新作公開間近!ダニエル・クレイグ版「007」の軌跡とボンドガール

ついに2021年10月1日(金)に公開となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。今回は、同作でジェームズ・ボンド役から離れるダニエル・クレイグの「007」としての軌跡とボンドガールを振り返る。

鮮烈なボンドデビューを飾った『007 カジノ・ロワイヤル』

ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドとして初登場。
シリーズとしては、通算第21作目となる。
殺しのライセンスを手にして間もない若き日の007を描いており、歴代ボンド俳優にはない荒々しく危険な魅力を醸し出している。
本作のボンドガールには、フランス人女優のエヴァ・グリーン(ティム・バートン監督『ダンボ』(2019年)などに出演)が抜擢。
彼女はこの年の英国アカデミー賞でライジング・スター賞(※)に選ばれた。

※前年の受賞者はジェームズ・マカヴォイ。後に、クリスティン・スチュアート、トム・ハーディ、トム・ホランドらが受賞している。

英国MI6の諜報員ジェームズ・ボンドは、最終テストである2件の暗殺を遂行し、殺しのライセンスを持つ“00(ダブルオー)”へと昇格。
007としての初任務として爆弾テロ組織の壊滅を命じられたボンドは、マダガスカルやマイアミで一味の犯行を阻止し、やがてル・シッフルという男が資金源になっていることを突き止める。
ル・シッフルが資金稼ぎのためにモンテネグロのカジノ・ロワイヤルに参加することを知ったボンドは、彼を破産させるという新たな指令を受け、監視役として送られて来た金融活動部のヴェスパー・リンドとともにモンテネグロへ向かうのだった。

前作から直接の続編となる『007 慰めの報酬』

前作『007 カジノ・ロワイヤル』から1時間後としてスタートするという、「007」シリーズとしては初めて前作から直接の続編となった作品。
一方、監督は前作のマーティン・キャンベル(『007 ゴールデンアイ』でも監督)からマーク・フォースターにバトンタッチしている。
本作では、若き日のジェームズ・ボンドとして生け捕りにすべき相手を殺害してしまったり、秘密兵器などのシリーズ名物を最小限に抑え、前作以上に従来シリーズとの差別化を明確にしているのが特徴。
本作のボンドガールに選ばれたオルガ・キュリレンコは、後に「007」シリーズをパロディしたローワン・アトキンソン主演映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』にも謎の美女としてボンドガール的な出演の仕方をしている。
余談だが、本作は撮影トラブルがかなり多かったことでも知られている。(車両事故によってスタントマンが重症を負う、チリでの撮影では撮影に反対する現地の町長が車でセットに突入して逮捕される、主演のダニエル・クレイグは撮影中の怪我で顔を8針縫うことになるなど)

最愛の女性となったヴェスパーを殺した者への復讐を誓うボンドは、彼女を操っていたミスター・ホワイトを捕まえ、その背後に国際組織の巨大な陰謀があったと知る。
ハイチへ向かったボンドはカミーユという謎の女性を通じて組織の幹部ドミニク・グリーンに接近しようとするも、彼女に逃げられてしまい、そのあとを追ってグリーンのもとにたどり着く。
表向きは慈善団体のCEOであるグリーンだが、ボリビアの土地に眠る貴重な天然資源の独占を狙っていたことを知ったボンドは、グリーンと共謀するボリビアの将校への復讐を目指すカミーユとともに組織を追うが…。

ジュディ・デンチ、最後の“M”『007 スカイフォール』

シリーズ50周年記念作品でもある本作には、初監督映画『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞監督賞を受賞したサム・メンデス監督を起用。
ボンドの生家である「スカイフォール」を登場させて彼のルーツを描くほか、『007 ゴールデンアイ』から7回“M”を演じてきたジュディ・デンチにとって“M”を演じる最後の作品となるなど、シリーズにもとっても大きな意味をもつ作品となっている。
本作のボンドガールには様々な説があり、マカオの売春婦として登場するセヴリンだという声もあれば、セヴリンはあっさり死んでしまう(『慰めの報酬』イギリス領事館のフィールズ、『カジノロワイヤル』武器商人の妻のソランジュのような立ち位置)ため、Mこそが真のボンドガールだという声も。

世界各地に潜入するNATO諜報員のリストが盗まれ、ジェームズ・ボンドはファイルを奪還するため新人エージェントのイヴとともにイスタンブールへ向かう。
実行犯のパトリスと接触したボンドは列車の上で格闘する最中、Mから犯人を撃つよう命令されたイヴの誤射によって重傷を負い、峡谷に落下。
彼が消息を絶ったことで任務も失敗に終わる。
それから数カ月、ボンドは正式に死亡が認定され、MI6の存在意義を巡ってMが糾弾される中、ロンドンのMI6本部が爆破テロに遭う。
僻地で静養していたボンドはMの窮地を救うため現場に復帰し、事件の首謀者を追って上海へ飛ぶことに。
その後、マカオのカジノでパトリスの仲間らしき女性・セヴリンと接触したボンドは、かつてMI6の00エージェントだったシルヴァが黒幕と突き止めるのだった。

巨大組織「スペクター」の首領と対峙『007 スペクター』

世界をまたにかける巨大犯罪シンジゲート「スペクター」の首領フランツ・オーベルハウザーと対峙する第24作目。
これまでボンドを襲った悲劇を仕組んでいたのがこのオーベルハウザーであることが発覚する本作は、まさしくダニエル・クレイグ版「007」にとって集大成的な作品となっている。
映画「007」シリーズにおいて「スペクター」という言葉が使われるのは、1971年『007 ダイヤモンドは永遠に』以来、実に17作ぶり。
原作小説を映像化するにあたり、「スペクター」という組織の名称とそれに関係する登場人物の権利をめぐる訴訟により長年使われてこなかったが、本作で満を持しての登場となる。
オーベルハウザーを演じたクリストフ・ヴァルツのカリスマ的な芝居が、シリーズ最大級の敵としての威圧感を高めているのも見事。
ボンドガールにはレア・セドゥが抜擢されており、彼女が演じるマドレーヌ・スワンは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも登場することが発表されている。
また、もう1人のボンドガールとして登場するモニカ・ルベッチ演じるルチアは、最年長ボンドガールとして話題となった。(前述の『スカイフォール』におけるMは正式なボンドガールではない)
また、ジュディ・デンチに代わり“M”をレイフ・ファインズが担当している。

亡くなった前代のMの遺言に従い、メキシコで1人のテロリストを倒したジェームズ・ボンドは、そのテロリストの葬儀に向かい、彼の妻ルチアをある組織から救う。
命を助けることを引き換えに彼女から組織の秘密会議の情報を聞き出したボンドは、会議に潜入して、組織の首領がオーベルハウザーという男だと知る。
だが彼は、幼いころに両親を亡くしたボンドを育てた養父の息子で、ボンドと旧知の仲だった。
会議に潜入したことがばれたボンドは、組織の一員から追われることに。
一方ロンドンでは、CことマックスがMI5によるMI6吸収を画策していた…。

“007”新作公開にあわせ、ファン必見のドキュメンタリーがTV初放送!

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