菅田将暉が個性的な主人公を続投!人気ドラマの劇場版「ミステリと言う勿れ」

累計発行部数1800万部を超える田村由美による人気漫画を原作とし、2022年1月期に放送された連続ドラマ「ミステリと言う勿れ」が映画化。主人公の久能整がマイペースなおしゃべりで、事件の謎とともにいつの間にか登場人物が抱える悩みまでも解決してしまう新感覚ミステリーとなっている。時に優しく時に鋭く心理をつく天然パーマの整を演じた、菅田将暉に作品への思いや魅力を語ってもらった。

大反響となった人気ドラマを映画化

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「会話劇だけでエンターテインメントが成立するってすごい」

反響がいっぱい頂けたおかげで映画化もされて、本当にありがたいです。民放のドラマでこういう戦い方もできるんだなって、肌感覚でも新しい可能性が見えました。派手なシーンもなくて楽しい話でもないドラマだけど、この演劇的な会話劇っていうものがそれだけでエンターテインメントとして成立するなんて、すごいなって。

今は短い単発の動画がウケていて、TikTokは10秒ほどですし、映画も倍速で見られる時代ですよね。腰据えて主人公がただただしゃべるっていうのは、今逆に新鮮なのかもしれませんね。ディープな話とか法律の話もあるのに子供も見てくれてたみたいだし、意外とこういうのもありなんだなと思いました。今回映画化される通称“広島編”は僕が原作で一番好きなエピソードで、セリフでも「子供って、乾く前のセメントみたいなんですって」というものがとても好きなので、言えて良かったです。

印象的なセリフが視聴者の共感を呼ぶ

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「気になるところを突いてくれる気持ち良さがこの作品にはある」

整くんが話すことは女性や子供のことが多いんですよね。そういう印象的なセリフが視聴者の方に共感して頂けてヒットに繋がったんじゃないかと思うんですけど、やっぱり原作者の田村先生の目の付けどころがいいんだろうな、と。気になっていても生きていると忙しないし、やることはたくさんあるからいちいち考えてられなかったりする。

でも、そういう気になるところを突いてくれる気持ち良さがこの作品にはあって、1回立ち止まって、そういえばそうだよねって考えさせてくれるんです。タイミング的にもみんながコロナ禍で動画をよく見るようになって、ひろゆきさんとかいっぱい知識がある方の意見を聞くのが流行りだした時期でもあったし、なおかつジェンダー問題もちょうど日本で注目され始めた頃でいろんな要素がこの作品とピッタリ合ったんだと思います。

絶妙な匙加減が必要な久能整

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「彼は人を傷つけるつもりはないことが伝われば嬉しい」

それと、田村先生が感情のない議論というものを徹底して重要視されていたのですが、感情を抑えたうえでお互いいい方向に進むにはどうしたらいいんだろうって考えるスタンスって確かにすごく大事だなって思います。整くんは感情にのせずに理性的に話すことができるんですよね。そこがちょっとめんどくさく感じさせることもあるんだけど、どこか可愛さを持ち合わせている人だから許されるんじゃないかな。辛辣なことを言ってても語尾は明るく終わるようにとか、柔らかさを意識して演じました。トゲがあることを言ってるんだけど、彼は人を傷つけるつもりはないことが伝われば嬉しいです。

視聴者の予想を裏切っていくミステリーの手法

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「ミステリーって大喜利っぽくて面白い」

整くんは共通点もあって親近感が湧きました。星座は魚座で血液型がA型なところとか。やっぱり整くんと僕は似ているところがあるのか、自分も整くんと同じこと言ってたなって思うことが多かったです。

整くんも好きですけど、ミステリーっていうジャンルも大好きです。今回ももちろん、見応えがあって映画も期待に沿えるはずです。ミステリーって大喜利に近いと思うんですよ。僕はお笑いも大好きなんですけど、お客さんはこいつが犯人かなとか、この後こんなこと起きるんじゃないかなって想像しながら見るじゃないですか。それを作り手は裏切る作業になるわけで、そこがある意味で大喜利みたいだなって感じます。だからミステリーって面白いって思うんです。この作品を観客として見たかったなという気持ちもあります。

MASAKI SUDA
1993年2月21日生まれ。
2009年「仮面ライダーW」で俳優デビューし、『共喰い』(’13)で注目され、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その他の主な出演作はドラマ「3 年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(’19)、映画『糸』(’20)、『花束みたいな恋をした』( ’21)など。現在公開中のジブリ新作映画『君たちはどう生きるか』では声優を務め、待機作には『笑いのカイブツ』(24年1月5日公開予定)がある。音楽アーティストとしても活躍中。

Photo:平野司 Text:入江奈々 Styling:KEITA IZUKA  Hair&Make:AZUMA(M-rep by MONDO artist-group)

©田村由美/小学館 ©2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで犬堂我路(永山瑛太)の知り合いを名乗る女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。彼女に持ち掛けられたバイトをきっかけに、代々遺産を巡る争いで死者さえ出る曰く付きの名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれていく…。
監督:松山博昭
出演:菅田将暉ほか
●2023年9月15日(金)全国ロードショー

(情報は公開時点のものです)

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