さまざまな“愛”の在りかたを考えさせられる衝撃作

■“話題の一冊”では、小説やコミックを映像化した作品の放送情報を紹介。ドラマや映画を見てから原作を読んで、より詳細な心理描写や物語の背景を楽しんでもよし、先に原作を読んで、思い描いた世界が目の前に広がるのを楽しんでもよし。自分好みに物語を2度味わえる作品たちはこちら！■

「人間の本能的なグロテスクさと繊細さを晒したうえで、健全化させようとする物語」。映画『ファーストラヴ』について感じたことを短く表すと、こうなった。見る人の属性によって場面は異なるだろうが、きっとどこかに胸をえぐられる部分があり、問題と向き合って苦悶しながら乗り越えていくいずれかの登場人物の姿に、浄化を感じるのではないかと思う。被害者目線で描かれている場面は、もしかしたら客観的にはそこまで醜悪な状況ではなかったかもしれない。しかし全ての人が「傷つく人がいるのだ」と自覚する必要があるし、客観的に捉えられる状態にある大人が、そのような事態を発生させない社会を作らなければいけない。
…と、硬い書き方をしてしまう深い物語。殺人事件の真相は？女性たちに共通する過去とは？などミステリーとしての謎解きの楽しさもあるこの映画は、WOWOWシネマにて2022年6月12日に放送！

闇にも救いにもなり得る“家族”を浮き彫りにした小説

『ナラタージュ』『Red』など他にも映画化された作品を持ち、主に若い女性の心情を繊細に、赤裸々に描き出すことに長けた島本理生の長編小説。2018年に第159回直木賞を受賞。本作では、臨床心理士が殺人事件の容疑者と向き合って事件の真相に迫るミステリーの形式と、裁判シーンという新たなモチーフに挑戦したと著者自身が語っている。複雑な心の問題を扱っている作品だけに、原作を読めばより深く細かい部分まで理解できるに違いない。

女子大生が起こした父親刺殺事件の真相は？

ベストセラーミステリー小説を、『十二人の死にたい子どもたち』『TRICK』シリーズ『SPEC』シリーズなどテレビ・映画でスタイリッシュなサスペンス作品を生み出してきた堤幸彦が監督を務め、北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、木村佳乃などの豪華キャストで映画化。心の闇を鮮烈に描きながら、観たあとには浄化された光が残る爽やかさのある作品。さらにUruによる主題歌・挿入歌が、物語の繊細なテーマにそっと寄り添い、作品が放つメッセージを見る者の心に染み入らせる。

父親を刺殺したとして、女子大生・聖山環菜（芳根京子）が逮捕された。彼女は就職面接の帰りに父親の勤務先である美術大学に立ち寄り、父親を刺殺したのだ。「動機はそちらで見つけてください」という警察への挑戦的発言、アナウンサー志望という環菜の美貌も相まって、事件は世間の注目を浴びていた。事件を取材する公認心理師の真壁由紀（北川景子）は、夫の弟であり環菜の弁護士である庵野迦葉（中村倫也）とともに事件の真相を探る。そこから浮上する環菜の過去とは？なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか？ そして由紀と迦葉は、自身のトラウマとも向き合うことになる。

関連作品：北川景子が変化する女子高生の心情を演じる

人気ケータイ小説家Ｙｏｓｈｉによる同名小説を映画化。友情を描いた感動作。

誰もがうらやむルックスを持ち、取り巻きと夜遊びを繰り返す女子高生・リナ（北川景子）。周囲からもてはやされ自由奔放に生きる彼女にとって、友達とは利用するだけのものだった。しかし突然、ガンに侵されていることが判明し、生活も、“友達”たちとの関係も一変する。そんな彼女の元を訪れたのは、小学校からの同級生で、リナが冷たくあしらってきたマキ（本仮屋ユイカ）だった…。

関連作品：北川景子がお嬢様刑事になって事件を解決！

櫻井翔と北川景子が共演した人気ＴＶドラマの劇場版。毒舌の執事とお嬢様刑事というおなじみのコンビが、豪華客船で起きる連続殺人事件に挑む。

休暇を楽しもうとシンガポール行き豪華客船へ乗り込んだ令嬢・宝生麗子（北川景子）と執事・影山（櫻井翔）。久々の休みに心を躍らせる麗子だったが、それも束の間、船から奇妙な遺体が海に落とされる。アート作品の警備のため乗船していた麗子の上司・風祭警部（椎名桔平）も現れて迷推理（！）を見せる。容疑者は乗客・乗員3,000人全員。船がシンガポールに到着するまであと5日。そんな状況下で、麗子と影山は事件を解決できるのか!?