映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ

武田信玄の父・信虎の活躍を名優の寺田農主演で描いた映画『信虎』。息子に追放されてしまった晩年の信虎が武田家を存続させるために巡らせた知略とは?「信虎」が主人公の歴史好きなら見逃せない時代劇。会話劇で繰り広げられる作品のつくりにも注目!

名優・寺田農が武田信虎を熱演

なんと主演は36年ぶり!

武田信玄公生誕500年記念映画として製作された映画『信虎』。戦国の名将、武田信玄の父・信虎は信玄によって追放され、駿河を経て京に住み、足利将軍の奉公衆となる。追放より30年の時が流れた元亀4年(1573年)、信玄が危篤に陥ったことを知った信虎は、再び武田家にて復権するため甲斐への帰国を試みるも、信濃において勝頼とその寵臣に阻まれてしまう。信虎は、信長との決戦にはやる勝頼の暴走を止められるのか?80歳の「虎」が武田家存続のため最後の知略を巡らせる時代劇映画である。
主演の信虎を演じたのは名優の寺田農だ。これまでジャンルを問わず数々の名作に出演してきた寺田だが、主演を務めるのは実に36年ぶり。本作では武田家存続のために命をかける信虎を熱演している。

e73929bdfd534f2163e86aedd96a4cad - 映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ
寺田農(武田信虎)
1942年生まれの東京都出身。1961年に文学座附属演劇研究所に第1期生として入所。同年の『十日の菊』で初舞台を踏む。五所平之助監督『恐山の女』(1965)で映画デビューを飾り、日本テレビ『青春とはなんだ』(1965)『これが青春だ』(1967)に出演し注目を集める。岡本喜八監督『肉弾』(1968)で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。以降も多数の作品に出演し、中でも岡本喜八監督(『赤毛』1969、『座頭市と用心棒』1970など)、実相寺昭雄監督(『無常』1970、『帝都物語』1988など)、相米慎二監督(『セーラー服と機関銃』1981、『ラブホテル』1985など)の常連俳優となる。ドラマ・映画のほか、ナレーター・声優としても活躍しており、特に宮崎駿監督『天空の城のラピュタ』(1986)のムスカ大佐役を務めたことで知られている。近年の出演作に、武正晴監督『嘘八百』(2018)、内藤瑛亮監督『ミスミソウ』(2018)、清水祟監督『犬鳴村』(2020)松村克弥監督『りり ―幻に長崎を想う刻(とき)―』(2021)などがある。

実力派のベテランキャストが勢ぞろい!

50877107e489f8d0c1d69b6d1a56f807 - 映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ
a8006e8bae6f7e53ec0146ec8bb6a16b - 映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ

『信虎』は隆大介の遺作

ヒロインのお直を演じたのは実力派女優の谷村美月。信虎の娘である15歳のお直を、少女のあどけなさを残しつつ演じた。また、『みをつくし料理帖』(2020)や『天外者』(2020)にも出演していた榎木孝明、『サード』(1978)で主演を務め日本アカデミー賞などを受賞した永島敏行、ポビタンDのCMで人気を博し、マルチナに活躍する渡辺裕之ら、ベテラン俳優が作中の重要人物として豪華出演している。また矢野聖人、荒井敦史、石垣佑磨などの若手俳優も、戦国乱世の激動の時代を生き抜く姿を巧みに演じている。
そして、主要キャストの1人である隆大介は、はからずも本作が遺作となった。岡本喜八監督の『姿三四郎』(1977)でデビューし、黒澤明監督『影武者』(1980)の織田信長役でブルーリボン賞、日本アカデミー賞の新人賞を獲得。NHK大河ドラマ『峠の群像』(1982)ではエランドール新人賞も受賞した隆大介は、ほかにも熊井啓監督、村野鐵太郎監督、小林正樹監督など、日本映画界の巨匠と呼ばれる監督たちの作品に数多く出演してきた名優である。
主要な登場人物とキャストは下記のとおり。

  • 武田信虎(無人斎道有)・・・寺田 農
  • お直・・・谷村美月
  • 黒川新助・・・矢野聖人
  • 武田勝頼・・・荒井敦史
  • 上杉謙信・・・榎木孝明
  • 武田信玄・武田逍遥軒・・・永島敏行
  • 織田信長・・・渡辺裕之
  • 土屋伝助・・・隆 大介
  • お弌・・・左伴彩佳
  • 柳澤保明(吉保)・・・柏原収史

映画『信虎』は観る人を選ぶ?

