沢田研二の魅力が詰まった傑作『太陽を盗んだ男』
『太陽を盗んだ男』©1979 東宝/フィルムリンク・インターナショナル

 俳優・歌手として現在も第一線で活躍しているジュリーこと沢田研二の主演作のなかで、公開から40年を経てもなお熱狂的な支持を集めている主演作があります。1979年公開の映画『太陽を盗んだ男』がそうです。ジュリーが演じたあまりにも破天荒な役柄についてご紹介をいたしましょう。

「太陽」とはいったい何のこと?

 この映画で沢田研二が演じるのは、中学校の理科教師・城戸。生徒たちにバカにされ、冴えない毎日をおくっていた彼の人生は、「太陽」を盗むことによって一変します。その「太陽」とはなにかというと、「原子爆弾」。ある夜、原子力発電所に忍び込んだ城戸は核燃料を盗み出すことに成功。それを自宅に持ち帰り、なんと手作りで原子爆弾を作ってしまったのでした。

日本の運命がたった1人の男の手に

 本来は戦争のための兵器である原爆を個人で所有することになってしまった城戸は、国会議事堂に核燃料のかけらを仕込んだ爆弾を置き、お遊びではないことを示したうえで、日本政府を脅迫。あまりにもメチャクチャな要求を伝えます。

おふざけか?それとも本気か?
前代未聞の要求

 城戸が政府に出した要求はなんと「TVはプロ野球を試合の最後まで中継しろ」というもの。現在のようにケーブルテレビがなかった時代は、野球の中継が試合終了を待たずに終わってしまうことも珍しくありませんでした。交渉の相手として対応にあたったのは警視庁の敏腕警部・山下(菅原文太)。実はある事件ですでに接点があったこの2人の運命は、これからどうなっていくのでしょうか……?

日本映画の枠を超えた破天荒な設定

 この時期の日本映画では新幹線に爆弾を仕掛ける『新幹線大爆破』(1975年)、タンカーをシージャックする『東京湾炎上』(1975年)などテロリズムを描いた映画が作られ始めていましたが、この映画のように原爆を扱った作品は前代未聞。犯人役の沢田研二と、それを追う警部役の菅原文太の演技のテンションの高さもあって、アクション映画としても、パニック映画としても異常な緊張感に包まれた映画になりました。

衛星劇場

太陽を盗んだ男
7日 10.00~12.30

※衛星劇場では「リクエストスペシャル~もっと、ジュリー~」と題して、出演する映画やドラマ、バラエティ番組などを特集放送中
その他のラインナップはこちら→https://www.eigeki.com/special/julie

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