音楽の魅力を映画を通して伝えたい――そんな思いで始めた、元レコ屋の店員が音楽関連の映画を好き勝手にレビューしていくコーナー。今回は2004年公開の『スクール・オブ・ロック』をご紹介。ハマり役とはまさにこのこと! ジャック・ブラックの魅力が最大限引き出された傑作。洋楽好きは小ネタに思わずニヤリとしてしまうこと間違いなし!
『スクール・オブ・ロック』とは?
今回は、まず映画の内容から紹介。
【あらすじ】
自分勝手な振る舞いで所属バンドを追放されてしまったデューイ・フィン(ジャック・ブラック)は、心からロックを愛するバンドマン。彼は、同居している親友のネッド・シュニーブリー(マイク・ホワイト)に舞い込んだ名門私立小学校の臨時教師の仕事を勝手に引き受け、ネッドになりすまして教師として赴任することに。ふと目にした音楽の授業で、子どもたちの音楽の才能を発見した彼は、子どもたちと一緒にバンドコンテストに出場しようと考え、ロックの授業を勝手に始める。果たして無事にバンドコンテストに出場することはできるのか・・・?
親友ネッドになりすまして簡単に教師として潜入できてしまう感じ、現実にはありえないからこそ面白い。そしてこのデューイを教師として採用した厳格な校長・ロザリー・マリンズも後々判明するのですが、いいキャラしているんです。まあ、内容だけ紹介したら普通のコメディなんですが、今作の凄まじいというかウケた最大の要因は、デューイ役のジャック・ブラック。
ゴールデングローブ賞も獲得している彼の演技は、ハマり役なんて言葉を超越するレベルでドハマり役なんです。それもそのはず。なんでも親友ネッド役のマイク・ホワイトが、実際にジャック・ブラックの親友でもあり、彼がジャック・ブラックのために書いた脚本がこの『スクール・オブ・ロック』だということらしい。いや大いに納得。何しろ、演じているというか、ジャック・ブラックそのものな感じがするんです。
ジャック・ブラックとはいったい・・・?
そこで、ジャック・ブラックのプロフィールを簡単にご紹介。
1969年8月28日、アメリカ・カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。現在53歳。1992年に公開されたティム・ロビンスの初監督作品『ボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄』で映画デビュー。きわどいジョークやパフォーマンスを武器に、コメディー俳優としてキャリアを積んでいく。その後、2000年公開の『ハイ・フィデリティ』のオタク青年役でブレイクし、2001年公開の『愛しのローズマリー』で映画初出演。この『スクール・オブ・ロック』で演じた役がハマり役となり、全米で初登場1位を記録する大ヒットを記録した。最近では『カンフー・パンダ』の声優や、2023年4月28日公開予定の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』にクッパ役で声優を務めているとのこと。
今回のコラムと全く関係ないですけど、これも声がめちゃくちゃハマっていそうなので、ティザー予告貼っておきます。気になりますよね。
そして、今回の『スクール・オブ・ロック』にも結び付く経歴としては、1994年に俳優のカイル・ガスと共にコメディ・バンド、Tenacious Dを結成し活動しているということ。このバンドでは彼らの自由気ままなロックを聴くことができます。
最新の彼らの映像はこちら。どうやらオリジナルのバーを発売したらしいです。
そうです。彼らは面白いおじさん2人組です。
『スクール・オブ・ロック』を見たあと、この映像を見ればわかると思うのですが、ジャック・ブラック、20年前とやってることは良い意味であまり変わってないです!ファンとしては嬉しい限り。ずっとこんな感じでバカやっててほしいです。
デューイ=ジャック・ブラック!?
もちろん、ただの面白いおじさんってだけではなく、現実世界でも、映画同様にロックを心から愛する人物なんです。そしてそのキャラクターそのままなのがデューイ・フィンです。
デューイは、生徒たちへの宿題として、ブロンディ、ピンク・フロイド、イエス、ラッシュ、ジミ・ヘンドリックスなど往年の有名なロックバンドのCDを聴くように手渡す。まあこの時点でちょっと笑ってしまうんですが、さらにデューイが楽器演奏を生徒たちに教えるシーンでは、ロックバンドらしさを生徒に押し売りしていて、これが笑わずにいられない!好き放題やりすぎ・・・!
そして、だいたいどのコラムでも触れられていますが、一番の見せ場はもちろん最後のバンドコンテストで演奏するシーン。これは本当に演奏しているらしく、見ごたえがあるのと、このオリジナル曲がまたかっこいい・・・。結局一番楽しんでいるのはデューイだし、何よりそれがいい。こんな先生がいたら学校がどんなに楽しいだろう!って思わせてくれる。
何度観ても元気もらえる作品です。それでは。
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