熱狂的なファンも生み出したイタリアン・ホラー『サスペリア（１９７７）』

映画史に燦然と輝く、鬼才ダリオ・アルジェントの出世作となった1977年製作のイタリアン・ホラー『サスペリア（１９７７）』。
見たことはなくてもタイトルだけでも聞いたことがある方は多いのではないかと思うが、熱狂的なファンを生み出しており、カルト・ムービー的な位置づけとしても『サスペリア（１９７７）』は映画ファンに知られている傑作だ。

留学した学校には恐ろしい秘密が隠されていた…

アメリカ人の少女スージーは、ドイツの名門バレエ学校に留学する。
雷雨の中、学校に到着した日、彼女は木立の中に消えていく不気味な女性を目撃する。
後日、その女性が何者かに殺され、学校内では以前から生徒の行方不明が相次いでいるという事実が判明する。
夜になると奇妙な靴音が響き、教師たちは不可思議な行動をとるなど不穏な日々は続き、さらには第二、第三の殺人事件が…。
やがてスージーは、学校に隠された恐ろしい秘密に気づくのだった。

『君の名前で僕を呼んで』の監督のリメイクも

2018年に『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジした同名リメイク作もあるが、そのオリジナルが本作だ。
名門バレエ学校に入学した美少女が連続殺人事件に巻き込まれるさまを描く。
なお、本作の主演を務めた『ファントム・オブ・パラダイス』のジェシカ・ハーパーは、リメイク作にもアンケという別役で出演している。

プログレッシブロックバンド「ゴブリン」の音楽も絶妙

冒頭のショッキングな場面にはじまり、顔に突き刺さるステンドグラスやナイフでのメッタ刺しなど、刺激的なシーンが満載。
趣向が凝らされた殺人シーンが強烈な印象を与えるが、色使いや構図などスタイリッシュでアート作品として見るのも面白い。
また、音楽ではイタリアのプログレッシブロックバンド「ゴブリン」が参加し、作品と彼らの音楽が絶妙に調和している。