スパイク・リー監督の初期のミュージカル風学園コメディ『スクール・デイズ』

アフリカ系アメリカ人が抱える問題を描き続けるスパイク・リー監督の出世作といえば『ドゥ・ザ・ライト・シング』。これ以前に手がけたのが『スクール・デイズ』だ。黒人が通う大学を舞台にした、ミュージカルテイストの学園コメディに仕上がっている。

対立する黒人同士を内側からの視点で描く

黒人とひとまとめに考えてしまいがちかもしれないが、黒人社会の中でもまたさらに差別や派閥がある。本作では人種差別に反対するグループと白人に憧れるグループが登場し、対立する構図が描かれる。外側からではなく、スパイク・リー監督らしく黒人社会を内側からの視線で捉えている。

黒人スターたちの若き日の活躍する姿に注目

出演は監督のスパイク・リーのほか、『マトリックス』シリーズや『ジョン・ウィック』シリーズのローレンス・フィッシュバーン。また『スター・ウォーズ』シリーズなどのサミュエル・L・ジャクソンも顔を出す。黒人ハリウッドスターの若き日の活躍する姿に注目して欲しい。

差別反対派と白人礼賛派が対立していたが…

在校生のほとんどが黒人であるアメリカ南部のミッション系大学。ここでは南アフリカの人種隔離政策に反対する運動家のダブが中心となっているグループと、黒人でありながら白人に憧れた言動をするフラタニティが中心となっているグループが対立していた。ある日、ダブの従弟のボーヤがフラタニティのグループに入りたいとダブに相談を持ちかけてくる。