秋の夜長にピッタリ!泣いて笑って感動するヒューマンドラマ

あっという間に日が短くなってきた今日この頃ですが、今回ご紹介する映画は『Our Friend/アワー・フレンド』という実話もの。快活な妻と真面目な夫、そして優しい友人の3人が織りなすドラマに注目です。

きたる秋の夜長に観て欲しい!『Our Friend/アワー・フレンド』とは

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全米で話題になった傑作エッセイが映画化

 本作のベースとなる原作「The Friend: Love Is Not a Big Enough Word」は、マシュー・ティーグ(マット)が自身の経験を綴ったエッセイで、2015 年に「Esquire」誌に掲載されて話題に。原作がさまざまな人に注目されたエッセイなだけに監督は相当なプレッシャーのなかで本作を撮影していったかと思いますが、ガンという内容を踏まえつつも始終お涙頂戴な展開ではなく、自然に楽しめるヒューマンドラマもの。ただ、物語の舞台となる年代が回想シーンごとに変わるので、よそ見していると物語の流れがつかめなくなってしまうため、映画館で鑑賞する際は飲み物の大量摂取は避けた方が良さそうです^^(トイレに行っている間に展開を見過ごすと、物語についていけなくなっちゃうかも?)。

【あらすじ】妻がある日ガンに……その時夫は、そして友人は、仲良し3人の行方は?

 妻のニコルと日々を過ごしていたジャーナリストのマットは、不器用だけど真面目な男性。反対に快活な妻のニコルは人当たりがよく、友人がいっぱいいる女性。そんなニコルがマットに「友人を作らないと」と紹介したのは、彼女を亭主持ちと知らずに誘ってきたことがあるデインという優しい男性だった。はじめはバチバチとしていた男性陣もデインの面白さをきっかけにすっかり意気投合し、3人は家族ぐるみの付き合いに発展。その後、マットは2人の娘にも恵まれ、人生が順風満帆に進んでいたある日のこと、妻のニコルが末期ガンの宣告を受けてしまう。幸せな日々は一転、少しずつ妻の看病と子育ての重圧がのしかかっていくマットに手を差し伸べたのは、友人のデイン。3人は一緒に闘病生活を始めるが、マットとニコル、そしてデインのそれぞれにさまざまな想いがあり……。

物語の主人公たち!快活な妻と真面目な夫、そして優しい友人を演じるのは

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ジャーナリストで真面目な夫のマットを演じているのはケイシー・アフレック(上写真左)

 一番分かりやすいところで言うと、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞🄬主演男優賞を受賞した俳優(筆者的には『インターステラー』での登場が印象的でした)。本作ではちょっと不器用だけれど遠出していても妻を裏切らず、仕事も頑張る夫マットを好演しています。後述する友人のデインがちょくちょく混ぜてくるジョークで2人が笑いあうシーンでは、本当に仲が良いんだなと思えるほど自然な雰囲気が漂ってるので要チェックです。
 少し脱線しますが、「不器用な男性像」はさまざまな映画で多く描かれていますが、実際は何事もそつなくこなすしっかりとした男性と、真面目だけど不器用な男性だと、どちらの方が良いんですかね? 前者だと浮気やらなんやらで裏切るイメージがあり、後者だと浮気をされているイメージ。ちょうどその間が良いんだとは思いますが…それが難しいんですよね~。

マットの妻で快活なニコルを演じているのはダコタ・ジョンソン!(上写真右)

 最近で言うとルカ・グァダニーノ監督版の『サスペリア』の印象が強いですが、一番分かりやすいのは「フィフティ・シェイズ」シリーズでしょうか。ホラーもロマンスものもこなす俳優ですが、本作では明るい女性のニコルを好演。回想シーンごとに元気だったころや闘病中のころとで髪型も顔色も表情のひとつから細かに変わるニコルですが、ダコタ・ジョンソンが見事に演じているので注目です。

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ちょっと優柔不断?けれど優しいデインを演じているのはジェイソン・シーゲル(上写真右)

 本作で初めて知った俳優でしたが、ちょっとしたファンになりそうなくらい優しすぎるデインを好演していて、彼の出演作品をちょっと見てみようかと思います。さて、彼が演じているデインはあと一歩が踏み出せない優柔不断なところがありますが、人知れず夢があり、面白い一面があり、何よりも超がつくほど優しい男性。気難しい一面もあるマットとすぐに意気投合したのも納得で、彼の娘たちとのやりとりを見た時は声に出して笑いました(笑)。
 けれど、そんな優しいデインにも辛い過去があったりで、ニコルとマット、マットとデイン、ニコルとデイン、そしてマットとニコルとデイン、それぞれの組み合わせで面白いシーンがありますので、鑑賞の際はトイレに行かずイッキ見推奨です。

【レビュー】喜怒哀楽がしっかりとした、くどくないさっぱり味の映画

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結婚、出会い、喧嘩、浮気、病気……主人公3人たちの人生の一部始終に注目

 一番初めに言った通り、これからさらに日が短くなってくる秋の夜長にピッタリな作品。とくに「映画を見終わった後に暗い気持ちになりたくない」という人にもおすすめできます。デインのジョーク交じりのトーク、家族の太陽のような明るさのニコル、そして知れっとカッコいいセリフを恥ずかしがらずに伝えられる真面目なマット。見どころはたくさんありますが、個人的に嬉しいのが「笑って泣けるさっぱりとした映画」だと言うところと、映画の醍醐味である「もうひとつの人生を体験できる」という2点ははずせません。実際に自分ならどうするか、こんな時自分ならどういう言葉をかけられるか、どこまでやれるんだろうなど、考えながら見るのもおすすめです。

予告編はコチラから

Our Friend/アワー・フレンド

10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座 ほか 全国ロードショー
配給:STAR CHANNEL MOVIES

監督:ガブリエラ・カウパースウェイト
原題:Our Friend
脚本:ブラッド・イングルスビー
(『ファーナス/訣別の朝』『シングルマザー ブリジットを探して』)
原作:マシュー・ティーグ
(「The Friend: Love Is Not a Big Enough Word」)
出演:ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲル、チェリー・ジョーンズ、グウェンドリン・クリスティー ほか

© BBP Friend, LLC – 2020

(情報は記事公開時点の内容です)

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