TVアニメ『さんかく窓の外側は夜』バディを演じる島﨑信長×羽多野渉インタビュー

島﨑信長(写真右)・羽多野渉(写真左) ©ホームドラマチャンネル

ヤマシタトモコ原作の大人気コミック『さんかく窓の外側は夜』が待望のアニメ化。昔から不気味なモノを“視て”しまう三角康介と、除霊師の冷川理人がコンビを組んで怪奇事件に挑んでいく。2021年7月に実写映画化もされた本作はホラー×ミステリー×バディ愛の新感覚・霊感エンタテインメント。そこで三角康介と冷川理人を演じた島﨑信長(写真右)と羽多野渉(写真左)に直撃。作品に対する思いなどを聞いた。

原作を読んだ感想

島﨑「いろいろな感情の動きや関係性など、人間を多面的に描いている」
羽多野「ヤマシタ先生の作品の独特のタッチやメッセージ性は、記憶に残る作品」

島﨑「僕はオーディションの際に初めて原作を拝読しまして、面白い作品だなと思いました。というのもホラー作品っていうと、どちらかというとショッキングだったり、ドラマチックだったり、パニックホラーのイメージの強いものが多いんです。でも、この『さんかく窓~』はじわじわ迫る恐怖というか…もしかしたら今、自分たちの生活している場所にいるんじゃないか、気付いてないだけで普通に歩いているんじゃないか、という想像力をかきたたせるところがあって。日常に寄り添うような恐怖をそっと見せていく作品なんです。ホラーとしてもとっても面白いですし、ストーリーも人間同士が出会い、変わって、成長し、時に離れてまたくっついて、というヒューマンドラマの部分もあって、本当にいろいろな感情の動きや関係性など、人間を多面的に描いているんです。だからオーディションのために原作を読んだときも、三角康介のキャラクターをとても理解しやすくて。描写が説明し過ぎてないのに、丁寧なんです。そう言うと、ちょっと矛盾しているように聞こえますよね。なのに、ちゃんとわかりやすく描かれている、そういうところも僕の好みでした。のめり込むぐらい面白い原作だったからこそ、オーディションが決まったときは本当にうれしかったですね」

羽多野「僕もオーディションのタイミングで原作に触れさせてもらいました。ヤマシタ先生の作品って、すごく記憶に刻まれていて。『さんかく窓~』を読んだとき“あれ、この絵、以前僕、出会っているはずだ”って頭の中の記憶が巻き戻される感覚があったんです。もう10年ぐらい前だったかな? とあるドラマCDでヤマシタ先生の作品でキャラクターを演じさせてもらったことがあって。原作を読んだときに当時の記憶がぶわって蘇ってきました。そのぐらいヤマシタ先生の作品の独特のタッチやメッセージ性は、記憶に残る作品だったんです。それを思い出して、ぜひともまた先生の作品に出演したいと思ったので、結果がきたときは素直にうれしかったです。ただ、喜んだのもつかの間、あまりにも人としての情緒や価値観がズレている冷川理人というキャラを、どうやって演じればいいんだろう? 果たして僕に演じきれるだろうか? そういう不安や緊張感もありました(笑)。なのでアフレコに入る前は監督や共演者の方たちにお話やアドバイスをいただいて、しっかりやっていくぞ!という心構えを持ってのぞみました」

