三島由紀夫原作の『金閣寺』は“滅びの美学”が息づく屈折の人間ドラマ!
Ⓒ東宝

ノーベル文学賞の候補にもなった日本が世界に誇る文豪・三島由紀夫の傑作小説を原作に、高林陽一監督が実写化した『金閣寺』(1976年)。
かつてアート系映画の製作・配給会社として、日本の映画界に多大な影響を与えた日本アート・シアター・ギルド(ATG)が放つ本作は、三島由紀夫の耽美かつ“滅びの美学”ともいうべき虚無感が全編を彩る屈折の人間ドラマだ。
折しも2020年は、早すぎる死を選んだこの孤高の天才の没後50年。
この機会にミシマ文学の魅力が詰まった映像作品を堪能してみてはいかがだろう。

実在する事件をベースにつむがれた三島由紀夫の最高傑作

19歳の時に「花さがりの森」を出版し、以降は「仮面の告白」や「潮騒」、「春の雪」、「豊饒の海」など、数々の小説や戯曲を発表してきた三島由紀夫。
戦後日本文学の最高傑作の1つとの呼び声も高い小説「金閣寺」は、1950年に実際に起こった「金閣寺放火事件」をベースに、金閣寺の美しさに魅せられた青年が堕ちていく様を描く。
本作以外にも1958年に市川崑監督によって『炎上』のタイトルで映画化されているので、観比べてみるのも一興かもしれない。

主人公は美の象徴として憧れていた“金閣寺”を憎み始める

幼い頃より吃音に悩まされてきた溝口(篠田三郎)は、僧侶である父親から金閣寺が最も美しいと聞かされて育ち、いつしか“金閣寺”を美の象徴として憧れの念を抱くようになっていた。
父の亡き後、金閣寺の徒弟となった溝口は老師の勧めで大学へと進み、美青年の柏木(横光勝彦)という友を得る。
この柏木の悪い誘い乗った溝口は女性たちと関係を持とうとするが、行為に至る際に決まって脳裏に金閣寺の幻影が浮かんで失敗。
自分を不能にさせる原因である金閣寺に憎悪を募らせる溝口は、次第に「金閣寺を焼かねばならぬ」という想念に囚われるようになる。

美術・西岡善信による金閣寺が炎上する圧巻のシーン

本作の美術を担当した西岡善信は、大島渚監督作『御法度』(1999年)や吉永小百合主演作『千年の恋 ひかる源氏物語』(2001年)、西田敏行主演作『火天の城』(2009年)などにも参加し、雅かつドラマティックな世界を構築する美術装飾のスペシャリストだ。
高林監督の前作『本陣殺人事件』(1975年)でもタッグを組み、作家・横溝正史の「金田一耕助」シリーズが持つ華やかで重厚な世界を実現させたが、続く本作においても炎上する金閣寺を圧倒的な迫力で再現。
セットとして組まれた金閣寺を業火が包み、大量の金箔が空に舞う圧巻の映像に魅せられる。

衛星劇場

2020年11月16日(月)10:00~12:00
2020年11月25日(水)10:30~12:30

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