過酷な状況の中でも、いや、過酷な状況だからこそ人は這い上がれるのかもしれない。「平和ボケ」という言葉があるように平和なだけが人にとって良い効果をもたらすとは限らない。煩雑な日常に埋没してしまいそうな時、この『暁に祈れ』を見るとハッと目を覚まさせてくれるだろう。
実際にいたイギリス人ボクサーを描く真実の物語
イギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝小説をもとに描くヒューマン・ドラマ。タイの刑務所に送り込まれた男が、ムエタイを習得して生き抜こうとする姿を描く。主人公を『きみへの距離、1万キロ』などのジョー・コールが力演。監督は『ジョニー・マッド・ドッグ』などのジャン=ステファーヌ・ソヴェールが務めている。
地獄のような刑務所から一縷の望みを
イギリス人ボクサーのビリー・ムーアは人生を再スタートさせようとタイにやって来るもののドラッグ中毒となってしまう。警察の家宅捜査を受けて逮捕されたビリーを待ち受けていたのは刑務所での地獄のような日々だった。汚職、レイプ、殺人が公然と行われる壮絶な刑務所で、ビリーは署内に設置されたムエタイチームの存在を知る。
肉体改造して挑むパワフルな演技に注目
体だけでは飽き足らずに顔面にまでタトゥーをほどこしたタイの囚人の中に身を置いたイギリス人青年のビリーは一目見ても異質。彼が地獄の中でムエタイという希望を見い出す姿には心揺さぶられる。ビリーに扮するジョー・コールは何ヶ月にも渡って肉体改造に励み、30日の過酷な撮影に挑んでいる。
暁に祈れ
[字]2020年6月13日 10:40~12:45
[字]2020年6月21日 18:45~21:00
[字]2020年6月25日 20:45~23:00