生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じる感動作『彼らが本気で編むときは、』

2020年9月25日公開の『ミッドナイトスワン』では草彅剛がトランスジェンダーの凪沙役を演じて話題となっているが、こちらは生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じている『彼らが本気で編むときは、』。LGBT問題についてはもちろん、家族について、親というものとは、といろいろと考えさせられる感動ドラマだ。

叔父の恋人リンコが家庭の温もりを与えてくれて…

小学5年生の少女・トモは母・ヒロミと2人暮らし。ネグレクト気味のヒロミはある日、男を追って家を出ていってしまう。独りになったトモが叔父のマキオを訪ねると、マキオは恋人のトランスジェンダーの女性・リンコと一緒に暮らしていた。最初は戸惑うトモだったが、リンコはヒロミが与えてくれなかった家庭の温もりと愛情をトモに伝え、トモは少しずつ心を開き、3人は擬似家族を形成していく。

リンコは外見も内面も凛として美しい女性

生田斗真扮するリンコはナチュラルメイクの美しい女性で、立ち居振る舞いもとてもしとやかで綺麗だ。料理上手で母性を感じさせるほど慈愛に満ちていて、日々感じるどうしようもない想いは編み物に込めて吐き出している。外見的な美しさも具えているが、それだけでなく内面的にも非常に綺麗な凛として美しい女性である。そのことがこの物語に説得力を与えている。

実在する親子の新聞記事に着想を得て製作

監督は『かもめ食堂』などの荻上直子。性自認について悩む子どもの母親が我が子のためにニセのおっぱいを作ったことを綴った実在する親子に関する新聞記事を読んで着想を得た荻上監督が本作を製作したのだとか。劇中でリンコの母は田中美佐子が演じ、母親の揺るぎない強い愛情を感じさせる。

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