『パラサイト 半地下の家族』をはじめ、日本市場でも成長が目覚ましい韓国映画。近年ではサブスクでの配信により、さまざまな作品が手軽に見られるようになったが、それでもまだまだ隠れた名作は多い。そんな中、日本未公開の韓国映画がBSスターチャンネルで12月に特集放送される。なんと配信にもない“隠れた名作中の名作”をこの機会にお見逃しなく!
特集:マストで観るべき本邦初公開韓国映画
[字]2022年12月12日(月)~12月16日(金)11:00頃~ 5日連続放送(全5作品)
『男の本性』
『イカゲーム』で出世したあの俳優も出演!
Netflixの韓国ドラマ『イカゲーム』で半グレのリーダーを演じていたコワモテ俳優のホ・ソンテ。
そんな彼が、女に飢えた冴えない男を演じる人間生態観察コメディ。
本作は前後半に分けられていて、ホ・ソンテは前半の主人公・中華料理店の店主役を務める。後半は小説家が主人公。
前後編ともに、モテない男が酒の席で見せる赤っ恥っぷりが、ホン・サンス監督作品に似たオフビートなタッチで描かれる。
登場する街の飲食店や韓国料理、韓国焼酎を見ていると、韓国の日常に溶け込んだ気分にもなれる一作。
[前編]
韓国式中華料理屋店主・テフンは、女に飢えた冴えない男。
ある日、美容院で美人美容師の体に肘が少々当たったことで色めき立ち、夢中になってしまう。
彼女を誘って何人かで飲み会をすることになり、そこまでは良かったのだが…。
[後編]
汚部屋でAVばかりを見ている売れない作家・ムンシクは、地方滞在中の先輩作家がそこの文学少女と関係を持ち、同棲中との噂を耳にする。
その文学少女は奔放な性格とも聞いたムンシクは、妙な期待を胸に先輩に会いに行く。
■放送日時
[字]2022年12月4日(日)21:00~22:45/[字]12月9日(金)13:00~14:45/[字]12月15日(木)11:15~13:00
監督:イ・シウ
出演:ホ・ソンテ、ソル・ジェグン
制作年:2016年
『秋の郵便局』
いまだ最前線を走り続けるBoAの主演作
ゼロ年代に日本で大ブレイクを果たし、最近では韓国のスーパーガールズユニット「GOT the beat」でも活動。
2022年は日本デビュー20周年アルバム&ライブと、今も最前線を走り続けるBoAが、2017年に主演を務めた恋愛映画。
綺麗に撮影されたハンドメイド女子の美貌と秋の田舎町の風景、映画内を流れるスロー&メローな時…が、予想だにしない結末に!
共演は、Netflixドラマ『マイネーム: 偽りと復讐』のイ・ハクジュ。
図工が趣味の夢見がちアラサー女性・スリョンは、全住民が同姓同本(遠い親戚)という田舎町の郵便局員。
生まれ育ったその町で、亡き父の思い出を胸にスローライフをしている。
だが最近、年下男子のジュンから海外移住して結婚しようと迫られていた!
彼とは10年前に告白され「10年後に結婚してあげる」と冗談で言ってしまい、そのあと交際したこともある間柄…。
あれから10年経ったので結婚しようとしつこく迫ってくるのだが、韓国の田舎では同姓同本同士の結婚はタブーなのだ!
