寺島進 幅広い層から支持される主演作『駐在刑事』の役作りや見どころを語る

笹本稜平の原作を寺島進主演で映像化し、スペシャルドラマとして好評を博した後、2018年10月に連続ドラマ化された『駐在刑事』。寺島演じる主人公・江波敦史の魅力的なキャラクターや、舞台となる奥多摩の豊かな自然、レギュラーキャストの絶妙な掛け合いなどが幅広い層から支持され、2020年1月にはシーズン2が、2022年1月にはシーズン3が放送された。そんな人気作がホームドラマチャンネルに登場。9月18日(日)~19日(月・祝)のシーズン1&2一挙放送を皮切りに、最新作であるシーズン3のCS初放送も決定! 連ドラ初主演作であるシリーズに並々ならない思い入れがあるという寺島に、役作りのポイントや作品の見どころを聞いた。

演じる上で意識していること

―かつて捜査一課の敏腕刑事だったが、ある出来事をきっかけに奥多摩に左遷された江波。それでも腐らず、今では住民たちから「駐在さん」と親しまれている人物ですが、演じる上でどんなことを意識されていますか?

ハンドルの遊びじゃないですけど、ちょっと緩い部分があった方が、江波らしくていいんじゃないかと、その辺は意識しています。例えば、制服の着こなし。あまりきちっと整っているんじゃなくて、帽子なんかでも、斜めになっちゃっていたり、横を向いちゃっていたり。そういう方が、堅苦しくなく気さくな江波のキャラクターに合っていると思うんです。

―捜査で見せる鋭さと、住民たちと接するときの優しさ。メリハリの利いた演技も意識されているところでは?

自分自身の演技がどうこうじゃなくて、引き出されている部分が大きいと思います。まず、原作の素晴らしさもあって、脚本がしっかりしているということ。そして何より、緑豊かな奥多摩の自然が背景にあると、現場に行くだけで江波になれる。そういう空気があるということですね。降り注ぐ太陽の光とか、吹き抜けていく風とか、それが運んでくる自然の香りとか、そういうものにエネルギーをもらっている。だからこそ、江波らしくいられるんじゃないかと思います。

自身と重なる部分について

―江波の気さくさと、寺島さんご自身の飾らない人柄。重なる部分があるように思えるのですが、ご自身ではどうお感じになっているのでしょう。

それは正直、あまり考えたことがないですね(笑)。役者ってどうしても、演技にそれまでの生き様が出ちゃうものだとは思う。ただ、それはあくまで無意識の部分だから、自分では分からない。あえて言うなら、自分は生まれも育ちも東京の下町なので、昔ながらの近所付き合いみたいなものが自然にあった。そういう子ども時代を過ごしていたので、自然とそれが自分の中に根付いているのかもしれない。江波と寺島がリンクしているとか、そういうことじゃなくて、とにかく自然体でやらせてもらっているという感覚です。

連ドラ初主演作に対する思い

―役者として長く活躍されている中で、連ドラの単独主演はこの作品が初めて。どんな思いがありましたか?

スペシャルドラマ5本を経て連続ドラマが決まったときは、ずっと一緒にやってきたプロデューサーやカメラマンをはじめとするスタッフ、レギュラーキャスト陣など、いろいろな人の顔が思い浮かびました。これまでも多くの作品にかかわり様々な感情を抱いてきましたが、“感謝”という気持ちを感じたのはこの作品が初めて。「ついにこの瞬間がきたんだ」という喜びがありました。中でもシーズン1では、黒木瞳さんという素晴らしい女優さん、伊東四朗さんという大先輩に支えていただいたことが大きかったと感謝しています。

―長年演じてきた江波敦史というキャラクターについては、どんな思い入れがあるのでしょう。

ちょっと大袈裟かもしれないけど、例えば自分が亡くなったら、棺に駐在の衣装一式を全部入れてもらいたい(笑)。それくらい思い入れが強い役です。もっと言うと、もし自分がいなくなっても、作品自体は続けてほしい。江波が退場したら、(北村有起哉演じる)加倉井管理官が奥多摩に左遷されて、駐在を引き継いだりして(笑)。どんなに長く続いても色あせない魅力にあふれたドラマですから。

―スペシャルドラマ第1弾が放送されたのは、2014年の4月。すでに8年以上も多くの視聴者に愛されています。

いろいろな刑事ドラマがある中で、『駐在刑事』はこの作品にしかない色がある。だからこそ長い間見てもらえているのかなと思います。奥多摩の豊かな自然を背景に、地域密着で地元の人たちと一緒に事件を解決していく。人と人の繋がりをテーマにした向田邦子さん的な世界観があるいっぽう、笹本稜平さんが描いた上質なミステリーの世界もある。いい意味で多彩な魅力が融合した画期的な刑事ドラマだと思うんです。そういう作品だからこそ、年配の方から小さな子どもまで楽しんでくれているのかなと。あとは、メインスタッフやレギュラーキャストのチームワーク。その協調性があるからこそ、これだけ長く続けられているんだと思います。