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Ⓒヤマシタトモコ/リブレ・さんかく窓プロジェクト

キャラクターとの共通点

島﨑「羽多野さんの中には、やっぱり“変なもの”があるんじゃないかと」

島﨑「羽多野さんが、この役が決まったときマネージャーさんから“ぴったりですね”って言われたんですよね?」
羽多野「そうなんだよ(笑)」
島﨑「と言っても、羽多野さんは冷川と違って、ちゃんとコミュニケーションも取れる方で。むしろ周りに気を配る三角みたいな人なんです」
羽多野「今までは三角みたいな役柄にご縁があったからね」
島﨑「でも、羽多野さんの中には、やっぱり“変なもの”があるんじゃないかと」
羽多野「あははははは(笑)」
島﨑「これは羽多野さんに限ったことじゃなく、この業界で10年以上やっていけてる人には、どこかしら変なところがあるんじゃないかと僕は思っていて」
羽多野「自分も含めて変なところがあるってことね(笑)」
島﨑「はい(笑)。それが求められる声優としての魅力に繋がっていると思うんです。自分で言うのも恥ずかしいんですけど」
羽多野「確かに」
島﨑「周りの先輩方を見ても、みなさん、ちょっと変なところがあると思いません? 社会人として普通に生活をしていても、例えばすごい集中力を持っていたり。台本を読み始めたら何をされても気づかない方たちもいますからね。演じていると、もう暴走機関車みたいに止まらなくなってしまう方とか。で、羽多野さんは普段、誠実でそういうところをあまり見せないから、余計に変なところを突っつきたがると思うんです。普段から変なところがダダ洩れしている人ではないので“そういうところを見せてくれ”って、なるんじゃないかな。実際、羽多野さんも冷川ほどじゃないけど、どこか変なところは確実に持ってらっしゃると僕も感じています」
羽多野「見た目だけだと美青年だけど、中身が全然違うところが冷川というキャラクターの面白いところだと僕は思ってる」
島﨑「冷川の持つ執着とか独占欲って、ともすればネガティブに思われがちですけど、ひとつのことに集中できること、継続できることって、声優にとって重要な資質でもあると思うんです。そういう意味で羽多野さんにも執着ってあるんじゃないかなって」
羽多野「なんかね、変な執着というか、癖はあるかも。例えばゲームをやっていて、まっすぐプレーをすれば1週間でクリアできるのに、1年ぐらいかけたりすることはあるかも」
島﨑「あはははは(笑)」
羽多野「ひとつのゲームを味がしなくなるまで、やり尽くすようなところね」
島﨑「ほら、やっぱり変なところがあるでしょ(笑)」
羽多野「本当は冷川のように金髪サラサラヘアの美青年の声というと、アンケートを取ったらきっと島﨑信長って答えが返ってくると思うんです」
島﨑「イメージでいうと、僕ら逆ですからね」
羽多野「今回、『さんかく窓~』の声優が発表されたときも“逆じゃない?”って声があがったほど。でも、キャラクターの内面を見ると、僕らはこのキャスティングだと、すごく納得していて。格好良くてクールな印象の役を演じるイメージの信長くんですけど、情にもろくて頼まれたら断れない三角を演じているところを見ると、ぴったり合っているなって感じます。ある意味、2人とも新たなイメージの向こう側にいけたチャレンジングな試みだったのかなって。三角を演じる信長くんの新たな魅力が、この作品ではいかんなく発揮されていると思います」

視聴者へのメッセージ

羽多野「どのキャラクターに感情移入するかで、何倍も楽しめることができます」

羽多野「たくさんの要素が詰まった作品だと思います。ホラーテイストだけでなく、人間同士の絆が描かれていて、ちょっとドキッとするシーンもあったりして。どのキャラクターに感情移入するかで、何倍も楽しめることができます。見終わった後に、いろいろと考えてくださったら、うれしいです!ぜひ最終話まで逃さず楽しんでください!」
島﨑「人間を多面的に描いた深い魅力のある原作を、すばらしいスタッフ、キャスト一同が全力で取り組ませていただきました。この作品は1話1話の積み重ねが、ちゃんと繋がっていて描かれています。各部門のプロフェッショナルな方たちの確かな技術力と愛と思いが感じられるステキなアニメになっていますので、最初から最後まで余すことなく楽しんでいただきたいです!」

テキスト:今 泉 撮影:和田浩 素材提供:ホームドラマチャンネル

ホームドラマチャンネルにて独占インタビュー&TVアニメ放送!

【前編】2021年11月12日(金)13:45~14:00ほか
【後編】2021年12月10日(金)13:45~14:00ほか
アニメの見どころや魅力に迫る番組。制作秘話のインタビューや簡単な「さんかく窓」クイズやセリフ再現などにも挑戦!

2021年11月19日(金)スタート 毎週金曜 26:00~27:00 ※2話連続
実写映画化もされた同名コミックスのアニメ版。除霊師&助手による心霊探偵バディの活躍を描く霊感エンタメ。

(情報は記事公開時点の内容です)

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