シンプルなタイトルにシンプルな演出。それにもかかわらずラストまで緊張感を持続させ、ドキドキハラハラしながら果たして彼らは成功するのかを見守ってしまう。実際にあった事件をもとに穴を開けて脱獄しようとする囚人たちを描く『穴(1960)』。モノクロの作品だが、半世紀以上経っても色褪せない名作だ。
実際にあった事件をもとに描いた脱獄映画の金字塔
『現金に手を出すな』のフランスの名匠・ジャック・ベッケル監督の遺作となった脱獄映画の金字塔。実際にあった事件をもとに実行犯のひとりであるジョゼ・ジョバンニが描いた小説を映画化し、ジョバンニは脚本としても参加。衝撃のクライマックスは映画史上に残る鳥肌もののシーンだ。
脱獄を決意した彼らのもとに新たな男が加わる
パリのラ・サンテ刑務所。獄房の1室には最年長のリーダー格のボスラン、脱獄のプロのロラン、無愛想なマニュ、そして女たらしのジョーという4人の個性豊かな男たちがいた。彼らは脱獄を決意し、綿密な計画を立てる。そんなとき、彼らのもとにガスパールという男が入ってくる。
さらに緊張感を盛り上げる“音”
獄房にいる男たちが脱獄するためにとった手段はタイトルにもなっている“穴”。彼らは必死で穴を掘っていく。モノクロームのスクリーンで緊迫感をさらに盛り上げるのは鳴り響く音だ。さまざまな音が印象的に用いられ、手に汗握る緊張感を生み出している。
穴(1960)
[字]2020年6月14日 18:45~21:00
[字]2020年6月23日 20:45~23:00