会話が中心の新感覚の映画作品

本作は、武田信玄の父・信虎が主人公の物語。歴史に詳しくない人からすると、信虎のことを知らない人も少なくないだろう。しかし、信虎が主人公の映画がつくられると明らかになったときは、「目の付け所がいい」「信虎を主人公にするのはセンスがある」「歴史好きの気持ちがわかっている」など、歴史好きの間で話題になった。
また、本作は一般的な時代劇作品のみどころである殺陣のシーンがほとんどない(序盤に少しあったぐらい?)。物語は会話で展開してくという時代劇には珍しい作りになっている。
そのため、“歴史にあまり興味がない”、“時代劇の殺陣が好き”な人が軽い気持ちで観ると、痛い目(?)をみるかもしれない。目で見て楽しむ殺陣が少なく、言葉を一つ一つ理解し状況を読み取るエネルギーが必要とされる映画だからだ。
作中には、当時の耳馴染みがあまりない単語や用語などがでてくる。そんな時には字幕で解説が入ったり、たくさんいる登場人物たちの名前や肩書の字幕が入ったりもする。言葉と文字の情報量が多く歴史資料に近いような感覚があるかもしれない。それだけ丁寧に作り上げられた作品だけあって、真の歴史好きには見ごたえのある時代劇作品だろう。

映画『信虎』あらすじ

143742d6fc4075dacd469731d70daaa1 - 映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ
e6c96484d02cce1ac9a0631a1352c7e3 - 映画『信虎』真の歴史好き必見!あらすじ&キャスト作品紹介
©ミヤオビピクチャーズ

虎は あきらめない

武田信虎入道(寺田農)は息子・信玄(永島敏行)に甲斐国を追放された後、駿河を経て京で足利将軍に仕えていた。信虎は信玄の上洛を心待ちにしていたが、武田軍が国に兵を引き、信玄が危篤に陥っていることを知り、祖国・甲斐への帰国を目指す。そして信玄が他界し、勝頼が当主の座についたことを聞かされた信虎は、勝頼(荒井敦史)との面会を切望するのだった。その後、勝頼たちと会った信虎は、自分が国主に返り咲くことが武田家を存続させる道であることを説くが、織田との決戦にはやる勝頼たち却下される。しかし信虎は、武田家を存続させるためにあらゆる手を尽くすのであった。また、上野で武田攻めの最中だった上杉謙信(榎木孝明)が矛先を変えたのは、信虎からの書状に目を通したからである。ついに寿命が尽きてしまった信虎は、お直とお弌(左伴彩佳 AKB48)たちに看取られて息を引き取る。そして元禄14年(1701)、甲斐武田家の一族で、五代将軍徳川綱吉の側用人・柳澤保明(後の吉保、柏原収史)は、四男坊・横手伊織(鳥越壮真)に、祖父と関係があった信虎の晩年の活躍を語るのだった。この物語は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか――。

『信虎』※PG-12

<作品情報>
2021年11月12日(金)全国公開(10月22日先行公開)
監督:金子修介(平成『ガメラ』シリーズ、『デスノート』ほか)
共同監督・脚本・美術・装飾・編集・時代考証・キャスティング:宮下玄覇
武田家考証・字幕・ナレーション協力:平山優
出演:寺田農/谷村美月・矢野聖人・荒井敦史/榎木孝明・永島敏行・渡辺裕之/隆大介・石垣佑磨・杉浦太陽・葛山信吾・嘉門タツオ/左伴彩佳(AKB48)・柏原収史 ほか
音楽:池辺晋一郎
撮影:上野彰吾
上映時間:135分
製作:ミヤオビピクチャーズ
配給:彩プロ
公式HP:https://nobutora.ayapro.ne.jp/

あなたにオススメ