トップアイドル、そしてミュージカル女優として多忙な毎日を送る生田絵梨花。彼女の最新出演映画が、大ヒットドラマの劇場版第3弾『コンフィデンスマンJP 英雄編』(2022年1月14日公開)だ。長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が扮する信用詐欺師による奇想天外なコン(=詐欺)ゲームを描く痛快エンタテインメント。生田は本作で元マフィア(城田優)の内縁の妻である魔性の女・畠山麗奈を演じている。新境地となった麗奈役を振り返ると共に、2021年で乃木坂46を卒業する彼女に今の心境を語ってもらった。
人気シリーズに飛び込む勇気
「麗奈として『皆さんの中に飛び込め~』という感じで行きました」
本当に大きくて有名な作品なので、最初の本読みの時まではガチガチに緊張していました。でも監督から私の役柄は魔性の女で、「海外で生活して、いろんな大人に囲まれながらも堂々としているのが麗奈だから、それと同じように元気に堂々としているのが入り口の一つだ」とおっしゃっていただいたので、そこがまず自分の一番の軸となりましたね。なので私も麗奈として「 皆さんの中に飛び込め~」という感じで行かせていただきましたし、皆さんもものすごくウェルカムな雰囲気を作って受け入れてくださったので、そこはすごく助けられました。
城田優との共演
「一緒に打ち合わせながら作っていけたので、そのおかげで麗奈ができた」
城田さんとは実はこの作品が初共演だったんですが、数年前から歌番組でコラボさせていただいて信頼関係が築かれていたので安心感がありましたし、すごく色々な事を相談しました。例えば「魔性の女って何だ?」 というところから入ってるんですよ(笑)。グループでは比較的おとなしいイメージですし、今回は夫婦がイケイケに見えるのが大事なので、台本には書かれていない登場の仕方とか、リアクションをする時にボディタッチが多めとか、そういったことも一緒に打ち合わせながら作っていけたので、そのおかげで麗奈ができたなあと思っています。
魔性の女を演じた影響?
「演じる前と後で『変わったね』と言われることも増えるぐらい、影響がありました」
あと、今回、ベリーダンスに初挑戦しているんです! 使われているのは多分10秒もなかったと思うんですけれど、 がっつり5分ぐらい実は踊っていて( 笑)。ちゃんと先生もつけていただきましたが、準備期間が一週間しかなかったので練習は大変でした。でも麗奈の色気とかセクシーさをそのベリーダンスの要素からも取り入れられた感じがして、それは自分的にも大きな収穫でしたね。それと栃木弁も難しくて苦労しましたが、何回も音を聞きながら練習しました。
今回麗奈を演じて良かったのは、自分自身の発見があったこと。人と話すのに少し時間がかかるタイプだと思っていたんですが、役が終わってからも積極的に参加できるように。周囲からも演じる前と後で「変わったね」と言われることも増えて、それぐらい影響がありましたね。
ミュージカルへの思い
「いつか『レ・ミゼラブル』のファンテーヌ役を演じてみたい」
いままで出演させていただいた舞台はどちらかというと歴史があり、すでに役のイメージが定着しているものが多かったですが、今後は日本初演やオリジナルなどの新作や、ポップな作品に参加したいですね。以前出演したミュージカル「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」は、コロナ禍前ということもあり、現在では難しい客席参加型の演出だったのでとても印象に残っています。作品自体は華やかで楽しそうな雰囲気でしたが、私の役はいろいろと抱えていたので……。そういうドラマティックな演目も好きなのですが、明るくてハッピーなコメディにも興味があります。とにかく歌や踊りを観てみんなが楽しい気持ちになって帰ってほしいんです!(笑)
2021年はミュージカル「レ・ミゼラブル」では、新たにエポニーヌ役に挑戦させていただきました。ずっと自分の中ではエポニーヌという役は大きなひとつの目標でした。なので次回公演もチャンスがあれば、もう一度挑戦できたら嬉しいです。また「レ・ミゼラブル」で知念里奈さんが演じられたように、いつかファンテーヌ役を演じてみたいと思っています。母性が芽生えて役にぴったりな時期になったら目指したい密かな目標になりました。
2022年の予定
「何を面白がってもらえるのかというのを探しながら見つけていく1年にしたい」
2022年の予定ですが、今回グループを離れて初めて映画にも出演させて頂きましたし、今後は映像のお仕事もできたらいいなと思っています。
やっぱり卒業は本当に大きい変化なので、一人になった時に自分は何をやりたいのか、何を皆さんから面白がってもらえるのかというのを探しながら見つけていく1年にしたいです。
ERIKA IKUTA
1997年1月22日生まれ
独・デュッセルドルフ出身。11年に乃木坂46第1期生オーディションに合格。アイドル活動のほかミュージカル「ロミオ&ジュリエット」「レ・ミゼラブル」などの舞台に立つ。2021年12月14日に「乃木坂46卒業記念メモリアルブック」が発売され、2021年12月31日をもって乃木坂46を卒業予定。2022年は5~7月にミュージカル「四月は君の嘘」に出演。
Photo:塚原孝顕 Text:足立美由紀 Styling:鬼束香奈子 Hair&Make:スズキユウジ、吉田真佐美
当代随一の腕を持つコンフィデンスマン(=信用詐欺師)に受け継がれる称号〈ツチノコ〉をかけ、お馴染みの3人が真剣勝負することに。舞台は世界遺産の都市・マルタ島。元マフィアが所有する幻の古代ギリシャ彫刻を狙うが、警察やインターポールの捜査の手が迫っていて…。
監督:田中亮
出演:長澤まさみ、東出昌大、小日向文世ほか
●2022年1月14日(金)全国ロードショー
(情報は記事公開時点の内容です)