今回ご紹介する作品は２月１８日よりNetflixで配信中の『ワン・オブ・アス: 誰かが嘘をついている』。早速、シーズン１（全８話）を見終わったったのでネタバレなしで見どころをお届け。ミステリー×「ブレックファスト・クラブ」のようなストーリーの行方はいかに…。
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【あらすじ】アプリ「うわさの全て」から始まるのは疑心暗鬼必須のミステリー
居残りをくらった５人！しかし１人が死亡…
イェール大入学を狙うブロンウィン、真面目とは縁遠いネイト、野球一筋のクーパー、彼氏大好きのアディ、そして市長の息子サイモンの５人は新学期初日から居残りが決定。不満気な５人だったがそんな中、水を飲んでいたサイモンがアレルギー反応を起こして倒れてしまう。「僕のエピペン（アナフィラキシーショックを防ぐための補助治療剤）を…」と苦しむサイモンを見たほかの４人は、ペンを探したり救命措置を施したりしたが事態はさらに悪化。救急車到着後、彼は病院へと搬送されたが突然のことでショックを受ける４人。その後、サイモンはアレルギー反応で死亡したとの連絡が学校に届くのだった…。警察から事情聴取を受けることになった４人は、それぞれ質問をされ、訳が分からないまま数日が経ったころとある動きが。学校で流行っているアプリ「うわさの全て」（AboutTHAT）に１通の更新が入ったのだ。それは隠れてサイモンが皆の知られざる一面や秘密を暴露していたアプリ。彼の死後、更新はないと思われていたアプリにはこう記されていた。「ニュースを見て思いついた…」という内容から始まるサイモンを殺害したという自白文。はじめは不慮の事故に居合わせただけの４人だったが、この投稿を受けて状況は激変。居残りをしたブロンウィン、ネイト、クーパー、アディの４人に殺害の容疑がかけられてしまう。殺害なんかしていないと供述する４人だったが、“更新はないはず”のアプリが次々にそれぞれの秘密を暴露。学校生活も友人関係も変わってしまった４人は、アプリを更新している人間を探すために手を組むことに。ブロンウィン、ネイト、クーパー、アディの４人のうち誰かが犯人なのか、それとも黒幕がいるのか？疑心暗鬼になる４人を待ち受けている真実とは……。
ミステリー×「ブレックファスト・クラブ」！？
誰を信じていいのか分からない展開が面白い
1986年に公開された青春映画「ブレックファスト・クラブ」。シンプル・マインズの「Don’t You (Forget About Me)」などの音楽の存在もあいまって、言わずと知れた名作です。さまざまな作品に影響を与えていますが、やはり印象的なのは、性格がそれぞれ違う５人のやりとりでしょうか。
本作『ワン・オブ・アス: 誰かが嘘をついている』を簡単に説明するならば、SNS時代を背景にした青春映画にミステリーの要素を足した作品。勉強が出来るブロンウィン、不良のネイト、スポーツマンのクーパー、姫的立ち位置のアディ、そして陰気なサイモン。ただし、サイモンは序盤に退場してしまいますが…。
この手の青春映画作品でミステリー要素じゃなくてアドベンチャー要素を入れれば「ジュマンジ」シリーズ（ジェイク・カスダン監督版）、アカペラの要素を入れれば「ピッチパーフェクト」シリーズになったり。ベースは同じでも加える要素を変えるだけでここまで方向性が変わるのも面白いですよね。
【レビュー】SNSが普及している今の学生時代って大変そう… ※ネタバレなし
見えているものが必ずしも正しいとは限らない恐怖
最近の作品はストーリー内で別作品のことだったり有名なシーンがオマージュで出てきたりと、作品とは別に謎解きの要素があったりして良いですよね。本作もそんな感じで、ちょくちょく出てくるので探してみるのも面白いです。
さて、本題です。SNSが普及したことで友人や家族と連絡が取りやすくなったり、有名人ですら身近に感じられるようになったことは良い面ですが、その分リスクも上昇していますよね。
確証のない記事や信じられない内容のものでもフォロワーの数や発言者によっては、嘘でもそれが真実になってしまう。そんな現代の怖い一面が本作の根底にあるかと思います。あの子が言ってた、あいつはこういう奴。あまり知らない人が言ったことでさえ正当化されてしまうって結構怖いことだと思います。SNS時代＝失敗が許されない時代というのも怖いですね。ちょっと間違ったことを発信したり、言い回しが良くなければこれでもかと叩かれる。しかも見ず知らずの人間にです。表現の自由が大切なことは分かりますが、それに対する反応の方法も自由なのは考え物です（つまり最低限のマナーはないと危ないということですね。例えば、アーティストのライブに参加した→この曲嫌いだから歌わないで。なんてことが当たり前になったら、表現の自由なんてあってないようなものですしね。）。
長々と書いてきましたが、本作の舞台となる時代は現代です。こんなにも間接的な恐怖で溢れた時代を舞台に、見ず知らずの人が、それも名前も顔も出さないアプリの投稿をきっかけに、物語が良くも悪くも展開していきます。しかも、ただでさえ進路や友人関係で大変な高校を舞台に。実際に「当事者になったら…」と考えると、八方ふさがりの感覚に絶望です…。
SNS時代の良い面も悪い面も表現した本作。気になりすぎて「ヤバぁ」ってところでシーズン１は終わってしまいますが、シーズン２の続報を楽しみにしつつ気長に待つとします。青春映画ものって、なんで年齢を重ねても面白いんだろうなぁ。
また、良い作品がありましたらご紹介しますね！それでは。
Netflixにて独占配信中
（情報は記事公開時点の内容です）
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