【映画×モンスター】No.4『ミスト』怪物好きにはたまらない欲張りセット

【毎週土曜日更新】第4回となる今回は、皆にトラウマを植え付けた名作『ミスト』をピックアップ。全体的に昆虫ベースの怪物が多く、クモ型、バッタ型、カマキリ型と続き、翼竜のようなヤツや巨大な子たちも。そして、一番のモンスターはやっぱり人間…。見たことがない人はこの機会にぜひ…フフフ。

まさかの関係性!『ミスト』物語序盤のポスターに注目

【映画×モンスター】No.2『遊星からの物体X』ひたすらにキモイけどそこが良い

【はじめに】モンスター映画の魅力(マニアックすぎぃ)

時に残酷で時にカッコイイ姿を見せつけてくるアイツ等

モンスター映画とひとことで言っても、ひたすらにグロイものから、あれちょっとカッコイイかも? と多種多様に存在している。そんな数ある作品の中から、モンスター映画好きの筆者が毎週土曜日に勝手にピックアップして紹介していく。ここは、そんなマニアックな連載ページになります。はじめに言っておくと得られるものは何もない(笑)ので、暇つぶし程度にご利用くださいませ。それでははじめましょう。

【モンスター】No.4『ミスト』

筆者的には造りが絶妙にキモいバッタ型が好み。まぁ、どれも実際には遭遇したくないランキング上位勢。さしずめ、未知との遭遇…もとい“危地”での遭遇ってところでしょうか?

『ミスト』に登場するモンスター≒怪物とは? 

各種モンスターたちの特徴
ムカデ型(おそらく巨大種の触手の一部)
表面の外見は肥えたナメクジのような見た目。ところが裏側はいくつもの足?ツメ?牙?がいくつもくっついたまぁまぁ衝撃的なビジュアルを持つ可愛いやつ。それぞれのツメ?牙?は別で可動するので、犠牲になったあの青年は生きたまま肉をそがれていきましたとさ…(これが1番目に出てくるモンスターなんだから、『ミスト』はたまらないですよね~)。

バッタ型
ベースは虫、けど若干人の顔っぽく絶妙に気持ち悪い顔面を持つバッタ型の怪物。ベースが虫だからか、明るいところがあればガラスにも壁にも一目散に引っ付いてくる習性もうっとりするほど気持ち悪い。一見無害そうな可愛いやつ…と見せかけて尻尾にはサソリのような毒針を持っていて、刺されればたちまち原型が分からなくなるほど腫れあがりそのまま死亡してしまうという性能っぷりもまた良き。とある青年が好意を寄せていてた女性が犠牲になるシーンがありますが、あれは辛すぎる…。

翼竜型
先述したバッタ型の怪物をも食べる翼竜ベースのモンスター。クチバシがあり気性も荒く、人に噛みついたらそのまま皮膚を裂いてあたり一面を血の海にするくらいには鋭い。主人公たちが避難していたスーパーの壁面に寄って来たバッタ型の怪物を食べる、ただそれだけだったのにスーパーに乱入してしまったことで生きたまま焼かれたりめった刺しにされている彼らは本作で唯一ちょっと可哀想なやつです。

クモ型(一部ネタバレ注意
正真正銘の怪物。人をとらえれば苗床として子供を繁殖、イッキに数も増えるし、ちょくちょく飛ばしてくるクモの糸は触れたものを溶かす性質ももっていたりで「エイリアン」も真っ青のモンスターっぷり。主人公の奥さんを手にかけたのもおそらくこやつら。リアルのクモは結構可愛いやつが多いですが、本作のクモは危険度MAXの怪物。

巨大種
見上げるほどにデカイやつもいれば、人を軽く見下ろす程度には大きいカマキリ型など、結構種類も多そうで厄介な奴ら。まぁ、物語の後半であれば普通に人間(軍?)にやられたりしているので、大きい割にはそこまで印象が強くなく、本作の数少ない癒し枠。

【ネタバレあり】『ミスト』の魅力
本作の魅力、それはやっぱり人間が最弱にして最強というところ。多種多様なモンスターたちが霧(ミスト)とともに現れて人間を蹂躙…ここだけでみると人間は被害者に見えますが、実際は別の世界を見るための“窓”を実験でひろげて“ドア”にしてしまったことこそが最大の要因(本当の原因は不明、人間が何かしら関わっている。か、他の世界軸からの干渉か…。)。トーマス・ジェーン演じる主人公も、スーパーの性悪おばさんも、優しいのか意地悪なのかわからないお隣さんも、各種犠牲になった人たちや生き延びた人たちも、結局は同じ人間が“犯し”た過ちに巻き込まれ、その中で自分たちも色々な過ちを“冒し”てしまっただけ。
そして本作最大の過ち、ラストシーンへ繋がっていくわけですね。めでたしめでたし。

【最後に】『ミスト』と『ダークタワー』の関係性そしてスティーブン・キング!

有名なお話ですが、本作『ミスト』の主人公デヴィッド(トーマス・ジェーン)が物語の冒頭で描いているポスター。実は『ダークタワー』というスティーブン・キングの小説シリーズにまつわるもの(ちなみに前々回ご紹介した『遊星からの物体X』もポスターとして登場しています)。「IT」だったり、本作の『ミスト』だったり、すべては『ダークタワー』に繋がっている…と思うとワクワクしますよね。物語の根本はスティーブン・キング、そこから色々な監督たちが感銘を受けて映像化、そのそれぞれの物語は独自に動いているようにみえてすべてひとつの大きな物語に繋がっている…スティーブン・キング、さすがですね。今じゃ物語を魅せる手法として主流になっている「ユニバース」もののさきがけと言っても過言ではないと思います。読み手に色々なイマジネーションとトラウマを与えてくれたスティーブン・キング。彼の頭の中にある“モンスター”たちを、いつか見てみたいものですね。帰ってこれなそうですが(笑)。
さて、少し脱線しましたが本作『ミスト』も他の作品たちと同じで「やっぱり人間が怖い」という答えが見つかります。けれど、状況によっては自分の命が危なくても大事な人のために勇気を奮い起こして挑んでいく。そんな素晴らしい一面も持ち合わせていたりします。それ故にあのラストは衝撃的なんですが…。

ちなみに次回は筆者が大好きな吸血鬼映画『30デイズナイト』についてピックアップできればと思います。それでは。

【図鑑No.4】『ミスト』

監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、トビー・ジョーンズ ほか
シリーズ作品:『ミスト』としてのシリーズ作品はナシ
どこで見れる?:Amazon primeVideo(約2週間以内に配信終了…)でチェック可能! まだ見たことない人はぜひ。※衝撃的な映像、クライマックスが待ち受けています。見る際は自己責任でお願いいたします。

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