『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』(2010年)、『ダンケルク』(2017年)の名匠クリストファー・ノーランが手掛けたSFスパイアクション『TENET テネット』(2020年)。
監督・脚本・製作を務めたノーラン監督は映画公開に際して、「本作は、映画の力で観客の皆様を非日常な旅に連れていく作品です」とコメントを寄せている。
その言葉通り、“時間の逆行”という日常から逸脱した世界を描く本作は、ノーラン作品の中でも最高級の難解さが熱烈なファンを生み出し、ネタバレあり・なし含めて様々な解説が飛び交い話題となった。
概要
ストーリーに散りばめられた“TENET”の意味
これまでノーラン監督は『メメント』(2000年)や『インターステラー』(2014年)など、時間軸の歪みを映像で表現、または物理的現象として作品で描き、感性を揺さぶる不思議な体験を観る者に与えてくれた。
本作では“時間の逆行”をコンセプトに、第三次世界大戦を阻止するために否応なく事件の渦中へと足を踏み入れていく特殊工作員の姿を描いている。
主人公である特殊工作員は、事態の詳細を知らされないまま重大なミッションを遂行しようとするが、この時に人類を救う鍵となるのが“TENET”。
“TENET”とは何なのか、その意味とは―?
我々は作品内に散らばった“TENET”というピースを拾い集めながら、使い方次第でその後の運命を左右してしまうというこのワードが意味するところを探っていくことになる。
あらすじ
TENETに認められたCIA特殊工作員は世界を救うミッションに身を投じる
ウクライナのオペラハウスでテロ事件が発生する。
CIA特殊工作員の“名もなき男”は、任務についていた仲間を助けるため、テロ鎮圧で投入されることになった特殊工作部隊に交じり、大勢の観客が囚われているオペラハウスに突入する。
しかし仲間を助けた直後に敵側に捕えられた“名もなき男”は、拷問の末に自殺を図り、昏睡状態に陥ってしまう…。
次に船上で目覚めた彼は、フェイと名乗る男からTENETのテストにパスしたことを告げられ、世界を救うミッションを命じられるのだった。
見どころ
スタッフ・キャストが一丸となって臨んだ壮大な撮影
CGを避けリアルを重視するノーラン監督は、本作のコンセプトである“時間の逆行”を最大限に描くため、アメリカ・イギリス・エストニア・イタリア・インド・デンマーク・ノルウェーの7か国で撮影を敢行した。
時には全長8kmの高速道路を三週間にわたり封鎖したり、飛行機がビルに衝突するシーンでは、ロサンゼルス国際空港で本物の旅客機を使ったりして迫力満点の映像を撮影。
また、高さ約80メートルものビルで逆バンジージャンプに挑戦するなど、スタッフ・キャストが団結してノーラン監督が思い描く“本物”を実現させている。
主演キャストはジョン・デヴィッド・ワシントン
“名もなき男”を演じたのは、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デヴィッド・ワシントン。
アメリカンフットボールのプロ選手として活躍後に俳優の道へと進んだジョンは、本作の撮影においてはスタントマンを使わず、複雑かつ難易度の高いアクションを自らこなしている。
また、“名もなき男”と共に任務を遂行するエージェント・ニールを、マット・リーヴス監督作「ザ・バットマン」(2022年公開予定)のバットマン役に抜擢されたロバート・パティンソン、そしてロシアの新興財閥で武器商人という裏の顔を持つセイターを『オリエント急行殺人事件』(2017年)で監督・主演を務めたケネス・ブラナーが演じた。
脇を固める大御所キャストにも注目だ。
放送情報
[字]2021年6月19日(土)21:00~23:45
[字]2021年6月22日(火)14:00~16:45
[字]2021年7月3日(土)16:00~18:45
[字]2021年7月13日(火)20:15~23:00
[字]2021年7月22日(木)25:15~28:00
[吹]2021年6月20日(日)21:00~23:45
[吹]2021年6月24日(木)13:00~15:45
[吹]2021年7月10日(土)23:30~26:10
[吹]2021年7月31日(土)21:00~23:40