■放送日時
[字]2022年12月16日(金)11:15~13:00/[字]12月28日(水)9:15~11:00
監督:イム・ワンテ
出演:BoA、イ・ハクジュ
制作年:2017年
『治外法権』
イム・チャンジョン×チェ・ダニエルのバディムービー
第1次韓流ブーム期に数々のコメディで主演を務めたイム・チャンジョン。
2022年は歌手として新曲でカムバックし、女子アイドルグループもプロデュースと大活躍だった。
一方、第2次韓流ブーム期に日本でもブレイクし、日本の人気ドラマ『重版出来!』の韓国版リメイク『今日のウェブトゥーン』への出演など、2022年も活躍し続けるチェ・ダニエル。
そんな第1次と第2次の韓流ブームで話題となった2人が、映画『共謀者』に続いてタッグを組んだ明るいバディ・ムービーが本作『治外法権』だ。
大学キャンパスで言葉巧みに勧誘をし、経済的に破滅させられた家庭は後を絶たないと言われる韓国カルト教会。
謎の失踪事件も続発しているが、教会関連財団が政界に食い込み、権力者と癒着して守られているため、検察・警察は手出しできないでいた。
米国政界にも影響力を持つ教団総裁の首を獲るには、「毒を以て毒を制す」作戦しかない。
警察上層部は、1人は暴行、もう1人はSEX依存症で数度の停職経験がある問題刑事にコンビを組ませ、教団に突っ込ませることを決めたのだった。
■放送日時
[字]2022年12月13日(火)11:00~13:00/[字]12月21日(水)9:00~11:00
監督:シン・ドンヨプ
出演:イム・チャンジョン、チェ・ダニエル、チャン・グァン、イ・ギョンヨン
制作年:2015年
『パンチ・レディ』
『ミス・ワイフ』のカン・ヒョジン監督デビュー作
良作ホームコメディ『ミス・ワイフ』のカン・ヒョジン監督のデビュー作。
『ミス・ワイフ』でも魅せた娯楽映画のテクニックを駆使し、本作では「DV」という深刻な社会問題を告発する。
序盤の直視をためらうほどの凄まじいDV描写から、中盤のコメディ満点のトレーニングシーン、終盤の息が詰まる試合まで、巧みなテンポで描き切った。
主人公の娘役で出演する、故ソルリのアイドルグループ・f(x)デビュー前の初々しい姿も見ることができる。
主婦・ハウンは、夫から長年DVを受けてきた。
夫はプロ格闘家で娘にも暴力をふるうような男だったが、ある出来事でついに堪忍袋の緒が切れたハウンは、夫の勝利会見に乱入して自分が対戦者になると挑戦状を叩きつける。
至急トレーニングを始めようとジムを探すが全て断られ、やっと入門させてくれたジムは実は潰れていた始末…。
そんなある日、改装予定の保育所の下見に来ていた貧乏経営者が、ハウンが提示した高報酬に目が眩み、格闘技素人のくせに特訓を引き受けてしまい…。
■放送日時
[字]2022年12月2日(金)13:00~15:15/[字]12月14日(水)10:45~13:00/[字]12月26日(月)26:00~28:15
監督:カン・ヒョジン
出演:ト・ジウォン、ソン・ヒョンジュ、パク・サンウク、ソルリ、キム・ビョンチョル
制作年:2007年
『花の手』
「ソウル老人映画祭」オープニング作品にもなったインディーズ映画
チュンサ国際映画祭の芸術映画特別賞を受賞し、ソウル老人映画祭ではオープニングを飾った『花の手』。
舞台は、韓国南部ナメ郡という島の海街。
スタッフが2ヶ月のロケハンで探し出してきたその田舎町で流れる優しい時間は、韓国の人気ドラマ『海街チャチャチャ』『私たちのブルース』を彷彿とさせる。
日本では劇場公開や放送、配信・ソフト化などがされづらい規模のインディーズ作品でもあるが、映画祭でしか出会えないような作品だからこそ感じられる、素敵な空間がそこにはある。
高齢化が進む限界集落の韓国南部ナメ島の村。
ここで生まれて中国に移住した老女が亡くなり、中国人の孫とその友人の案内役韓国人が、海に散骨するため村を訪れる。
写真を手がかりに祖母の生まれた家を探していると、地元の老人に次々につかまり、「飯を食っていけ」と食べきれないほど歓待される。
そして、電球交換から野良仕事まで当然のように手伝わされるうち、彼らはそれぞれの事情を背負った老人たちと打ち解けていくのだった。
■放送日時
[字]2022年12月12日(月)11:30~13:00/[字]12月22日(木)27:15~28:45
監督:クォン・スンジュン
出演:ソン・スク、キム・イアン、チョン・ムソン、ハン・インス
制作年:2018年
(情報は記事公開時点のものです)