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容姿端麗で仕事もデキるエリートホテルマンと、不器用だけど裏表のないカフェ店員の“秘密の恋”を描いた恋愛ドラマ『ラブファントム』。完璧彼氏との甘い時間や、キュンとくるキスシーンでも話題を呼んだこの作品が、いよいよホームドラマチャンネルに登場! 仕事とプライベートで別の姿を見せる二面性が魅力の主人公・長谷慧を演じた桐山漣に、キャラクター作りのポイントや、知られざる撮影秘話、さらには俳優という仕事にかける思いを語ってもらった。
「ラブファントム」や役柄について
―累計420万部を超える少女漫画の映像化。ストレートなラブストーリーである一方、女性のあこがれを具現化したようなファンタジー要素もある作品ですが、最初に脚本を読まれたときは、どんな感想を持ちましたか?
性格的に自分とは似てるところは少ないですし、仕事ができるエリートという設定もあったので、キャラクター性に説得力を持たせるにはどうしたらいいかを、まず考えました。ホテルマンとしての身のこなしや作法・心得については、自分なりに色々と勉強する必要がありました。といっても、実際に見に行くことができない時期でしたので、あくまで“自習”のような形だったのですが、今は検索すると、初心者に優しい動画やSNSがいろいろヒットしますから(笑)。お辞儀の角度をはじめ、細かいこともピックアップして、拾えるところはしっかり拾って、役に反映させています。見てくださる方は、とても素直で正直だと思うから、説得力がないと途端に作品から離れていってしまう。主演を務める以上は、特にそこに気を付けなきゃいけないという思いがありました。それと、キスシーンがすごく多い作品だなと(笑)。1話の脚本を読んで、結構あるな…という印象だったのですが、2話でもたくさんあるし、3話にもあって。ああ、毎回あるのか、と(笑)。今の時代、なかなかないことなので、いい意味で攻めたドラマだなと思いました。
―物語は、ホテルの展望台で物思いにふけっていた長谷が、カフェで働く百々子(小西桜子)と出会うシーンからスタート。2人はそのまま引き寄せ合うようにキスを交わす…という幕開けですが、長谷が初対面の百々子に惹かれた理由を、桐山さんはどう想像しますか?
ホテルの展望台は、長谷にとって唯一、力が抜けるというか、憩いの場所になっていると思うんです。夜の景色を眺めている時だけは、自分らしくフラットになれる。それを見た百々子は、長谷が飛び降りようとしていると勘違いするのですが、ただ心を休めていただけの長谷は、おおいに戸惑ったはず。ただ、そういう純粋すぎるがゆえの天然さというか、まっすぐすぎる捉え方に、ピュアだった亡き母の面影が重なった。それが、突然目の前に現れた百々子の存在に、興味を引かれる入口になったのかなと思います。
“大人の男”を演じるうえで意識していたこと
―長谷は、大人の男の余裕や、自然と醸し出される色気が魅力のキャラクター。演じる上では、どんなことを意識されていたのでしょう。
年齢設定は38歳だったので、まずは自分が“40歳前後の大人の男”と思い込むところから始めました(笑)。ただ、長谷という人物は、完璧すぎるがゆえに「怪人」と呼ばれていたり、現実離れした行動やせりふが少なくなかったりで、ともすればキャラクター的になってしまう。それは絶対に避けたいなと。どんなにファンタジー的要素が含まれていたとしても、一人の人間であることを、僕自身が意識して演じなければ、お芝居として成立しなくなってしまう。人間としての長谷を、どう具現化していくかが、僕にとって大きな課題でした。特に意識したのは、仕事モードとオフタイムの切り替え。エリートホテルマンという設定なので、タワマンとかに住んでいそうなイメージですが、実際に暮らしているのは、母との思い出が詰まった古民家。そういう場所に好んで住んでいる奥ゆかしさというか、人間としての深みみたいなものが、自然と出るように心掛けました。
撮影で印象に残っていること
―毎回必ず描かれる、長谷と百々子の熱烈なキスシーンも話題に。ラブシーンの撮影で、印象に残っていることを教えてください。
クランクイン初日か2日目くらいだったと思うのですが、ホテルの展望台のシーンを撮影していた日、(百々子役の)小西さんが、夜休憩で晩ご飯を食べていないことに気づきまして。まだインして間もない時期で、会話らしい会話もできていなかったから、理由は聞けなかったのですが、それからも食べない日が続いていたので、大丈夫かなとひそかに思っていたんです。それからしばらくして、ようやく普通に話すようになってから、キスシーンがあることに緊張して食べられなかったということが分かって。すごくキュートな方だなと。僕は毎回、普通に食べていましたから(笑)。でも、撮影が進んで、自然と打ち解けていくうちに、食べてくれるようになったので、安心しました(笑)。
