熱燗を飲みたくなる季節には日本酒の酒蔵を舞台にした『恋のしずく』を

寒い季節になると晩酌にはビールよりも熱燗で日本酒を、という人も少なくないだろう。
『恋のしずく』はヒロインの恋と成長とともに、日本酒の魅力を余すところなく伝えてくる作品だ。
日本酒はそんなに好きじゃないという人も本作を見れば、ついつい飲みたくなってしまうことだろう。

あらすじ

日本酒嫌いな詩織は酒造で研修を受けることに

東京の農大でワインソムリエを目指す、日本酒は嫌いなリケジョの詩織。
ワイナリーでの研修を夢見ていたが、実習先は意に反して日本酒の酒蔵に決まってしまう。
老舗の酒造には厳格な蔵元と折り合いの悪い息子、面倒見のいい美咲や頑固な杜氏たちがいた。
人々との出会いや日本酒造りを通じて詩織は今までにない喜びを見出していく。
しかし、信頼している蔵元の体調が急変し、蔵は存続の危機に立たされる。

出会いで変わっていく詩織を川栄李奈が好演

ヒロインの詩織を演じるのは映画初主演となったAKB48の元メンバーである川栄李奈。
『デスノート Light up the NEW world』や『亜人』などの話題作でアクションも披露しつつ演技の実力も見せた彼女が日本酒造りに奮闘する理系女子を好演する。
日本酒に出会い、酒造での人々に出会い、詩織がどんな変化をしていくのか見どころになっている。

本作が遺作となった大杉漣の味わい深い名演

やる気のない蔵元の息子は「劇団EXILE｣の小野塚勇人、米農家でもある蔵人の美咲を宮地真緒が演じている。
また詩織に優しく接する蔵元を演じるのは、2018年2月に亡くなり本作が遺作となった大杉漣だ。
まさに日本酒のように滋味に溢れていて味わい深い名演を見せ、つくづく惜しい役者をなくしたと思わせられる。