元祖アクション俳優のシルベスター・スタローン。
『ランボー』(1982年)はシルベスター・スタローンが、アクションスターとして確固たる地位を築いたランボーシリーズの第1作目となる作品だ。
今回は『ランボー』のあらすじや、作中に登場する名言を紹介する。
アクション俳優、シルベスター・スタローンの当たり役となった“ランボー”
過激なアクションでベトナム戦争の帰還兵たちの心の傷を描く
映画『ランボー』は、デイヴィッド・マレルによる小説「一人だけの軍隊」を原作に、ベトナム戦争の帰還兵であるジョン・ランボーが、田舎町の保安官事務所で不当な扱いを受けたことに怒りを爆発させる姿を描いた過激なアクション。
ベトナム戦争の前線で戦った兵士たちが負った心の傷を描く社会派ドラマという点も見どころとなっている。
監督はテッド・コッチェフ。シルベスター・スタローンが主人公であるランボーを演じ、マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイムと共に脚本も兼任している。
シルベスター・スタローンが体現した寡黙で過激なランボーは、「ロッキー」シリーズの主人公バルボアと並ぶ当たり役となった。
『ランボー』のあらすじ
保安官たちのいわれなき暴力にさらされたランボーは、反撃を開始する
ベトナム帰還兵のランボーは、ワシントン州の田舎町で暮らす軍隊仲間の家を訪ねるが、その友人は戦争時の科学兵器の後遺症によるガンを患い、すでに亡くなっていた。
次の町へと向かう道すがら食事をとろうとしていたランボーの風貌が気にいらなかった保安官ティーズルは、高圧的な態度でよそ者は町から出ていくようにと告げる。
言いがかりをつけられたランボーが反抗する態度を見せると、憤慨したティーズルはランボーを保安官事務所に連行し、裁判にかけると脅した上に拷問のような仕打ちを与える。
そのいわれなき暴力でベトナム戦争のトラウマがよみがえったランボーは、保安官たちを振り切り、オートバイを奪って山にこもるのだった。
『ランボー』に登場する名言にも注目
ランボーの深い孤独や憤り、当時の風潮を感じる名言
戦争や差別への厳しい眼差しが込められた本シリーズでは、ランボーほか登場人物たちによる “名言”の数々が登場する。
第1作目となる『ランボー』での名言は、グリーンベレー時代の上司であり、ランボーが唯一信頼するリチャード・クレンナ扮するトラウトマン大佐との会話の中での一節。
「俺にとって戦争は続いたままなんだ(中略)俺は世間じゃのけ者だ」(ランボー)
このシーンでは、ベトナム戦争の英雄とされながらも多くの犠牲を出したとアメリカ国民から批判されたランボーが、深い孤独とやり場のない憤りを感じていたことが明かされる。
そんな当時のベトナム帰還兵に対するアメリカの風潮を感じながら観ると、さらに作品が味わい深くなることだろう。