シーズン3の見どころ

―シーズン3はCS初放送になります。

印象に残っているのは、第3話で映し出された奥多摩の夜空。キレイっていうのは前から分かっていたことですけど、その回の星空の映像が本当にすごくて。皆さんにもぜひ見ていただきたい。全体的な見どころでいうと、登場人物の変化や掛け合いに注目してほしいですね。シーズン3から藤井美菜さん演じる和泉玲香という女性刑事が赴任してくるんですけど、奥多摩になかなか馴染めなかった彼女が次第に溶け込んでいく過程が特に面白い。また、ずっと江波とバディを組んできた東大卒のキャリア・軽部(佐藤寛太)が、秘めていた本音を語るシーンはグッとくるものがあると思います。そんな2人が繰り広げるやり取りも面白くて、とにかく見どころ満載です! さらに今回は、シーズン1と2も一挙に放送されるということで、言うなれば『駐在刑事』祭り(笑)。楽しんでご覧ください!

撮影:和田浩 素材提供:ホームドラマチャンネル

Profile

てらじま・すすむ
1963年11月12日生まれ。東京都出身。
1980年代から役者としての活動を本格化させ、1986年の『ア・ホーマンス』(松田優作監督)で映画デビュー。1989年の『その男、凶暴につき』で注目を集め、以降、映画、テレビドラマ、Vシネマなど様々な作品に出演。2005年度には、『交渉人 真下正義』で第29回日本アカデミー賞助演男優賞を受賞した。近年の出演作は、映画『孤狼の血 LEVEL2』『ノイズ』ほか。『駐在刑事』で連ドラ初主演を果たした。

シーズン3はホームドラマチャンネルでCS初放送!

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9月28日(水)スタート 毎週(水・木)27:00~28:00
※再放送あり


寺島進主演の人気シリーズ第3弾!
新たなメンバーも加わり、自然豊かな奥多摩に再び波乱が巻き起こる!?

寺島進が、かつては警視庁捜査一課の敏腕刑事、現在は奥多摩の人々に“駐在さん”として親しまれている江波敦史を演じた人気シリーズの第3弾。奥多摩の魅力的な美しいロケーションを背景に、“人情とユーモア溢れるエピソード”と“謎が謎を呼ぶ殺人事件”を組み合わせた物語が展開していく。(全8話)

出演/寺島進、北村有起哉、笛木優子、佐藤寛太(劇団EXILE)、藤井美菜ほか

シーズン1&2も一挙放送!

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9月18日(日)18:30~27:00 ※途中中断あり

寺島進、連ドラ初主演!
元捜査一課刑事で奥多摩の駐在さん江波敦史の活躍を描く笹本稜平原作の人気シリーズを連ドラ化!江波と因縁深い新奥多摩署長役で黒木瞳が出演!

奥多摩に駐在する警察官・江波 (寺島進)は元警視庁捜査一課の敏腕刑事。取り調べ中の女性が服毒自殺し、左遷されて5年。今や「駐在さん」としてすっかり地域に馴染んでいた。
ある日、水根診療所の医師・松永(松田悟志)から、看護師のゆり子(瀧本美織)が登山中に捻挫したと連絡が入る。翌朝、山岳ガイドの孝夫(鈴之助)と救助に向かった江波は下山途中、土木作業員の中西が胸から血を流して死んでいるのを発見。一方、奥多摩署の新署長に、警視庁捜査二課から綾乃(黒木瞳)が着任。江南と綾乃には何やら因縁があるようで…(全8話)

出演/寺島進、北村有起哉、黒木瞳、佐藤寛太(劇団EXILE)、伊東四朗(特別出演)ほか

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9月19日(月・祝)18:30~27:00 ※途中中断あり

寺島進主演!元捜査一課刑事で奥多摩の駐在さん江波敦史の活躍を描く笹本稜平原作のドラマ第2弾!

寺島進が自然豊かな奥多摩に勤務する駐在さんを演じた連続ドラマの続編。元刑事のキャリアを活かして、巧妙なトリックのアリバイ崩しや怪事件の謎を解き明かし、地元の人々の安全を守る!(全8話)

出演/寺島進、北村有起哉、笛木優子、佐藤寛太(劇団EXILE)、田中美里、市毛良枝ほか

※最新作「駐在刑事スペシャル」今秋、テレビ東京系にて放送予定

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