―そのほか、撮影の裏話があればお願いします。
長谷は、母との思い出の古民家に住んでいるのですが、ロケ地である“長谷邸”の空調に問題がありまして。昼に夜のシーンを撮る場合、外の光が室内に入ってはいけないので、部屋全体をおおう暗幕が登場するんですね。もともと備え付けの冷房がないため、室内は完全にサウナ状態。季節は真夏でしたし、ロケ地の山梨県は盆地ということもあって、本当に暑くて。しかも長谷は、キャラ的にいつも涼しげな顔でいないといけませんから。氷のうを首とか脇とか、リンパの流れるところに当てて、一時的に暑さをしのぎながら、みんなで乗り切りました。僕自身、レトロなものが結構好きで、古民家にも惹かれるものがあるのですが、もし実際に住むとしたら冷房はマストです(笑)。
“俳優”という仕事との向き合い方
―今年に入って、レギュラー出演した連ドラだけでもすでに6本。デビュー以来、引きも切らず出演作が続いていますが、桐山さんご自身は、俳優という仕事とどんなスタンスで向き合っているのでしょう。
役者の場合、「この役をやりたい」とか、「この作品に出たい」ということが、なかなかできませんから、自分発信で仕事をさせていただくことはほとんどない。自分を選んでいただいて、初めて成立する仕事です。なので、選びたいと思ってもらえる何かを、しっかり現場に残して去りたいという思いがあります。例えば、「また一緒に仕事がしたいな」とか、「クールそうに見えて、意外と明るい人だったね」とか、そういうものを残すってことでもいいと思うんです。お芝居に関しては、選んでくださった方が想定していたものより、さらに上をいきたい。期待を超えていきたいということは、常に意識しています。
昨今のコロナ禍で今、思うこと
―昨今のコロナ禍にあって、エンタメ界も大きな影響を受けています。その中で今、思うことは?
いろいろな制限がある世の中で、映像作品の撮影においても、自由に表現できない部分が出てきているのを感じます。ただ、これまでひとつの道筋しかなかったものに、別のルートを見出すことができるのだとしたら、そこは新しいエンタメの形として、届けていく必要があるのかなと思います。ひるまずに挑戦を続けていく。それくらいの気持ちで臨まないと、人々がドラマや映画というコンテンツから、どんどん遠ざかってしまうと思うんです。僕ら俳優は、台本という決められたフォーマットがある中で、そこにどんな色づけをして、作品としての面白さをいかに高められるかが勝負の仕事。2020年からのコロナ禍で、改めてそういうことを認識させられました。だからこそ貪欲に、自分が今できることを探っていきたいと思います。
きりやま・れん
1985年2月2日生まれ。神奈川県出身。
デビュー以来、数々のドラマ、映画、舞台で活躍。2021年だけでも、『青きヴァンパイアの悩み』(TOKYO MX1)で主演を務めたのをはじめ、『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(YTV)、『ひとりで飲めるもん。』(WOWOW)、『いいね!光源氏くん し~ずん2』(NHK総合)、『白い濁流』(NHK-BS)にレギュラー出演。シリアスからコメディーまで、多彩な役どころを演じ分け、高い評価を受けている。
テキスト:海老原誠二 撮影:和田浩 素材提供:ホームドラマチャンネル
スタイリスト:吉田ナオキ ヘアメイク:江夏智也(do:t)
衣装協力: Iroquois、AUI NITE
ホームドラマチャンネルでCS初放送!
12月16日(木)スタート 毎週(水・木)27:00~28:00(2話連続)
※12月30日休 ※再放送あり
累計420万部を突破した大人気コミックをドラマ化!
“完璧”クールなエリートホテルマンと“癒し系”ピュアなホテルカフェ店員とのキスから始まる“秘密の恋”を描いたラブストーリー。
桐山漣演じるクールな美魔男が、誰よりも仕事ができて隙のない、そして彼女には激甘な大人の男性を演じる。ヒロインを新星 小西桜子が、ヒロインに片想いする青年を「ドラゴン桜」などの細田佳央太が演じる。
ホテルカフェ店員の平沢百々子は、ある夜ホテルの空中展望台で見知らぬ男と出会う。吸い寄せられるようにキスを繰り返すふたり。恋愛経験ゼロのはずなのに、その男を何度も求めてしまう百々子。ほどなくして彼が同じホテル勤務の“完璧”すぎるほどのエリートホテルマン長谷慧だと知る。その夜のキスが忘れられない百々子だったが、何もなかったようにクールで冷たい態度の長谷に戸惑う百々子。あのキスは夢か、幻だったのか──。
大人の男との極上に甘く刺激的な恋が、今、始まる──。
出演/桐山漣、小西桜子、佐藤めぐみ、久保田悠来、細田佳央太ほか