2019年公開の三谷幸喜監督の映画監督作品8作目。2006年公開の『THE有頂天ホテル』の後から企画を温めていた構想13年となるオリジナルストーリーです。 「もしも自分がある日突然総理大臣になったら?」 というのはよくありそうなストーリーですが、今作は「すさまじく国民から嫌われている総理大臣が記憶喪失になって善良で純朴な普通のおじさん総理大臣になったら?」。 THE・三谷作品!な抱腹絶倒の政界コメディをご紹介します。
あらすじ
傍若無人な振る舞いで史上最低の支持率2.3%を叩き出した総理大臣の黒田啓介(中井貴一)。ある日、一般市民の投げた石が頭に当たって記憶喪失に。お金に汚くて権力志向の悪徳政治家から一変!一夜にして善良で純朴な普通のおじさんになってしまった。混乱を避けるため、記憶喪失は直近の秘書官3名にのみ知らされることに。国民はもちろん、大臣や家族にさえ記憶を失ったことは秘密。秘書官に助けられながら、なんとか日々の公務をこなしていくが…。
こんなストーリー、今まで記憶にございません!
他の大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、自分の息子の名前すら分からない。プロ並みのレベルだったゴルフも、ペラペラだった英語もできない。フリーライターにゆすられ、愛人にホテルで迫られるも記憶がない…。
今度の主人公は”記憶喪失の総理大臣”。 現代を舞台としたシチュエーションコメディに豪華俳優陣の演技がかけ合わさって、『ラヂオの時間』『THE有頂天ホテル』『ステキな金縛り』の流れを組んだまさに三谷コメディの真骨頂!これまで日本中にたくさんの笑いと感動を届けてきた三谷監督だからこそ生み出せる物語になっています。
オールスターキャストが魅せる笑いの競演
黒田総理を演じるのは三谷作品に多数出演している中井貴一。ふり幅の大きい役柄を何役もこなしてきた彼だからこそ、今回も見事に成り切っています。総理を支える秘書官のひとりにはディーン・フジオカ。コメディのイメージがない彼ですが、三谷監督が「似合うとずっと思っていた」というだけある!新たな一面が垣間見えます。
他にも石田ゆり子や佐藤浩市らをはじめとする実力派から、お笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平やミュージシャン・ROLLYら異色キャストまで集結。豪華俳優陣が一挙に見れるのも三谷作品ならではの楽しみではないでしょうか。
捨て身で挑む自らの夢と理想とは?
記憶を失ったひとりの男が他国の首脳に政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民を巻き込んで突き進む。果たしてその先に待っていたものとは。その結末はぜひご自身の目でご確認ください。わたしもチーズ12倍のピザ食べたいなあ…。