映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」眞栄田郷敦が映画出演3作目にして挑んだ難役

「家政夫のナギサさん」や『午前0時、キスしに来てよ』など話題作に多数出演し、今最も注目される若手実力派俳優の眞栄田郷敦。そんな彼の映画出演3作目となる最新作が、1998年長野オリンピック・スキージャンプ団体による逆転金メダルの裏に隠れた知られざる感動の実話『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(近日公開)だ。
不調の日本勢が逆転を狙う中、猛吹雪によって競技が中断。審判員は「テストジャンパー25人が無事に飛べたら再開する」という前代未聞の条件をつける。眞栄田は、代表からもれて屈辱を感じながらも裏方に回った西方仁也(田中圭)や聴覚障害のある高橋竜二(山田裕貴)と共に参加していたテストジャンパーの南川崇を演じている。これまでとは全く異なる役柄に苦労したと振り返る彼に、その撮影秘話について語ってもらった。

映画出演3作目にして挑んだ難役

「人柄の印象がどんどんと変わっていくグラデーションのつけ方には悩みました」

僕が演じた南川は、その背景を知らなければ少し調子に乗っているような印象を与えてしまう人物です。誰しも挫折や悩み、壁にぶち当たったことがあると思いますが、それを受け入れたくない、悩みがあることを見せたくなくて自分をちょっと飾ってしまう時ってあると思うんです。そこに共感はしたものの、南川の場合はオリンピックという抱えるものの規模があまりに大きくて、自分とは少し違う部分なのでその気持ちをとらえるのが難しかったですね。
飾っている南川の一面と真摯に競技に向かう実力派の選手としての一面、この2つの面はどっちにも振りすぎないようにバランスを取っていこうということは作品に入る前に飯塚監督とプロデューサーの方も含めて話をしました。初めての役柄だったので結構苦労した部分もあったんですけど、特に人柄の印象がどんどんと変わっていく、そのグラデーションをどう上手くつけていくかはかなり悩みました。

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長野県での撮影について

「スキージャンプ台は階段も狭くて、履き慣れない靴と慣れない環境でさらに怖さが…」

長野でのロケは寒かったけど雪も少なくて、良いかたちで撮影できました。ジャンプ関連の練習は現地入りしてから。一人が飛ぶ前の姿勢になって、もう一人がそれを下で受けとめる空サッツという訓練もしたんですけど、それがめちゃくちゃ難しい。あと服、靴、道具全般が扱いづらかったんですけど、実力派ジャンパーの役だから馴染んでいるように見えないといけないので、空き時間を見つけては練習するなど、そこは大事に準備しました。
スキージャンプ台に実際に上がると、思っていたよりも傾斜がきつくて…。高所恐怖症ではないんですけど階段も狭くて、履き慣れない靴と慣れない環境でさらに怖さが増すんです。でも選手がジャンプの前に行く控え室のような場所があって、そこで実際に選手たちが準備をしてこのルートを行ったんだと思うとグッときましたね。
印象的だった撮影は、最終日に撮ったテストジャンパーが雪道を歩くシーン。合宿でコーチが「お前ら走れっ!」って声をかけるシーンがあるんですけど、朝早くに真っ白な雪の中で、空もすごく不思議な感じで。映画としては最初の方の話ですけど、幻想的な景色に囲まれて「あー、終わったんだ」という気持ちになりました。

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先輩俳優である田中圭、山田裕貴との共演

「お芝居の面ではお二人ともにすごく刺激を受けました」

主人公・西方役の田中圭さんは素敵な座長でした。テストジャンパー25人を引っ張って下さいましたし、みんなでご飯に行ったり、温泉に一緒に入ったり。撮影以外で交流の場を設けるなどすごく良い現場作りをしていただきました。圭さんがいたからみんな仲良くできたし、安心感のあるお父さんのような存在でしたね。
(同じくテストジャンパーの1人を演じた山田)裕貴さんは本当に面白くて、日々のスパイスでした(笑)。発言もユニークですけど芝居はめちゃくちゃ考えてて、その時の対応もすごい。圭さんは言葉で教えるというより「俺の背中を見てろ」みたいなスタンスなんですけど、お芝居の面ではお二人ともにすごく刺激を受けました。

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作品への想い

「いろんな人の葛藤や熱い想い、覚悟が集まっていた舞台裏を届けたい」

もともとスキージャンプという競技は知っていたものの、実は作品に触れるまで長野オリンピックの話や、舞台裏のことも全く知らなくて。そして台本を読んで表舞台の出来事に感心するのと同時に、こんなにもいろんな人の葛藤や熱い想い、覚悟が集まっていた舞台裏だったのかということを知って、「この作品をやりたい、届けたい」と思いました。
実は“テストジャンパー”の存在も知らなくて。競技する人より危ない状況もあるという裏方の存在はすごく衝撃的でしたし、表舞台に立つことなくそこに自分の目標を見出して命をかけているんだと思うと、感慨深くて熱いお話ですよね。
この作品はすごくいろんな人の想いが乗っかっていて、観れば絶対に熱くなると思いますし、心が震える実話となっていますので是非大勢の方に観ていただきたいですね。

GORDON MAEDA
2000年1月9日生まれ 米・ロサンゼルス出身。19年『小さな恋のうた』で俳優デビュー。『午前0時、キスしに来てよ』(2019年)、「ノーサイド・ゲーム」(TBS)、「私の家政夫ナギサさん」(TBS)、「教場II」(CX)ほか話題作に多数出演。現在フジテレビ系木曜22時「レンアイ漫画家」出演中。7月には『東京リベンジャーズ』が公開予定。

Photo:菅慎一 Text:足立美由紀 Styling:MASAYA(ADDICT_CASE) Hair&Make:Misu(ADDICT_CASE)

元日本代表・西方仁也(田中圭)は長野オリンピック代表を落選。失意の中、屈辱を感じながらもテストジャンパーとして参加する。そして迎えた本番。団体戦の1本目のジャンプで、 日本はまさかの4位に後退。さらに猛吹雪により競技が中断してしまい…。
監督:飯塚健
出演:田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)[他]
近日公開

©2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

(情報は記事公開時点の内容です)

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