過激な暴力描写が世界に衝撃を与え、クエンティン・タランティーノ、イーライ・ロスほか名だたる監督たちから熱視線を送られる三池崇史監督。
浅野忠信主演作『殺し屋1』(2001年)や日本発の西部劇『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(2007年)はとりわけ人気が高く、近年では窪田正孝主演作『初恋』(2019年)も世界で絶賛されている。
バイオレンスからコメディまで多彩な三池作品だが、その中でもホラーは高く評価されているジャンルの1つ。
そこで今回紹介するのは、途中退場者を続出させたという『AUDITION オーディション』(2000年)に並び高評価となっている柴咲コウが主演した『着信アリ』(2004年)だ。
ハリウッドリメイクもされた秋元康原作の大ヒットホラー
音楽プロデューサーで作詞家の秋山康によるサイコホラー小説「着信アリ」。
携帯電話を媒介に死が伝搬されていく恐怖をテーマとするこの小説は、これまでコミック、ドラマ、映画とメディアミックスに展開。 映画では、本作の大ヒットを受けて監督・塚本連平×主演・ミムラ『着信アリ2』(2005年)、監督・麻生学×主演・堀北真希『着信アリFinal』(2006年)と2本のシリーズ作品が製作されたほか、三池版は『ワン・ミス・コール』(2008年)としてハリウッドリメイクもされている。
あらすじ
携帯電話が死を伝搬することを確信した主人公は事件を調べることを決意し…
女子大生の由美(柴咲コウ)は、大学の友人・陽子(永田杏奈)の携帯電話に届いた奇妙な着信の留守電メッセージを聞き、不安感に襲われる。
その3日後、陽子は線路へと飛び込み、続いて友人のケンジ(井田篤)、由美の親友・なつみ(吹石一恵)も凄惨な死を遂げる。
いずれも携帯電話に本人からの着信を受けていること、着信履歴の日時に留守電と同じセリフを言って亡くなっていること、そして次のターゲットとなる着信先は携帯電話に登録されている電話番号から選ばれていることを確信した由美は、同様の現象で妹を亡くした山下弘(堤真一)とともに事件を調べ始める。
柴咲コウが主題歌「いくつかの空」で透明感のある歌声を披露!
由美を演じた柴咲コウは実力派女優として活躍する一方、音楽アーティストとしての顔も持つ。
深作欣二監督作『バトル・ロワイアル』(2000年)で注目され、行定勲監督作『GO』(2001年)で数々の演技賞を受賞した柴咲は、2002年にシングル「Trust my feelings」で歌手デビュー。
その後も草彅剛・竹内結子主演作『黄泉がえり』(2002年)の主題歌「月のしずく」、ドラマ「Dr.コトー診療所」の挿入歌「思い出だけではつらすぎる」、ドラマ「ストロベリーナイト」主題歌「EUPHORIA」、花王「アジエンス」CMソングなど、映画・ドラマ・CMと幅広く楽曲を提供。
映画初主演作となった本作では主題歌「いくつかの空」を手掛け、透明感のある歌声を披露している。
放送情報
2021年1月28日(木)20:00~22:00
2021年2月14日(日)25:30~27:30