巨匠スピルバーグがアメリカの黒歴史を告発した歴史巨編

スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『ウエスト・サイド・ストーリー』が2020年12月にいよいよ公開。
今回は『インディ・ジョーンズ』シリーズのようなエンタメから、『ペンタゴン・ペーパーズ／最高機密文書』などの社会派ドラマ、『BFG：ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』などのSF作品までヒット作を多数持つスピルバーグ作品から、アメリカの黒歴史に迫った『アミスタッド』の魅力を紹介する。

白人による黒人の大量拉致事件＝奴隷制度

奴隷制度が横行していたかつてのアメリカを舞台に、彼らを救おうとアメリカ法制度に疑問を投げかけた元大統領、ジョン・クインシー・アダムズの闘いを描く歴史劇。今では信じられないが、論争の焦点は「黒人は人間か？」というもの。近年問題となっている「Black Lives Matter」とも重なり、アメリカの持つもうひとつの側面をまざまざと見せつけられるかのようだ。

イントロデュース＆ストーリー

アメリカにたどり着いたスペイン船の黒人奴隷たちの処遇をめぐり、その所有権争いをするアメリカ人たちと、奴隷解放派の織り成すドラマを描いた、スティーヴン・スピルバーグによる歴史巨編。
時は19世紀。アフリカの大地に生まれたシンケは、白人に拉致され、奴隷としてアミスタッド号で植民地に送られることに。船での待遇は人を人と思わないもので、仲間の奴隷たちに死者が出たが、シンケは鎖を逃れることに成功。仲間とともに叛乱を企て、白人たちに報復する。自由の身に戻れたと思ったのも束の間、アミスタッド号はアメリカに着いてしまい、彼らは海賊として白人殺害の罪で投獄されてしまうのだが…。

アカデミー賞俳優たちが豪華共演

『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞助演男優賞を獲得したモーガン・フリーマン、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンス、そして『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーなど、名優が多数出演。
緊迫感ある法廷でのシーンを中心に、黒人たちが自由を手にしたその後までが描かれる。