本屋大賞受賞作家・凪良ゆうの大人気BL小説をドラマ化した『美しい彼』。“ぼっち”の男子高校生・平良一成とカリスマ的なクラスメイト・清居奏の関係を繊細に描いた本作を紹介します。
本屋大賞受賞作家・凪良ゆうの代表作
MBSほかにてTVドラマ化
凪良ゆうという小説家をご存じでしょうか？
著書である『流浪の月』が第17回本屋大賞を受賞し、その後も第11回山田風太郎候補となった『わたしの美しい庭』、「キノベス！2021」の第1位に選ばれた『滅びの前のシャングリラ』などで注目されている作家です。
『流浪の月』は広瀬すずと松坂桃李のW主演で『怒り』の李相日監督により実写映画化されることも発表されています。
脚光を浴びている凪良ゆうですが、BL好きの間では「やっと世間が凪良ゆうのすごさを認めるようになった！」と思っているファンも少なくないと思います。
というのも、凪良ゆうはBL小説でデビューし、数多くのBL作品を発表している作家だからです。
生きづらそうなキャラクターたちをまっすぐに見つめ、ときには苦しいほど切なく、ときには密やかに笑いをしのばせながら描き、読者を魅了してきました。
そんな凪良ゆうの代表作のひとつであるBL小説『美しい彼』がTVドラマ化され、現在MBSほかにて放送中。
葛西リカコがイラストを手掛けている本作は、徳間書店のキャラ文庫からシリーズ3巻が刊行され、新作書き下ろし番外編も収録された『interlude 美しい彼番外編集』が今秋発売されるほど人気の高い作品です。
凪良ゆうらしく、苦しいほどに切ないボーイズラブストーリーですが、同時にクスリとしてしまう笑いや、不思議な爽快感を内包した作品となっています。
キャストがハマり役のドラマ『美しい彼』
萩原利久×八木勇征ダブル主演！
TVドラマ『美しい彼』、はMBSの「ドラマ特区」で11月18日から放送開始となっています。
監督は『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の酒井麻衣が担当。
脚本は『コウノドリ』、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の平田文が手掛けています。
そして、気になるキャストは『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』で主演を務め、連続テレビ小説『エール』にも出演した萩原利久と、ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICS from EXILE TRIBE のボーカル・八木勇征によるW主演。
萩原利久が演じるのは、思うように言葉を発せない「吃音症」を持ち、幼い頃から周囲に馴染めず“ぼっち”を極める高校３年生・平良一成。
そして、彼が一目見た瞬間から惹かれてしまったスクールカーストの頂点に君臨する圧倒的なカリスマ・清居奏を八木勇征が演じます。
こう聞くと、「悲劇的で不憫な主人公を俺様な暴君が翻弄するのか」「そういうのは見飽きたな」と思う方がいるかもしれません。
確かに平良は不憫ではありますが、同時に達観しているところがあって芯が強い男の子。
方や清居はというと、群れの王様というよりは一匹狼風で、何といっても翻弄されるのが平良ではなくむしろ清居の方なのがこの作品の見どころ。
このパワーバランスや関係性が面白くて、グッと引き込まれてしまうのです。
また、キャスティングにおいても、人が近寄りがたいほどの美形という清居の印象に八木勇征はピッタリ！
陰キャだけど実は隠れイケメンという平良のイメージにも、萩原利久がしっかりと雰囲気を合わせていっているのが好印象です。
ドラマ『美しい彼』あらすじ
ぼっちの平良はクラスメイトの清居に強烈に惹かれていく…
幼い頃から周囲に馴染めず、うまく言葉が伝えられない「吃音症」に悩む高校３年の平良一成（萩原利久）。
両親が気を遣って買ってくれたカメラで何気ない日常を写しては、自分の人生に半ば諦めを感じていました。
新学期、いつも以上に緊張してしまった平良は「吃音症」が出て、自己紹介で自分の名前が言えなくなってしまいます。
そんなとき、絶妙なタイミングで同じクラスの清居奏（八木勇征）が教室に入ってきたことにより、クラスの空気が一変し、平良は偶然にも清居に助けられます。
この瞬間、平良は清居を一目見て強烈なほどに惹かれてしまうのです。
「吃音症」が出たために平良は清居たちのグループのパシリにされてしまいますが、平良はそれを苦と思うどころかむしろ嬉しく思うのでした。
この思いは、憧れなのか、それとも…？
自分の気持ちに整理ができずにいる平良でしたが、クラス内での力関係が変わるある出来事をきっかけに、2人の関係は急展開していくことになり…。
