天海祐希やももいろクローバーZとの共演が話題となった『最高の人生の見つけ方』(2019年)、次回作『いのちの停車場』(2021年公開予定)など、日本を代表する女優として現在も活躍中の吉永小百合。その根強い人気の原点となった昭和30年代の作品群がAmazonプライム・ビデオなどのサービスで配信中(2020年11月現在)。ここから4作品を厳選して紹介する。
『青い山脈』(1963年)
過去に原節子の主演でも映画化されていた石坂洋次郎の名作青春文学をリメイク。古い慣習が残る城下町を舞台に、さわやかな学園ドラマが展開する。吉永小百合と浜田光夫との主演コンビは大きな人気を博し、共演作は40作以上にも及んだ。
『キューポラのある街』(1962年)
『青い山脈』と並んで吉永小百合と浜田光夫コンビの傑作とされる社会派の一作。中学3年生の少女の暮らしを通して、貧困や人種差別といった社会問題を浮き彫りにした日本映画史的にも重要な作品。
『いつでも夢を』(1963年)
前年の1962年(昭和37年)に橋幸夫と吉永小百合のデュエットで大ヒットし、日本レコード大賞にも輝いた名曲を主題歌にした歌謡映画。橋幸夫が俳優としても出演し、あこがれの人である吉永小百合をめぐって、浜田光夫と恋のライバルになる。
『赤い蕾と白い花』(1962年)
こちらも石坂洋次郎原作の青春映画。高校3年生という多感な時期に巻き起こる様々な騒動を、若者らしい軽妙なやり取りを交えて描く。物語のテンポの速さは現在のドラマにも通じるもので、再評価が待たれる吉永小百合・浜田光夫コンビの隠れた傑作。