アメリカ政治史において最も謎に包まれた“副大統領”に迫る!『バイス』

11月3日も目前に迫り、いよいよ終盤へと突入しているアメリカ大統領選挙。
日本でも連日、ニュース番組などでその様子が取り上げられており、“史上最低のアメリカ大統領選挙”と評する人も。
いずれにしても、歴史に名を残す戦いになりそうだが、そんなアメリカ政治史において、最も謎に包まれた“副大統領”をご存知でしょうか?
その名は、ディック・チェイニー。
第46代アメリカ副大統領として、時のジョージ・W・ブッシュ政権を、影で支配していたのが彼だといわれています。
今回は、そんなディック・チェイニーに迫った社会派エンターテインメント映画『バイス』をご紹介します。

あらすじ

1963年、大学の授業にもろくに出ない酔っ払いの大学生だったディック・チェイニー(クリスチャン・ベイル)は、イェール大学を退学になり、故郷のワイオミング州で電気工として働き始めた。
だが、酒癖の悪さは直らず、警察の世話になった彼を引き取った恋人のリン(エイミー・アダムス)から罵声を浴びせられてしまう。
そんなリンを二度と失望させないため、ワシントンD.C.で連邦議会のインターンシップに参加したチェイニーは、共和党の下院議員ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)と運命的な出会いを果たす。
ラムズフェルドのもとで働き始め、権力に身をささげることを決意したチェイニーは、野望への道を歩み始めたのだった。

“アメリカ史上最強で最凶の副大統領”の素顔とは

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件において、当時大統領だったジョージ・W・ブッシュ大統領を差し置いて危機対応にあたり、あのイラク戦争へと導いた男。
彼の名は、第46代アメリカ副大統領ディック・チェイニー。映画『バイス』は、ワイオミングの電気工だったチェイニーが、いかにしてホワイトハウスの権力を掌握するまでに至ったかを描いた作品です。
監督は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などで知られるアダム・マッケイ。
コメディ映画を手掛けることが多い彼ですが、『バイス』においても、アダム・マッケイ監督らしいブラックユーモアが飛び出します。

主演は役作りの鬼ことクリスチャン・ベイル

ディック・チェイニーを演じるのは、『ダークナイト』や『アメリカン・ハッスル』でおなじみのクリスチャン・ベイル。
演技の幅が広いのはもちろん、徹底した役作りで体形も激変させることで有名な彼は、『バイス』でもその徹底ぶりを披露。
半世紀にわたるチェイニーの軌跡を体現するため、20キロの増量と約5時間の特殊メイクを施して撮影に挑み、見事ゴールデングローブ賞男優賞にも輝きました。
また、本心を読ませないチェイニーの不気味さを感じさせるような演技は必見です。

おわりに

どんな結果であれ、間違いなくアメリカだけでなく世界の動きが変わるであろうアメリカ大統領選挙。
アメリカ政治史に興味がある方はもちろん、普段あまり政治に関心を持たないという人も、注目が集まるこの機会に映画でアメリカ政治の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

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