第92回アカデミー賞®作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』ですが、今回は1998年に製作された同タイトルのアメリカの学園SFホラー『パラサイト』(The Faculty)を紹介します!
映画『パラサイト』(The Faculty)あらすじ
エイリアンが寄生するSFホラー!
アメリカの田舎町にある高校で、じわじわとある異変が広がっていた。一部の先生や生徒の性格がこれまでと別人のように変わってしまったことを不審に感じていたケイシー(イライジャ・ウッド)は校内で謎の生物の死骸を発見し、その恐ろしい理由に気が付いてしまう。それは、学園内の大多数の人間がエイリアンに寄生され、身体を乗っ取られているのではないかという疑惑だ。たまたまその異変に気がついたのは、彼を含めて6人。オタク、不良、チアリーダー、ゴス、アメフトのキャプテン、そして巻き込まれた転校生が、その後姿も見えない侵略者と戦うことになってしまう…。
キャストはブレイク前の大スター!
主演はジョシュ・ハートネット
2019年公開のポン・ジュノ監督による人気の同タイトル映画『パラサイト 半地下の家族』と検索をして、今回紹介するアメリカのSFホラー映画を関連作品として知った人もいるのではないでしょうか?韓国映画『パラサイト』のキャストも豪華な顔ぶれでしたが、アメリカ映画『パラサイト』も負けていません!
謎の侵略者と戦うことになってしまった高校生たちを演じるのは、『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッド、『ブラックホーク・ダウン』の ジョシュ・ハートネットら。イライジャは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の子役で映画デビューし、『パラサイト』の公開時は、同年のSF大作『ディープ・インパクト』で、地球に衝突する巨大彗星の第一発見者となる高校生役で注目を集めていたころでした。ジョシュ・ハートネットはこの作品の3年後、真珠湾攻撃を描いた超大作映画『パール・ハーバー』で大ブレイク。いま見直すと、アメリカの大スターの初々しい姿を観るという新しい楽しみ方ができそうです。
脇を固める先生役も実は豪華
あえなく侵略者の餌食になってしまう先生たちも個性満点。保健室の先生は『フリーダ』で伝説の画家を演じ第75回アカデミー賞®候補になったサルマ・ハエック。生活指導の先生は『007/ゴールデンアイ』で凶暴な悪女を演じたファムケ・ヤンセンだ。そしてグラウンドを支配するアメフトのコーチは、『ターミネーター2』でアーノルド・シュワルツェネッガーと死闘を繰り広げたT-1000型こと、ロバート・パトリック!名前は知らなくても、顔を見ればきっと思い出すことでしょう。
カルト的人気を誇る最高のB級ホラー映画!
息もつけないスリル な展開
この映画でもっとも面白いのは、エイリアンのユニークな侵略スタイルだけでなく、アメリカの高校では日常的な風景となっている、「学園内の身分差別=スクールカースト」の様子が他の国の人が見てもわかりやすく描かれていることです。カーストのトップに位置し、スポーツが得意で人気の男子を指す「ジョック」、彼をサポートするチアリーダーたちを指す「クイーン・ビー(女王蜂)」、スポーツは苦手で、研究や創作など文化的な活動に活路を見出す「ナード(おたく)」、そして手がつけられない「バッド・ボーイ(不良)」などなど。
学園内ではそれぞれまったく異なる居場所にいた6人の生徒たちは、そもそも性格など合うはずがありません。しかし、学園の異変に気がついてしまったというだけで、生き残りを賭けて団結を余儀なくされてしまいます。果たして彼らは上手く協力して侵略の手から逃げ切ることができるでしょうか。最後まで息もつけないスリルあふれる展開!日本だけでなく世界中から高い評価を受けている本作は、ホラーファンをはじめ多くの人に愛されている、おすすめの作品です。
<作品情報>
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ケヴィン・ウィリアムソン
公開:1999年
上映時間:104分
ジャンル:ホラー、SF、学園
出演:イライジャ・ウッド/ジョシュ・ハートネット/ジョーダナブリュースター/ショーン・ハトシー/クレア・デュヴァル/ローラ・ハリス/アッシャー・レイモンド/ロバート・パトリック/ファムケ・ヤンセン/パイパー・ローリー ほか