先日4月1日に公開となった映画『モービウス』。マーベルコミックではスパイダーマンの敵として登場したマイケル・モービウスを主役に、新たなヴィランの誕生を描いたアクション映画だ。そんな『モービウス』だが、アイアンマンなどのMCU(マーベルシネマティックユニバース)ではなく、「SPUMC」というシリーズに位置づけられる。今後ますます広がる「SPUMC」について紹介していく。
SPUMCって何の略?
答えはソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター
『アベンジャーズ』シリーズのおかげもあって、MCU=マーベルシネマティックユニバースは聞いたことがある人も多いとは思うが、「そもそもSPUMCとは何ぞや?」という人が多いのではないだろうか。
答えは見出しの通りだが、「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター」の略で、ざっくり言ってしまえばソニー版のMCUみたいなもの。
ソニーは『アメイジングスパイダーマン』を皮切りに、スパイダーマン関連のキャラクターに焦点をあてたシリーズを製作しようとしていたのだが、アメスパが興行的に失敗したことを受けて、その計画を破棄。
その後、ソニーはマーベルと協力して、スパイダーマン映画をMCUに組み込むことを発表した。
その一方で、2018年の映画『ヴェノム』でMCUから独立した新たなユニバースを立ち上げ、続編となる『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』、そして今回の『モービウス』と展開している。
ちなみに今後の作品としては、2023年公開予定の『クレイヴン・ザ・ハンター』がある。
こうした「スパイダーマン」関連キャラクターを中心に、MCUとは違う路線でソニーが展開していくアメコミ映画シリーズのことを「SPUMC」と呼んでいるのだ。
なお、トム・ホランド主演の『スパイダーマン:ホームカミング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』はMCUなのでお間違えなく。
MCUとの絡みは?
マルチバースとして関係する二つのユニバース
MCUとSPUMCの違いは何となく分かっていただけたと思うが、お互いに全く関係性がないのかと言うとそうではない。
事実、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のラストで主人公のエディ・ブロックが『ファー・フロム・ホーム』後のMCU世界に飛ばされたり、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ではソニー・ピクチャーズ製作の『スパイダーマン』シリーズのキャラクターが登場したように、二つのユニバースはマルチバースとして関係している。
今後気になるのは、SPUMCの世界にトム・ホランド演じるスパイダーマンが登場するのかどうかだが、それはまだ未定。
マーベルスタジオ社長のケヴィン・ファイギは、マーベルとソニーが新たなスパイダーマン関連の契約を交わした際に「スパイダーマンは複数のユニバースを行き来する」と言及していた一方で、2021年のインタビューでソニーのヴェノムがMCUに参加できるか聞かれた際、「噂や憶測について話したくありませんが、マーベルに20年在籍している立場として、私はそのような噂を完全に排除しません。」として、名言を避けている状態だ。
とはいえ、前述のクロスオーバーや、『モービウス』のラストであの人物が登場したことなどを踏まえると、期待に胸を躍らせるほかない。
ますます広がるSPUMCの世界に乞うご期待
複数の作品が開発中との噂
今後のSPUMC作品としては、前述の『クレイヴン・ザ・ハンター』が決まっているが、それ以外にも複数の作品が開発中であるとの報道がある。
直近でいうと、2022年2月にダコタ・ジョンソンを『マダム・ウェブ』のマダム・ウェブ役として交渉中との報道があった。
『マダム・ウェブ』はソニー初のマーベル映画として、監督にS・J・クラークソンが採用されたとも報じられている。
その他にも、2018年ごろにはスパイク・リーを監督にした『ナイトウォッチ』の製作が報じられていたり(現在は頓挫?)、2020年には脚本家が公表されたことで『ジャックポット』の映画化計画が明らかとなった。
また、2018年の『ヴェノム』の成功を受けて、2013年~2015年ごろに報じられていた『シニスター・シックス』(スパイダーマンのヴィラン6人が集合したチーム)の計画が生きているという報道もある。
どれもまだ正式発表のためではないため今後の動向をチェックしていくほかないが、どうやら今後もSPUMCの世界が広がっていくことには期待がもてそうだ。
アメコミ映画が好きな人は、MCUとともに、ぜひSPUMCにも注目していてほしい。