トム・クルーズといえば、これまで数多くの作品で主演を務め、世界中に多くのファンをもつ言わずと知れた名俳優。
そんな彼の主演作に『アウトロー(2012)』という映画があります。
イギリスの小説家であるリー・チャイルドの代表作「ジャック・リーチャー・シリーズ」を原作にして2012年に公開された作品で、2016年には続編として『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』も制作されました。
しかし、この『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』を最後にトム・クルーズは同作に出演しないことを、原作者のリー・チャイルドが英BBCのラジオで明かしています。
その理由はなんと、“身長が低すぎた”から。
実は原作に登場するジャック・リーチャーは、身長195センチメートルで100キロ以上の体重をもつ男。一方のトム・クルーズは身長170センチメートルと、ハリウッドスターの中でも小柄な方。
そもそもリーチャーを巨漢にした理由について原作者は、体格の良い男が部屋に入ってきたとき、全員に一瞬緊張が走るからと語っており、原作とはあまりにも違うイメージに、一部の原作ファンからは困惑の声も上がっていました。
結果、トム・クルーズは同作を引退し、主演俳優を変えた新しいドラマを制作することになる(ドラマ化の権利は2019年にAmazonが取得)…と、あまり良い印象がないように思われがちな『アウトロー(2012)』。
ですが、作品を見ずして語ることなかれ。
トムが作り上げたジャック・リーチャー像は、自身のもつカリスマ性を最大限に生かして原作との身長差を補うようなアプローチをしかけ、彼にしかできない魅力あふれるもの。
そのクオリティは、「別の俳優が100%体格が合っていても、リーチャーとしては90%だ。トムの場合は体格が90%でもリーチャーとしては100%だ」 と原作者が太鼓判を押していたほど。
そんなトム・クルーズのカリスマ性が光る『アウトロー(2012)』についてご紹介します。
あらすじ
アメリカ合衆国・ピッツバーグ近郊で、5人の男女が射殺される事件が発生。犯人として逮捕された男は、“ジャック・リーチャーを呼べ”というメモを提示して黙秘。ジャック・リーチャーとは元陸軍の秘密捜査官で、2年前に辞職してから消息は不明だった。途方に暮れる刑事たちだが、突然、本人が姿を現す。法や権力に頼らず、自らの正義にのみ従って生きるリーチャーは、事件を担当する弁護士のヘレンと共に調査に乗り出すのだが…。
トム・クルーズ版ジャック・リーチャーの見どころ
巨漢じゃなくても醸し出される威圧感
法や権力に従わず、自らの正義に従う狂気の執行人、それがジャック・リーチャー。
原作でのリーチャーの体格は止められない強さのメタファーとして描かれていますが、前述のとおり、トム・クルーズはそうした体格の人ではありません。
ですが、そこは数々の映画でさまざまなキャリアを積んできたトム・クルーズ。
表情、セリフ、体の動かし方といった、そのほかの要素をフルに駆使して、トム・クルーズならではのアプローチで挑んでいます。
狂気の執行人というよりも若干良い人に寄っている感じはありますが、その演技力の高さはさすがの一言。
訓練を積んで自らこなした迫真のアクション
もはやトムクルーズの代名詞といっても過言ではないスタントアクション。
『ミッション・インポッシブル』シリーズなどでもおなじみですが、『アウトロー(2012)』でも体を張った迫真のアクションの数々を見せてくれます。
特に注目すべきは格闘アクションとカーチェイス。
リーチャーは元陸軍の秘密捜査官という設定のため、その動きを身につけるために4か月にも及ぶ訓練を積んだとのこと。
また、緊迫感あふれるカーチェイスは、トム・クルーズが自ら運転をこなした必見のシーンです。
[字]2020年6月7日 後4.15~6.30 [再]=16・27 ※スターチャンネル3で[吹]放送あり
※放送スケジュールは公開時点の情報です。