明るいことが、おそろしい…。前代未聞のフェスティバルスリラー『ミッドサマー』

「明るいことが、おそろしい」という従来の恐怖映画の常識を覆す設定で大ヒットを記録したアメリカ・スウェーデン合作の異色スリラー『ミッドサマー』(2019年)。
第92回アカデミー賞のオープニングでは、歌手ジャネール・モネイがこの作品を彷彿とさせる衣装を身にまとって歌う圧倒的なパフォーマンスを披露し、会場を一気に盛り上げた。

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ハリウッドが今最も組みたい監督、アリ・アスター

“完全な悪夢”を描き、全米を凍り付かせた『ヘレディタリー/継承』で衝撃的な長編映画監督デビューを飾ったアリ・アスター監督。
『ルーム』(2015年)、『ムーンライト』(2016年)、『レディ・バード』(2017年)など、アカデミー賞にからむ良作を多数手がける製作会社「A24」が発掘したアスター監督が、前作に続いて同スタジオで手掛けた作品が、前代未聞のフェスティバルスリラー『ミッドサマー』だ。
原題「midsommar」は “夏至祭(ミッドソンマル)”を意味するスウェーデン語。
「夏至祭にアメリカ人が特別なコミューンを訪れる物語」という発想から始まった本作は、スピリチュアルな要素が多分に盛り込まれ、ホラーやコメディ、失恋までも描いたスリリングでエキサイティングな物語に。
白夜でざわめくスウェーデンのコミューンを舞台に、太陽と花々に満ちた祝祭が悪夢へと変化していく未体験の恐怖を堪能して欲しい。

あらすじ

家族を失い悲しみにくれる主人公は“90年に一度の祝祭”を訪れ…

双極性障害を患う妹が両親を道連れに心中を図り、悲しみと孤独で情緒不安定になっていたアメリカ人女子大生のダニーは、別れる寸前の恋人クリスチャンの友人であるスウェーデンから来た交換留学生ペレの故郷で行われる祝祭に招待される。
スウェーデンの奥地でひっそりと暮らす共同体“ボルガ”で90年に一度ひらかれるというその夏至祭で、笑顔を浮かべる住人たちは陽気に歌って踊り、ダニーや大学で民俗学を専攻するクリスチャンほか友人たちは、しばしの楽しい時を過ごす。
しかし、太陽が沈まないその村での生活を続けるうち、ダニーたちの感覚が次第に狂いはじめていく。

ディレクターズカットの2時間50分バージョンも

主人公ダニーに扮したのは、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(2019年)でアカデミー賞(助演女優賞)にノミネートされたフローレンス・ピュー。
また、ダニーの恋人であるクリスチャンをジャック・レイナーが演じているほか、「メイズ・ランナー」シリーズのウィル・ポールターら若手俳優陣が、避けられない運命にからめとられていく若者たちを体現した。
実はこの作品には、上映時間170分のディレクターズカット版も存在する。
劇場公開されたオリジナル版ではカットされた村の儀式や楽曲、登場人物それぞれの関係性について語られる未公開シーンが追加され(映倫区分もR15+からR18+へと変更)、作品への理解がさらに深まる内容となっているので、機会があれば見比べてみるのも一興かもしれない。

ミッドサマー(ディレクターズカット版)はコチラから
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配信情報

映画『ミッドサマー』は、現在U-NEXTほか配信サービスで配信中。
恐怖映画の新たな扉を開いた本作が気になった方は、この機会に鑑賞してみてはいかがだろうか。

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