全米を騒然とさせた実話スキャンダルの全貌をスリリングに描く『スキャンダル（２０１９）』｜ Mcura

第92アカデミー賞3部門（主演女優賞、助演女優賞、メイクアップ＆ヘアスタイリング賞）にノミネートされたジェイ・ローチ監督による『スキャンダル（２０１９）』。
ハリウッドが誇るスタッフ＆キャスト陣が集結し、2016年にアメリカ全土を騒然とさせた実在するセクハラ告発事件を描いている。
予告編ではグラミー賞で5冠に輝いた次世代のポップ・アイコン、ビリー・アイリッシュの楽曲「BAD GUY」が使用され、センセーショナルに作品を彩った。

“Me too運動”の先駆けとなった実在のセクハラ事件

2016年、全米で視聴率NO.1を誇る「FOXニュース」の会長兼CEOであるロジャー・エイルズが、FOXで長年にわたりキャスターを務めてきたグレッチェン・カールソンによってセクハラ被害で提訴された。
当初ロジャーは容疑を全面的に否定していたもののCEOを辞任し、21世紀FOXがグレッチェンに払った和解金は推定2000万ドル（20億円以上）と言われている。
また、この告発を受け、FOXの看板キャスターであったメーガン・ケリーも同様に過去ロジャーからセクハラを受けていたことを告白し、FOXからNBCへと鞍替えする騒動に。
この事件の後、グウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリー、メリル・ストリープら大女優やモデルが敏腕映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインから受けていたセクハラ被害を告発し、“Me too運動”は一大ムーブメントとなっていくのである。

あらすじ

突然解雇されたベテランキャスターはTV業界の帝王を告発し…

「FOXニュース」のアンカーウーマンのメーガンは、共和党の大統領候補の討論会で進行役を務め、候補者の1人であるドナルド・トランプの女性問題や女性蔑視発言にまで切り込みトランプ陣営の不興を買ってしまう。
また、ベテランキャスターのグレッチェンはロジャーからのセクハラに抵抗したことで朝のニュース番組から昼の低視聴率番組へと配置換えさせられていたが、その後も度重なるロジャーからのハラスメントに耐えていた。
一方、グレッチェンの下で働く新人キャスターのケイラ・ポスピシルはメインキャスターの座を狙いロジャーのもとを訪れ、性的な“忠誠心”を見せることを要求されてしまう。
様々な思惑が渦巻く中、突然解雇を言い渡されたグレッチェンはついにロジャーをセクハラで告発するのだった。

ハリウッドが誇る三大女優とアカデミー賞スタッフが集結

実在の人物となる人気キャスターのメーガンをシャーリーズ・セロン、ベテランキャスターのグレッチェンをニコール・キッドマンが扮し、映画オリジナルキャラクターである新人キャスターのケイラをマーゴット・ロビーが演じている。
監督は、『トランボ　ハリウッドに最も嫌われた男』（2015年）のジェイ・ローチ、脚本は『マネー・ショート華麗なる大逆転』で第88回アカデミー賞（脚色賞）を受賞したチャールズ・ランドルフ。
そして、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』（2017年）で日本人初のアカデミー賞（メイクアップ＆ヘアスタイリング賞）を受賞したカズ・ヒロ（辻一弘）が三大女優の特殊メイクアップを担当し、第92回アカデミー賞でもメイクアップ＆ヘアスタイリング賞を受賞した。