スポーツ×デスゲーム、世界観がアツい!“史上最もイカれたサッカーアニメ”『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』

累計発行部数3000万部突破の人気コミックスをアニメシリーズ化した『ブルーロック』。TVシリーズは主人公・潔 世一の視点から“ブルーロック(青い監獄)”に集められた300人の高校生FWたちが世界一のストライカーを目指して、己のサッカー選手生命をかけて挑む姿が描かれている。このヒット作初の映画化であり、天才ストライカー・凪 誠士郎の視点で描かれた『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』で凪 誠士郎の声を担当した島﨑信長に作品への思いを語ってもらった。

『ブルーロック』の魅力

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「『自分のために自分のエゴを出すんだ』って、今を生きる人に刺さるんじゃないかな」

 このシリーズは“サッカー”というスポーツものに、“デスゲーム”という要素が掛け合わされていて、まずそこが面白いなと引き込まれました。さらに、今の世の中で良しとされていることの真逆を言っているのがまた興味深くて。

 今の時代は優劣をつけないとか、協調性とかが大事にされていて、人を蹴落とすなんて堂々と言ったら炎上しそうなことですよね。もちろん協調性はとても大事なことですけど、それだけでは渡っていけない場合も多々あると思います。人と競い合うことや、その世界で生き残ることを求められる局面も実はあって。この『ブルーロック』の「みんなのためにじゃない、自分のために自分のエゴを出すんだ」というようなことって、今を生きる人に刺さるんじゃないかと思います。

劇場版が決定した心境

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「アニメの作品作りはとくに共同作業で、僕は声の部門の1スタッフ」

 劇場版があるというのは最初から決まっていたわけじゃなく、TVシリーズの途中でお話をいただいたんですが、それはやっぱり素直に嬉しかったです。ただ、劇場版は凪が主人公で、主役だとやっぱり作品の背負い方が少し変わりはするのですが、だからと言って役との向き合い方が変わるわけではないです。主役じゃないからと言って自分の中で役の存在が小さくなるわけではないし、キャラクターは主人公だろうと脇役だろうと自分の人生を生きているのだし。これまでも凪は凪として生きていたのですから。

 それに主役と言っても役として顔を出してその作品の看板になる俳優さんと違って、僕たち声優は声だけを担当するわけで、僕はいい意味でそこが好きなんです。声優の仕事として。実写でも言えることではありますけど、アニメの作品作りはとくに共同作業だと思うんです。例えば絵作りはアニメーターさんを始め絵のスタッフさんがいて、音作りだって音のスタッフがひとつひとつ音を作っていて。僕は声の部門の1スタッフだと思っています。いろんな分野のプロフェッショナルたちが各々のエゴを発揮して、時にはぶつかり合い、高め合い、コミュニケーションを取って、いい作品を作ることを目指して同じ方向を見て歩んでいくという。そこがすごく好きで、それが声優をやらせてもらっている大きな理由ではあります。

劇場版で描かれる凪視点の物語

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「劇場版では凪の人間臭いところが垣間見られるんじゃないかと思います」

 凪はどこか気だるげだけど天才でクールなキャラクターです。この設定だけでかっこいいから、設定を記号的に拾ってもそれなりに成立しちゃうんだけど、そこに落とし穴でもあるキャラクターだなとも思いました。彼の本当の魅力はそれだけじゃなく、そこから芽生えてくるエゴであったり、わりとドロドロしたものであったりだと思うんです。そういう彼の人間的な魅力はちゃんと表現してあげないと、本当に形だけのキャラクターになるなと思ったので、繊細に気をつけて演じました。

 ただ、これまでのシリーズでは、ちょっと得体が知れなくてミステリアスに見せる必要もありました。TVシリーズは潔視点だったので、彼にとって凪は天才的なモンスターだったからです。今回の劇場版は凪視点で描かれていて、TVシリーズでは疲れを見せていなかった凪が少し疲れを見せたり、無気力なはずの凪がちょっと力んでいたり、凪の人間臭いところが垣間見られるんじゃないかと思います。同じシーンを別視点で見せられるということはなかなかないですが、こんなにイメージが変わるということを感じてもらえれば。自分としても演じていて楽しかったです。それと、劇場版は凪と相棒の玲王の成長物語になっていると思っていて、そこも注目して欲しいです。2人の関係性と、その変化に感動してもらえるんじゃないでしょうか。

 この作品は見終わったあとに、自分も夢中になれるものを見つけたいなとか、自分の意見をちょっと人に伝えてみようかなと思ってもらえるんじゃないかと思うんですよね。見てもらった方の人生が1歩でも前を向くような気持ちを持って帰ってもらえたら嬉しいです。

NOBUNAGA SHIMAZAKI
12月6日生まれ。
2009年「戦場のヴァルキュリア」のヘルバート・ニールセン役で声優デビュー。2012年「あの夏で待ってる」の霧島海人役でテレビアニメ初主演を果たす。2013年第7回声優アワード新人男優賞を受賞。主な出演作に「呪術廻戦」「Free!」「WIND BREAKER」など。

Photo:長谷部英明 Text:入江奈々 Styling:宇都宮春男 (YKP) Hair&Make:瓜本美鈴

「めんどくさい」が口グセの高校2年生・凪 誠士郎(声:島﨑信長)は、W杯優勝を夢見る同級生の御影玲王(声:内田雄馬)と出会い、その才能を見出される。ある日、彼らのもとに“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトの招待状が届く…。
監督:石川俊介
声の出演:島﨑信長、内田雄馬ほか
●2024年4月19日(金)全国ロードショー

©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会

(情報は公開時点のものです)

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