健在。真に愛する女性との幸せな生活だけを願って、スパイとしてよりも、一人の男として戦う姿がとにかくカッコイイのです。クレイグ版ボンドを追ってきた身としては、その姿にこみあげてくるものがありました。

また、本作は上映時間164分と洋画の中でもかなり長尺な方。しかし見終わったときには、もっと掘り下げてほしいキャラクターがいるのに本筋の情報がパンパンすぎて、「もっと尺くれよ!」と思ってしまったほど。例えば、ボンドがキューバで新人CIAエージェントのパロマと一緒に戦うシーンがあるのですが、このパロマを演じているアナ・デ・アルマスがめちゃくちゃ綺麗なうえに、たった数分のシーンで終わらせてしまうのがもったいないくらいアクションがとにかく堂に入っていてカッコイイ!ボンドとのコンビネーションも初めてあったとは思えないくらいバッチリで、願わくばスピンオフなどで彼女の活躍をもっと見たくなりました。他にも、本作の敵であるサフィン(演:ラミ・マレック)をはじめ、とにかくいいキャラが多すぎるので、本編中に無駄なシーンなど全くないものの、尺がもっと欲しくなるという現象が起こっています。007シリーズを観たことないよという方もいるでしょうから、焦らずにまずは『007/カジノロワイヤル』から公開順にみていくことをおすすめします。

007/ノータイム・トゥ・ダイ

公開日:10月1日(金)
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ、レア・セドゥ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ラミ・マレック ほか
制作国:イギリス=アメリカ
上映時間:164分

竜とそばかすの姫

今後の世界であり得ることをアニメ映画で体感

ライター:Spicaの推し!

映画監督・細田守の最新作。高知に住む女子高校生・内藤鈴(すず)がインターネット上の仮想世界「U(ユー)」で大切な存在を見つけたことにより、訪れる困難を切り開く勇気と希望の物語だ。声優では、主人公のすずをミュージシャン・中村佳穂が演じており、成田凌、佐藤健、幾田りら、玉城ティナなど豪華キャスト陣が脇を固めている。

著者が注目するポイントは、複数のスピーカーを乗せている空飛ぶクジラや個性溢れる50億人のアバターなどが存在している仮想空間。現実でも、VRで歌を披露するバーチャルシンガー、アメリカ・Meta社が発表したメタバースといった今後の世界であり得ることを今の世界に落とし込みアニメ映画として確立しているのだ。日本の内閣府でも「ムーンショット目標」が掲げられているほど、仮想空間は人類にとって必要不可欠になるだろう。2021年に、近未来を体感できるアニメ映画だ。
アニメ映画の表現だけとっても、すずが歌うシーンは仮想空間ならではの演出と映像美、そして音楽により一層引き込まれていく。また、時折コミカルになるキャラクターの顔も、アニメでしか表現できない表情をしていて面白い。

竜とそばかすの姫

公開日:7月16日(金)
監督:細田守
出演:中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら ほか
制作国:日本
上映時間:121分

偶然と想像

一切無駄なものを排除した極上の会話劇

ライター:ナガシマの推し!

偶然と想像をテーマとした3篇からなるオムニバス作品。登場人物たちが遭遇する偶然から物語が始まり、そこから想像し、会話することで物語が進んでいく。

会話によって飛び交う台詞は、どこか現実味のない言葉であるのにもかかわらず、滑らかに自身のなかに入ってくる。その一切無駄なものを排除した極上の会話劇は、どんどん物語にのめり込んでいってしまうような不思議な感覚を味わえるだろう。また、会話によってもたらされる登場人物同士の関係性の変化と、その関係性が持つ可能性の広さを「偶然」と絡めて描かれていく。そのなかで、思いもよらない方向に物語が完結していく面白さは、終始会話にフォーカスして物語が進んでいくからであろう。この会話劇に魅了されること間違いなしだ。

偶然と想像

公開日:12月17日(金)
監督:濱口竜介
出演:古川琴音、中島歩、玄理、渋川清彦 ほか
制作国:日本
上映時間:

ドライブ・マイ・カー

濱口監督流の演出メソッドが心地よい作品です

ライター:マツバラの推し!

台本の読み合わせの際に、感情を込めずに読むことを繰り返し繰り返し行う、濱口竜介監督流の演出メソッドがまさに本編内で行われています。いわゆる棒読みに近いものなのですが、濱口監督の作品はその棒読みがなぜか心地よく、それが当たり前のように感じられます。

岡田将生さんの車内での長台詞シーンがあったのですが、カメラをまっすぐ見つめて台詞を言う画面の中の岡田さんにぐんと引きつけられ、それ以外の視界がぼやけるような、スクリーンの中に引き込まれるような、不思議な感覚を初めて味わいました。『偶然と想像』も公開され、濱口竜介ファンとしてはしあわせな年でした。

ドライブ・マイ・カー

公開日:8月20日(金)
監督:濱口竜介
出演:西島秀俊、三浦透子、ペリー・ディゾン、岡田将生 ほか
制作国:日本
上映時間:179分

おわりに

Mcura編集メンバーが選ぶ2021年公開のおすすめ映画、いかがだったでしょうか?
もし気になる作品がありましたら、ぜひ年末年始の空いた時間に鑑賞してみてください。
また、各ライターがこれまで執筆した記事一覧に飛べるリンクボタンも設置してありますので、もし「感性が合いそうだな~」というライターがいましたら、ぜひ他の記事も読んでみていただけると嬉しいです。
それでは、最後になりましたが、2021年もMcuraをありがとうございました。
来年も変わらず、皆様と素敵な作品との出会いをサポートできるように更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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