不穏な雰囲気が漂う『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』|あらすじと見どころ

第70回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』。最初から最後まで不気味で不穏な雰囲気にまとわれた本作のあらすじと見どころをご紹介。

カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督作『万引き家族』

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』あらすじ

家族に突き付けられた悲劇

心臓外科医であるスティーブン(コリン・ファレル)は、妻のアナ(ニコール・キッドマン)、娘のキム(ラフィー・キャシディー)、息子のボブ(サニー・スリッチ)と幸せに暮らしていた。
スティーブンは家族には秘密で、ある一人の少年・マーティン(バリー・コーガン)と会っている。
そんなマーティンを家族に紹介してから、子どもたちが歩けなくなり、食事もできなくなってしまうなど不可解なことが起こり始めてしまう。
原因をつきとめようとするスティーブンに、マーティンはある4つの悲劇とその理由を告げるのだが…。
スティーブンの決断と、家族が迎える結末とは―?

見どころ① :豪華俳優陣の演技

得も言われぬ気味の悪さをバリー・コーガンが怪演!

主役であるコリン・ファレルは、本作の監督=ヨルゴス・ランティモスの前作であり第68回カンヌ国際映画祭審査賞受賞、第89回アカデミー賞脚本賞ノミネート作品『ロブスター』(2015年)にも出演している。
またその妻を演じるのは『ムーラン・ルージュ』(2001年)、『LION ライオン 25年目のただいま』(2016年)などに出演のニコール・キッドマン。
名だたる俳優たちの秀逸な演技が本作の魅力を大きくしているが、その中でも家族を悲劇に陥れる少年を演じたバリー・コーガンの演技が見どころである。
2021年公開のマーベル作品『エターナルズ』で、ヒーローの一人を演じたことが記憶に新しい彼。
この作品では、ある目的を持ちスティーブンを追い詰めていく少年・マーティンを演じた。
一見感じのいい少年であるが、だんだんと違和感と気持ちの悪さを持つ少年という印象しか持てなくなってしまう。
幼さ・うさん臭い大人っぽさ・得体の知れなさを見事に演じたバリー・コーガンに注目だ。

見どころ②:独特なカメラワーク

あの気味の悪さを醸し出したのはカメラワーク

脈打つ心臓のアップという衝撃的な画から始まる本作。
淡々としながらも終始不穏な雰囲気に包まれているのは、俳優たちの演技やセリフ、サウンドトラックに加え、独特なカメラワークの力もあるだろう。
作中では何度もズームインされるシーンが登場する。
ある一角を、ただゆっくりズームしていくという、映画ではなかなか見ない不自然さが、この作品の気味悪さを助長しているのだ。

スティーブンの息子であるボブが病院のエスカレーターから降りた後歩けなくなり倒れるという大事なシーンでは、一連を真上から撮影しているのだが、画としての美しさと共に、この作品の観客であるわたしたちはただ眺め傍観しているという立ち位置になるため、より不気味に感じる。
気味の悪さが淡々と続きながら進んでいく話に加え、このカメラワークがあるからこそ、深く感情移入するというよりはただただおかしい「不気味だ」という気持ちにさせられる。
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、はっきりとした恐怖というよりも、癖になる気味の悪さ、そして頭の片隅でどこかひきつけてくる魅力を持つ作品だ。

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